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【市街化調整区域の土地を高く売りたい】売買の難点と解決策を、実例交えて徹底解説!

市街化調整区域を高く売る方法大公開!

不動産を売却したいんだけど、「市街化調整区域」だから売りにくいってどういうこと…?

そう悩んでいる方のためにぴったりの答えをご用意しました。

当記事では「そもそもどうして他の地域より売りづらいの?」という疑問から始まり、

  • 売れたとしてどれくらい安くなるの?
  • どうすればなるべく高く売れるの?
  • なんとかして売りたいんだけど、いい方法ってないかな?

という皆様が実際に知りたいところまで懇切丁寧に解説いたします。

この記事をお読みいただければ、あなたの土地がたとえ“売りにくい”市街化調整区域の不動産であったとしても、満足のいく取引にたどり着くことができるはずです。

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(関連記事:イエウールの口コミ・評判は最悪…?不動産のプロが11つの事実を伝えます

◇この記事の監修者◇
T ok i氏

公認不動産コンサルティングマスター

T o k i

*所属*
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そもそも市街化調整区域の不動産売却が難しい理由とは?

まずは一般に市街化調整区域の売却が難しいと言われる理由についてみていきます。

【難点①】厳しい建築制限がある

市街化調整区域は原則として新しく建築することが認められていない

市街化調整区域が売りづらいとされる一番の理由は建築における制限が厳しいこと。

制限の理由は建物の乱立を防ぐことにあります。

※そもそも市街化調整区域とは?
無秩序な市街化・建設を防ぐため、行政が都市計画区域で定めた「開発が抑制される」地域を指します。
主に農林漁業が行われている地域であることが多く、住むことに最適化された土地ではありません。
新しい建築は原則として認められない地域と考えてください。

このような厳しい建築制限のためマイフォームの建築を考える人が購入しづらく、売却が困難な地域となっています。

【難点②】インフラの整備が不十分である

市街化調整区域は農林漁業が中心なのでインフラは整っていない

市街化調整区域は農林漁業に焦点を当てた地域なので、道路や水道設備といったインフラ整備が進んでいないことが通例です。

そのため住居として利用するには不便が多く、仮に建設許可が降りたとして家を建てても水道等の自費整備が必要。
買い手が付きづらくなってしまいます。

【難点③】土地の評価額が物足りない

市街化調整区域の土地は価値が低いので価格も上がらない

上記のような理由から引き起こされる事態として、市街化調整区域の不動産は評価が低いことが挙げられます。

周辺の市街化区域と比べても査定額が低くなりがちで、なかなか希望の売却価格にたどり着けず断念してしまう人が多いのが実状です。

【難点④】住宅ローンの審査が厳しい

市街化調整区域の土地の購入はローン審査に通りにくい

市街化調整区域は購入時の融資が認められにくく、住宅ローンが組めたとしても減額されたものになってしまうことが多いです。

その理由は上述した土地評価額の低さ

融資が返せなかった場合の保険として銀行は該当不動産の抵当権を保持しますが、価値の低い市街化調整区域では抵当価値も低く、担保としての意味合いが薄いです。

銀行もわざわざリスクを冒して融資してくれるということが少なく、結果として買い手は資金力に余裕のある購入者に絞られます。

【気をつけたい“ローン特約”】
前提にしていたローンが受けられなかった場合、購入契約が白紙になるという条件で結ぶ契約です。
購入希望者がこの契約を希望する場合、ローン付けが難しい市街化調整区域の土地はローン審査の結果が売却成立に関わってきてしまいます。

【難点⑤】不動産会社が仲介に前のめりではない

市街化調整区域の土地は取引額が小さいので不動産業者は取引に前向きではない

土地の評価額が低いと、不動産会社も積極的に動いてくれません。

もともと売却の仲介をすることで手数料を得ている不動産会社ですが、法律で定められている手数料の上限は取引価格の3%まで
(関連:不動産売却の仲介手数料はいくら?

そのため取引額の小さくなりがちな市街化調整区域の売却では、高額の仲介手数料を見込めません。

結果として不動産会社も案件の仲介を敬遠することに繋がります。

市街化調整区域は本当に売りづらいか【実際の売却事例】

不動産売買はあくまでケースバイケース。

建築許可や外部環境など市街区域の売買以上に様々な要素が絡んでくる市街化調整区域では、不動産会社でも相場を提示するのはより一層難しいことです。

市街化調整区域における取引は実際どの程度の価格で行われているのか。

一概には断言できないことを3つのケースを通してご紹介いたします。

【Case.1】売却価格は50%以下でも普通

市街化調整区域の取引額は市街化区域の50%以下になる

概ねの傾向として市街化調整区域の売買は、周辺市街地の50%かそれ以下の評価額になると思ってください。

いかにインフラが整備されていたり建築許可が出そうだといっても、調整区域を優先して買う人はまず現れません。
半額程度に落ち着いてしまうのが常と言えます。

以下の例は建築許可は下りたものの、水道管整備は購入者の自費負担となってしまった市街化調整区域の売却事例です。

およそ半分の購入額となった例

 市街化調整区域同条件の周辺市街化区域
売却価格998万円2,300万円
建物面積98.54㎡100.12㎡
ローン契約

【Case.2】売却額が1ケタ下がることも

市街化調整区域でも条件次第では90%以下の価格になってしまう

上の例も高い売却価格とは言えませんが、建築許可が下りたからこその価格ということもできます。

建築許可が下りず満足な土地活用もできない土地では、売却額は周辺市街化区域と比べて十分の一にまで落ち込んでしまうこともあり得ます。

住居建築目的ではない購入者を根気強く探すか、この売却額でも決断してしまうかの二択を迫られます。

1割以下の売却額となってしまった例

 市街化調整区域同条件の周辺市街化区域
売却価格230万円2,400万円
建物面積99.25㎡100.15㎡
ローン契約

【Case.3】条件が良ければ6,7割で売却可能

売却額の下がり方は物件の条件次第で変わる

現在の建築物がまだ利用可能インフラも最低限整っており、そのままの使用を目的に購入された例です。

条件自体は市街化区域の取引と同等とはいえ、老朽化した場合のリフォーム、再建には申請が必要な上、次も許可が下りる保証はないという問題点を抱えているのでこの価格で落ち着いてしまいます。

市街化調整区域の中では高値で売れた例

 市街化調整区域同条件の周辺市街化区域
売却価格1,260万円1,900万円
建物面積117.58㎡117.20㎡
ローン契約有(上限1,500万円)

市街化調整区域の売却前に知っておきたいこと

一口に市街化調整区域といっても、以下の条件に当てはまるかで売却のしやすさが変わってきます。

【最重要条件】市街化調整区域の線引きと建築時期

建築時期によって制限内容が大きく違う

市街化調整区域の線引きの前後どちらに建てられたかは物件の売却に大きく影響します。

具体的に以下のような実情があるため、線引きが行われた昭和45年~46年頃にご自身の物件はすでに建てられていたのかを念入りに確認しましょう。

建築年は建物の全部事項証明書に記載されています。

線引き前に建てられていた場合

市街化調整区域の線引き前に建てられた物件だと建築制限が緩和されます。

具体的には以下の条件に該当する建築であれば許可なく実行可能です。

  • 現在の建物と用途が同じ物件
  • 現在の建物の敷地に収まる物件(敷地の拡大は許可)
  • 現在の建物と同程度の大きさの建物(延べ床面積5倍までなら許可不要)
  • 延べ面積が300平方メートル以下の小規模な物件

線引き前に建築された土地であれば、市街化調整区域であっても建築にかなり自由が利くことが分かります。

線引き後に建てられていた場合

一方線引き後に建てられた物件には厳しい制限が課されます。

建物の売却をするだけでも建物の用途変更として、許可が必要

その他改築増築にももちろん許可が必要なので、制約はかなり厳しいといえます。

【開発が認められる特例】制度上の4つの土地区分

4つの条件で売却のしやすさが変わる

市街化調整区域の線引き期間による影響だけではなく、制度上の土地の区分などの諸条件も売却のしやすさに関与してきます。

①区域指定されているか?

区域指定とは自治体により、一定の開発が許可された区域のこと。

区域指定を受けた土地であれば、認可を受けた本人以外の誰かであっても建築行為が可能になります。

市街化区域と同様の扱いで取引することが可能になります。

②農地区分か?

土地の区分が「農地」となっている場合、農業従事者にしか土地の販売ができなくなります。

農地を売却する場合には農業委員会の許可が必要。
もし他の用途での使用を望む場合も同委員会に転用手続きを認められる必要があるので、売却難易度は上がります。

詳しくは使用されていない農地の扱いについてまとめたこちらの記事も参照ください。

③宅地区分か?

土地区分が「宅地」となっている場合、市街化調整区域であっても売却の可能性は大きくなります。

宅地の周りは住宅地となっているケースが多く、その場合上下水道や電気ガスなどのインフラ整備がある可能性が高いからです。

また市街化調整区域はなかなかローンが組めないとご紹介しましたが、宅地に分類されていればローンが利用出来ることもあります。

④事業開発区域か?

以前開発事業地域であり、その後分譲された土地は市街化調整区域内であっても都市計画法の制限を受けず建築許可を必要としません。

市町村による土地区画整理住宅街区整備民間による開発事業もこれに該当します。

あなたの土地が開発事業を過去に経験している場合、周辺市街化区域と同等の価値を認められると思ってよいでしょう。

市街化調整区域を高く売る3つの着眼点

ここまでで市街化調整区域の売却の難しさを見てきましたが、工夫次第で満足のいく形で売ることは可能です。

ここでは以下の3点に分けて解説します。

  • 三種類の不動産売却方法
  • ターゲットになりうる購入者の候補
  • 売却する上で市街化調整区域のアピールポイント

【売却方法】土地や物件の売り方は3種類

不動産を売るには大きく分けて次の三つの方法が選択できます。

売り方の比較

 複数の不動産会社と折衝市街化調整区域専門業者個人で売却
安心
手間×
地方展開
手数料××
オススメ度×

【売り方①】複数の不動産会社と折衝する

より良い条件で売却するために複数の不動産業者を比較する

不動産会社の中でも上に述べた理由で市街化調整区域の物件というだけで担当を拒否してくる会社も存在します。

そのような状況でも快く引き受けてくれる業者を探すために複数企業に査定を依頼しましょう。

実際の販売事例からもその会社が市街化調整区域を担当するにふさわしいか推定できます。

【売り方②】市街化調整区域を専門にする不動産会社に依頼する

市街化調整区域専門の不動産会社に依頼する

多くの不動産が利益にならないと担当したがらない市街化調整区域ですが、その一方で市街化調整区域を専門にあつかう不動産会社も存在します。

関東近辺の例ですと

などが挙げられます。

お住いの地域にも市街化調整区域を得意とする不動産会社がないか調べてみてください。

【売り方③】個人で売却する

不動産業業者を介さないで個人で売ることも可能

契約書類やトラブルの回避を自分で行えると判断すれば、土地販売を不動産会社に頼らず行うことも可能です。

売却先を自分で見つけてくれば余計な仲介手数料は不要になります。

買い手を見つける方法の一つがオークションを利用する方法。

例えばヤフオク!では土地の販売が可能です。

市街化調整区域の土地であることをきちんと明記した上でオークションにかけてみるというのも手です。

その他不動産販売サイトに依頼して広告を載せることもできますが、その費用と手間を考えると不動産会社に依頼する方が無難かもしれません。

【購入候補者】購入可能性のある売却先5つ

売却を行う上でどのような人物が市街化調整区域の土地を買ってくれるのかを把握しておくことは売却ターゲットを絞る上で非常に効果的です。

ここでは5つの買い手候補をまとめました。

【売却先①】農家

市街化調整区域内であっても、農家の人が自宅を建設することは認められています。

そのため農家の息子が独立する際に住居や土地を買って住むことはよくあるケース。

また市街地に近いという特徴から新規で農業を始める人にとっても市街化調整区域の土地は目ぼしく映ります。

新規就農者の後押しにもなる有益な売買です。

【売却先②】農産物加工業者

市街化調整区域でも認められる建築には、農林水産物の処理・貯蔵・加工に関わる建築も該当。

このため農産物加工業者にとって市街化調整区域は他の土地と同等、価格が安い分それ以上の価値を持ちます。

こちらも有力な売却先として検討していきましょう。

【売却先③】市街化調整区域内の業務従事者

既に市街化調整区域内で店舗や工場を営んでいる業者にとって、近隣の土地は事業拡大に貢献する有益なものとして映ります。

既に事業用建造が認められていることから追加の許可もおりやすく、仮に許可が出なかったとしても倉庫や資材置き場等の建設なら可能です。

市街化調整区域内の土地であっても近隣法人は有力な売却候補であることを覚えておきましょう。

【売却先④】隣地所有者

売りにくい物件は直接隣接する土地の所有者にも売却検討してみましょう。

隣地の取得は購入者にとっても土地の形がよくなったり、道路に隣接できたりとメリットを生むことも多いです。

市街化調整区域について特に多いケースが下水管への接続

特に農産物加工などの会社にとって排水設備の整備は死活問題です。

もし土地を隣地所有者に売ることで購入者側のメリットにもなるとしたら素晴らしい取引ですよね。

売却の際には隣地の都合もぜひ検討に入れてみましょう。

【売却先⑤】建築を必要としない人/現状維持で大丈夫な人

市街化調整区域のネックとなっている建築制限を気にしない人は絶好の買い手だといえます。

建築を必要とせず資材置き場として利用する人や、既存の建築物をそのまま利用する人が好例です。

きちんと建築許可を得て建てた建造物であれば、同等の物件を再建築することも可能であるため価値は十分。

周辺市外部より安く販売される市街化調整区域の購入を希望する人も必ず現れるでしょう。

【市街化調整区域の魅力】売却に有利な4つのアピールポイント

市街化調整区域における制限は全てが悪条件というわけではありません。

ここでは売りたい人のために市街化調整区域をアピールする際に魅力となる4つのウリを解説します。

【アピールポイント①】安くて広い

市街化調整区域は建築制限やインフラの未整備があることから割安な価格となっています。

安く広大な土地が手に入るということで多少の不便が気にならない場合や、建築許可を受けられるなら絶好の環境です。

市街化区域の半分以下の額でマイホームが購入できるなど、人によってはとてもお得な買い物となるでしょう。

【アピールポイント②】のどかでしずかな環境が守られる

建築許可が下りにくいことが逆にメリットともなりえます。

市街化調整区域は建物が少なく緑が多いうえ、周りの環境が変わりにくいのです。

農業がおこなわれる田園風景や林業に最適な広大な森林に囲まれた環境に身を落ち着かせることができます。

【アピールポイント③】税金が安い

市街化調整区域は税金面においては圧倒的に有利。

都市計画に関与していないことから、市街化区域の土地には課される都市計画税が免除されるのです。

加えて土地価格の評価が低いことから固定資産税も安くなります。

さいたま市 同じ大きさの物件(80㎡)

 市街化調整区域市街化区域
不動産価格4,000万円1億円
固定資産税56万円/年140万円/年
都市計画税0円30万円/年
合計56万円/年170万円/年

これは長期的な土地の所有を考える場合、大きな利点になってきますね。

【アピールポイント④】居住目的でないなら問題なし

市街化調整区域の土地の売買でしたら居住目的以外の購入者も現れます。

そんな人にとっては市街化調整区域の制限も問題なく好条件の売却が見込まれます。

建築許可のいらない物件

  • 駐車場
  • 資材置き場
  • 太陽光発電
  • 霊園
  • 家庭菜園

また以下の営利施設であっても、社会的必要性が認められれば建築が許可されます。

建築許可が下りやすい建築

  • 老人ホーム
  • 保育園
  • 病院等の医療施設
  • 日用商業施設

要点を抑えて市街化調整区域の不動産を高く売ろう

ここまで不動産の売却は様々な制約もあり思うようにはいかないこと、それでも工夫次第で売却に成功することもできることを紹介してきました。

市街化調整区域の売却のコツは辛抱強く購入希望者を探すこと。

不動産はそれぞれ全く表情が違うとはよくいったもので、あなたの土地を魅力的に感じる人はきっと現れるはずです。

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