「土地を売ろうとしてるけど何から手をつけていいのか…」
「少しでもおトクに空き地を売却したいんだけど…」
「土地売却って逆に税金や経費がかかったりするの?」
今回は土地を高値で売るための裏ワザをメインに、以下の項目を解説していきます。
- 土地高額売却の裏ワザ「不動産一括査定サービス」について
- 土地の売却価格の相場
- 土地売却の流れ
- 土地売却を成功させるためのコツ
- 土地売却にかかる税金・諸費用
高額売却の裏ワザはたった1つなので、覚えるのに何の苦労も必要ありません。
しかし土地の売却がまったくのはじめてという人は、きっと不安でいっぱいですよね。
そんな人のために土地売却を網羅的に紹介しているので、参考にしてみてください。
Contents
土地(空き地)の高額売却の裏ワザは「不動産一括査定サービス」を利用すること
不動産一括査定サービスを利用するメリット
不動産一括査定サービスとは、複数社に一括で査定依頼を申し込めるサービスのこと。
空き地の高額売却を成功させている多くの人が、実践しているたった1つの裏ワザです。
不動産一括査定サービスのメリットはたくさんあります。
不動産一括査定サービスはメリットがいっぱい!
- 申し込みはカンタンで最短60秒の入力
- 最大6社から査定価格を提示してもらえる
- 所有する土地の価格相場がカンタンにわかる
- 多くの業者から土地や自分の状況に合った業者と出会える
- 利用は完全無料なのでムダなお金をかけることはない
- 土地売却についての不安や疑問をプロに相談できる
- 査定を受けた後に無理して契約しなくてもOK
土地を査定してもらうために、1社ずつ不動産会社に連絡するのはキツいはずです。
しかし不動産一括査定サービスを利用すれば、時間や手間をかける心配はありません。
また利用料はゼロ円なので、利用してもまったく損することはないんですね。
契約は強制されることはないので、まずは気軽に一括査定を依頼してみましょう。
◎不動産一括査定サービスを利用した人たちの声
不動産会社に直接連絡するのは何となく敷居が高いじゃないですか。
それに営業マンの話に流されるままに売却するのも嫌でしたし…。
ワンクッション入れる意味で、一括査定サービスで売却価格を比較してみたんです。
不安な点は相談することもできましたし、利用してみてよかったですね。
相談料も発生せずに完全無料だったので、お金はまったくかかりませんでしたよ。
(Aさん・44歳・会社員)
どこの不動産会社に査定してもらおうか探していたところで存在を知りまして。
ネットでの検索にも疲れていましたし、無料なので一回利用してみようかと。
公式サイトにあった通り、一回の利用で6社から査定価格を比較することができました。
自分だけで6社にコンタクトを取るのは結構骨が折れるじゃないですか。
カンタンに手間なく価格相場がわかったのは、本当によかったです。
(Bさん・56歳・不動産オーナー)
一括査定の申し込みは大変かなと思いましたが、2~3分で終わりました。
「最短1分」とか謳っているけど、特段ウソではないと思います。
不動産の取引はパートナー選びが大事だとはわかっていました。
といっても本当に良いパートナーが見つかるかは不安でいっぱいだったんですね。だから査定価格だけではなく、6社の担当者の比較もできることもよかったです。
担当者も比較してみると、不動産の知識量が担当者ごとにバラバラなことがわかりますよ。
(Cさん・38歳・会社役員)
関連記事不動産一括査定サービスのメリットを詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
不動産一括査定サービスのデメリットは「査定価格は大まかな数字」であること
不動産一括査定サービスは、実際の土地には足を運ばない机上査定で行います。
実際に土地に足を運ぶ訪問査定もできますが、多くの人は机上査定を選ぶことが多いです。
(訪問査定は結果が出る時間がかかる上に対応する手間が増えるため)
机上査定は、過去の事例やデータをもとに大まかな査定価格を出します。
そのため比較する査定価格にバラつきが生じて、選ぶ際に迷うこともあるでしょう。
しかし単純に金額が一番高い業者を選ぶのはリスクがともなうので注意が必要です。
特に経験が浅い担当者は、客引きのために高値をエサにすることもあるんですね。
そのような業者は何だかんだ理由をつけて、最終的な売却価格は下がるので要注意。
- 担当者の人柄
- 成約実績
(成約…契約が成立すること) - 価格が他社と差がつく根拠
話し合いの中で上記を探りつつ、本当に売却を依頼していい業者か見極めてみてください。
関連記事一括査定のデメリットや価格決定のプロセスを知りたい人はチェックしてみましょう。
おすすめの不動産一括査定サービス3社
トチカムがおすすめする不動産一括査定サービス3社を確認してみてください。
- すまいValue
→土地が都市にある人に特におすすめ - HOME4U
→土地が地方にある人に特におすすめ - イエウール
→土地が地方にある人に特におすすめ
すまいValueは業界の最大手6社が直営していて、特に都会の土地に強いです。
他の2社は地域密着型の業者が多数登録しているので、地方の土地に強いといえます。
自分の土地と相性が良さそうな不動産一括査定サービスを、優先的に利用しましょう。
①すまいValue
すまいValueは、大手6社のネットワークで全国を網羅している一括査定サービスです。
- 小田急不動産
- 住友不動産販売
- 東急リバブル
- 野村の仲介+(PLUS)
- 三井のリハウス
- 三菱地所ハウスネット
どこも知名度バツグンで、6社の合計店舗数は900店舗(2021年4月10日時点)。
営業担当者の96.5%が宅地建物取引士の資格があり、知識・経験が豊富といえます。
また2020年度の売買仲介を取り扱ったのは11万件以上と、確かな売却力なんですね。
特に魅力的な都会の土地を持っているならば、優先的に申し込んでみましょう。
※不動産売却者の3人に2人が利用していたサービス!
関連記事
以下の記事ではすまいValueのメリットや利用の流れについて詳しく解説しています。
→すまいValueの評判は?大手不動産業者6社が運営する一括査定サービスに切り込む!
②HOME4U
HOME4Uは、NTTデータグループが運営する老舗の一括査定サービスです。
- みずほ不動産販売
- 京王不動産
- HOUSE DO
- CENTURY21
- 三井住友トラスト不動産
- 三菱UFJ不動産販売
上記のような大手を筆頭に、約1,300社の優良企業が登録しています。
大手・中小にバランスよく査定してもらえるのが、HOME4Uの特徴なんですね。
Pマークを取得しており、申し込み情報は厳重に管理されるので安心してください。
(Pマーク…厳しい審査を経て個人情報の管理体制が認められた企業に付与されるマーク)
また迷惑な勧誘を徹底的に禁止しているので、ムダに煩わしさを感じることもありません。
※大規模な広告と独自のルートで販売網を構築!
関連記事
以下の記事ではHOME4Uの強みをメインに全体像を解説しています。
→HOME4Uの評判は?一括査定の実態を8つの特徴から紐解く【不動産のプロの口コミ】
③イエウール
イエウールは、IT企業の株式会社Speeeが運営している一括査定サービスです。
- 朝日住宅株式会社
- 住宅情報館株式会社
- オークラヤ住宅株式会社
- ウスイホーム株式会社
- ナイス株式会社
- 神鋼不動産株式会社
上記の他に「地方・地域密着」の不動産会社が多数登録していることを明言しています。
穴場の不動産会社と出会いたい人には、優先的に申し込むべきといえるでしょう。
なおクレームの多い企業はイエウールが契約解除しているので、安心して利用できます。
※査定結果が出るのは申し込み完了から最短20分!
関連記事
以下の記事ではイエウールの噂の真相について詳しく解説しています。
→イエウールの口コミ・評判は最悪?不動産のプロが11つの事実を伝えます
実際どのくらいで売れる?土地(空き地)売却の価格相場
「現実として土地はどのくらいの金額で売れてるの?」
気になる人のために、日本の三大都市圏の土地の成約価格を確認してみました。
圏内の都道府県
- 首都圏
→東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県 - 近畿圏
→大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県 - 中京圏
→愛知県・岐阜県・三重県
3つの地域の2019年1~3月期の成約データから、売却価格の相場を見ていきます。
参照:2019年3月度 レインズ月例速報Market Watch【全国版】
首都圏における土地の売却価格の相場
2019年1~3月に取引された首都圏の土地のデータは以下の通り。
首都圏 | 成約件数 | ㎡単価 | 売却価格 | 平均面積 |
---|---|---|---|---|
東京都 | 998件 | 34.56万円 | 5,202万円 | 150.54㎡ |
神奈川県 | 727件 | 15.43万円 | 2,908万円 | 189.17㎡ |
埼玉県 | 521件 | 11.48万円 | 2,056万円 | 179.50㎡ |
千葉県 | 629件 | 7.68万円 | 1,776万円 | 233.32㎡ |
やはり東京都の土地の㎡単価が一番高く、千葉県の5倍近くになっています。
東京都の土地は売却価格も5,000万円超と、他の県よりも2~3,000万円高いです。
購入するのは大変ですが、売却になると利点が多いのが東京都の土地といえるでしょう。
東京都は23区と多摩地域で売却価格が変わってくる
東京都は大きくわけて、23区と多摩地域の2つの地域があります。
2つの地域の土地価格を比べてみると、23区のほうが格段に高いです。
100~200㎡の土地の成約データを2つの地域にわけて見てみましょう(2018年のデータ)。
東京都 | 成約件数 | ㎡単価 | 売却価格 | 平均面積 |
---|---|---|---|---|
23区 | 757件 | 52.51万円 | 7,215万円 | 137.39㎡ |
多摩地域 | 946件 | 21.69万円 | 3,083万円 | 142.13㎡ |
上記を見ると、23区の土地の㎡単価は多摩地域の2倍以上であることがわかりますね。
ただし同じ23区でも、都心と外側の区では土地価格が変わるので把握しておいてください。
(都心…千代田区や港区や中央区など・外側の区…江戸川区や板橋区や足立区など)
近畿圏における土地の売却価格の相場
2019年1~3月に取引された近畿圏の土地のデータは以下の通り。
近畿圏 | 成約件数 | ㎡単価 | 売却価格 | 平均面積 |
---|---|---|---|---|
大阪府 | 686件 | 14.71万円 | 2,256万円 | 153.31㎡ |
京都府 | 295件 | 12.83万円 | 2,468万円 | 255.46㎡ |
兵庫県 | 372件 | 10.93万円 | 2,380万円 | 217.71㎡ |
奈良県 | 193件 | 6.07万円 | 1,588万円 | 262.50㎡ |
滋賀県 | 141件 | 5.19万円 | 1,302万円 | 273.52㎡ |
和歌山県 | 71件 | 3.59万円 | 842万円 | 233.61㎡ |
近畿圏の中では、やはり大阪府の土地価格が一番高いです。
次に高いのは京都府の土地で、その次に高いのは兵庫県の土地になります。
首都圏の土地と比べると大阪府は神奈川県に、京都府は埼玉県に相場が近いです。
大阪府はさらに細分化されて売却価格が変わってくる
大阪府は大阪市を中心として、4つの地域にわけられます。
それぞれの地域によって売却価格が変わってくるので、確認してみましょう。
なお以下のデータは、2019年1~3月に成約された50~300㎡の土地です。
大阪府 | 成約件数 | ㎡単価 |
---|---|---|
大阪市 | 118件 | 27.7万円 |
大阪府北部 | 181件 | 18.7万円 |
大阪府東部 | 115件 | 13.3万円 |
大阪府南部 | 220件 | 10.1万円 |
大阪市の土地は大阪府北部と比べると、㎡単価は9万円も高いです。
また東部や南部と比べると、㎡単価は14.4~17.6万円も高いことがわかります。
参照:近畿レインズ「マンスリーレポート ダイジェスト 2019年4月号」
中京圏における土地の売却価格の相場
2019年1~3月に取引された中京圏の土地のデータは以下の通り。
中京圏 | 成約件数 | ㎡単価 | 売却価格 | 平均面積 |
---|---|---|---|---|
愛知県 | 974件 | 12.08万円 | 3,017万円 | 249.4㎡ |
三重県 | 140件 | 3.15万円 | 1,119万円 | 355.1㎡ |
岐阜県 | 118件 | 3.02万円 | 975万円 | 322.61㎡ |
中京圏の中では、名古屋を抱える愛知県の土地価格が群を抜いています。
㎡単価は他県の約4倍で、平均の売却価格は2,000万円ほど高くなるんですね。
愛知県は名古屋市とそれ以外で売却価格が変わってくる
愛知県は大きくわけて、名古屋市とそれ以外の市町村があります。
2019年1~3月の住宅地の成約データを、2つの地域にわけて見てみましょう。
愛知県 | 成約件数 | ㎡単価 | 平均価格 | 平均面積 |
---|---|---|---|---|
名古屋市 | 270件 | 16.4万円 | 3,663万円 | 233.5㎡ |
名古屋市以外 | 421件 | 8.9万円 | 2,351万円 | 268.8㎡ |
名古屋市の土地の㎡単価は、名古屋市以外の土地のほぼ倍近いです。
また名古屋市の面積は愛知県全体の面積の15分の1にすぎません。
面積から考えると成約件数は多く、盛んに不動産売買がされていることがわかります。
参照:中部レインズ 中部圏市場動向「土地(住宅地)成約・在庫価格推移」
関連記事名古屋の家の売却を考えている人は以下の記事をチェックしてみてください。
土地(空き地)を売却する流れ10ステップ
土地を売却するまでの流れを確認してみましょう。
- 土地の価格相場を調べる
- 不動産一括査定サービスに申し込む
- 土地の査定価格を比較する
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 買主を探す
- 購入希望者と交渉する
- 重要事項説明
- 売買契約を結ぶ
- 手付金の受け取り
- 所有権を移転する
土地売却にかかる期間は早くて3ヶ月、遅くて6ヶ月以上かかることもあります。
関連記事以下の記事では売却前の段取りや引き渡しまでの流れなどを解説しています。
→【不動産売却の流れ】仲介契約から売買契約、税金の支払いまで【必要書類もチェック】
①土地の価格相場を調べる
先述した一括査定サービスを利用すれば、土地の売却価格の相場がわかります。
ただし一括査定を依頼する前にある程度の相場を知っておくのも、ムダではありません。
事前に価格相場を知っておけば、一括査定サービスをより活用できるでしょう。
たとえば調べた相場と査定価格に開きがあった場合は、質問する機会ができます。
鋭い質問をすれば担当者に緊張感を与えられるので、相場を知っておくのはおすすめです。
土地価格(地価)には種類がある
土地の価格にはいくつか種類があるので覚えておきましょう。
◎地価の種類
- 公示地価
→国土交通省が決定する土地取引の基準となる価格 - 基準地価
→各都道府県が決定する公示地価の決定から半年後の価格 - 実勢価格
→不動産会社などが実際に取引する際の価格(時価) - 固定資産税評価額
→各市町村が決定する公示地価の7割ほどの価格 - 相続税路線価
→国税庁が決定する公示地価の8割ほどの価格
不動産会社が査定価格を出す際は、公示地価や基準地価をもとにしています。
関連記事
以下の記事では土地価格の調べ方や推移をわかりやすく解説しています。
②不動産一括査定サービスに申し込む
おすすめした不動産一括査定サービスはどこも、申し込みにかかる時間は最短60秒。
PCはもちろんスマホでも申し込めるので、仕事のスキマ時間に申し込みOKです。
また24時間365日受け付けているため、出勤前の早朝や帰宅後の深夜でも構いません。
各社の査定結果が届くまでの時間は数十分程度。
ただし土地によっては数時間かかることもあるので把握しておきましょう。
いずれにせよ机上査定であれば、数日かかることはないので安心してください。
③土地の査定価格を比較する
不動産会社による土地の査定結果は、各社バラつきがあることが普通です。
◎不動産一括査定サービスを利用した結果
- A社:3,800万円
- B社:4,200万円(最高価格)
- C社:3,500万円(最低価格)
- D社:4,000万円
- E社:3,900万円
- F社:3,600万円
→価格相場(平均)は3,833万円
所有する土地の価格相場や最高価格・最低価格がわかれば、
「3,833万円よりは高く売ってもらうことにしよう」
「少なくとも4,200万円よりは高く売れないということだな」
「最終的な売却価格は3,500万円より下回らないようにしなきゃ」
というように土地を売却する上での判断材料を手に入れることができます。
ただし先述した通り、一番高い査定額の業者が実際に一番高く売れるとは限りません。
パートナーとなる不動産会社を選ぶ際は必ず、査定価格の根拠を聞くようにしましょう。
④不動産会社と媒介契約を結ぶ
媒介契約とは、土地を売却してもらうために締結する契約のこと。
不動産会社が売却の依頼を受ける際は、必ず媒介契約を結ばなければいけません。
3種類にわけられる媒介契約の内容は以下の通り。
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
契約できる業者 | 複数OK | 1社のみ | 1社のみ |
売主が買主と直接取引 | 直接取引OK | 直接取引OK | 直接取引NG |
業者からの活動報告 | 活動義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
レインズの登録義務 | 登録義務なし | 媒介契約から 7営業日以内 | 媒介契約から 5営業日以内 |
向いている人 | ・人気物件を 所有している人 ・複数の担当者から 売却方針を聞きたい人 ・少しでも高額で 売りたい人 | ・複数社と連絡 するのは面倒な人 ・少しでも早く 売りたい人 | ・複数社と連絡 するのは面倒な人 ・少しでも早く 売りたい人 |
仕組みの図 |
レインズに登録してもらえるかどうかは、どの媒介契約を選ぶかによって異なります。
売主の依頼に基づき不動産情報を登録して、買主の依頼に基づき検索に利用する。
土地をレインズに登録すれば、多くの購入検討者の目に触れやすくなる。
専任・専属専任の媒介契約では、不動産のレインズ登録が義務になっているんですね。
登録により早く売れやすくなるので、売却を急いでいる人はどちらかを選択しましょう。
一般媒介契約は時間がかかっても高く売却したい場合におすすめ。
立地条件が良い魅力的な土地であれば、一般媒介契約でも売れる可能性が高いです。
画像:REINS TOWER公式サイト
一般媒介契約でも交渉次第でレインズ登録は可能です。
ただし業者にとっては義務ではないので、登録の旨を書面に残してもらいましょう。
関連記事
媒介契約や仲介業務についてもっと詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
一番件数が多いのは「専任媒介契約」
2018年度に登録された不動産の媒介契約ごとの件数を見てみましょう。
なお全体の媒介契約の件数は439,895件でした。
◎2018年度に締結された媒介契約の件数内訳
- 専任媒介契約…215,623件
- 専属専任媒介契約…99,263件
- 一般媒介契約…125,009件
上記を見ると、件数が一番多いのは専任媒介契約であることがわかります。
専任媒介契約は不動産会社の手間が専属専任よりは少なく、好まれやすいとのこと。
また売主にとっては、親族や知人が購入したい場合に対応できるため選ばれるようです。
(自己発見取引は仲介手数料はかかりませんが、多少の売却活動費を請求されます)
参照:公益財団法人 東日本不動産流通機構「2018(平成30)年度 レインズシステム利用実績報告」
⑤買主を探す
媒介契約を結んだ後は、不動産会社は買主を探すための売却活動を始めます。
売却活動とは以下のような活動の総称だと思ってください。
◎不動産会社が行う売却活動の例
- チラシや看板の作成・配布
- 新聞や折り込み広告への掲載
- ネットワークを活かした営業活動
- ホームページへの掲載
- 不動産情報サイトへの登録
- レインズへの登録
活動報告がある媒介契約を結んだ場合は、主に売却活動の反響について報告を受けます。
具体的にはホームページへのアクセス件数や、購入検討者の問い合わせについてなどです。
⑥購入希望者と交渉する
購入希望者が現れたら、条件面での交渉に入ります。
交渉といっても、仲介業者である不動産会社を通して行うんですね。
この時点では価格だけではなく、引き渡し条件もきちんと詰めておいてください。
◎土地売却における引き渡し条件の例
- 土地の実測をするかどうか
- 古家や小屋がある場合は撤去するかどうか
- 更地なら整地にするかどうか
- 引き渡しの具体的な時期はどうするか
- 瑕疵担保責任の期限をいつまでにするか
相手や不動産会社の意見だけでなく、自分がどうしたいかも鑑みながらすすめましょう。
瑕疵担保責任(隠れた瑕疵に売主が負う責任)とは?
まず隠れた瑕疵(かし)とは、外見的には見えない欠陥や不具合のこと。
その上で瑕疵担保責任とは、売却後に見つかった瑕疵について売主が背負う責任です。
土地の隠れた瑕疵には以下のようなものがあります。
土地の隠れた瑕疵の例
- 地中に大量の産業廃棄物があり除去が必要
- 鉛やヒ素の土壌汚染で浄化が必要
- 擁壁が古く違法状態で工事が必要
- 軟弱地盤のため地盤改良工事が必要
これらが売却後に発覚した場合は、工事などの費用は売主が負担しなければいけません。
しかし瑕疵担保責任の期間があまりに長いと、売主にはとても思い負担ですよね。
そのため不動産売買では瑕疵担保責任の期間は、数ヶ月に設定されるのが一般的です。
関連記事 擁壁工事や地盤改良工事の費用相場を知りたい人はチェックしてみてください。
⑦重要事項説明
画像:国土交通省ホームページ「別添3・重要事項説明の様式例」
売却について購入者と合意があっても、すぐに契約するわけではありません。
売買契約の前には必ず、重要事項説明をしなければいけないんですね。
重要事項説明とは?買主が物件についてよく理解して購入できるようにするための説明。
契約後の買主の損害や当事者間のトラブル防止が目的でもある。
宅地建物取引業法35条により書面交付※をした上で以下の説明が義務化されている。
(書面…重要事項説明書のこと)
- 物件に関する権利関係の明示
- 物件に関する権利制限内容の明示
- 物件の属性の明示
- 取引条件(契約上の権利義務関係)の明示
- 取引に当たって宅地建物取引業者が講じる措置
これらを説明するのは売主ではなく、宅地建物取引士(旧 宅地建物取引主任者)です。
ただし売主も重要事項説明に漏れはないか、トラブル防止のために把握しておきましょう。
なお重要事項説明をする日は、契約日以外の日とされています。
(買主が重要事項説明についてよく理解してから契約するのがのぞましいため)
重要事項説明の前に行うこと(売主 & 不動産会社)
重要事項説明の前に売主や不動産会社が行うことは以下の通り。
◎重要事項説明の前に行うこと
【売主…土地そのものの情報や周辺情報の提供】
- 土地そのものの情報(告知書や購入時に受領した重要事項説明書など)
- 周辺情報(治安や近隣トラブルの有無など)
【不動産会社…土地に関して詳細な調査】
- 法務局での調査(登記簿や公図など)
- 行政庁での調査(都市計画法や建築基準法などの制限)
- 現地での調査(道路や敷地の状況や隣地との境界線など)
- インフラ調査(上下水道やガスの配管状況など)
売主は土地の隠れた瑕疵(見えない欠陥)について責任を負っています。
隠れた瑕疵を知った上で告知しない場合は、トラブルは深刻になるので注意しましょう。
⑧売買契約を結ぶ
土地の売買契約では、必ず契約書を交付しなければいけません(宅建業法第37条)。
売主と買主が顔を合わせて、契約書を読み上げて最終確認をします。
売買契約書の主な記載項目は以下の通り。
◎売買契約書の主な記載項目
- 売買の目的物および売買代金について
- 手付金の金額や種類について
- 土地の実測について
- 売買代金の支払い時期や方法について
- 売買代金の清算について
- 所有権移転の時期について
- 土地の引き渡しの時期について
- 負担の消除について
(負担の消除…抵当権や賃借権など買主の所有権の行使の障害を消しておくこと) - 所有権の移転や土地の引き渡し
- 公租公課の清算について
- 手付解除について
- 引き渡し前の滅失・毀損について
- 契約違反による解除について
- 反社会的勢力の排除について
- 瑕疵担保責任について
不動産会社への仲介手数料の支払い(半額)は契約のタイミングで行うことが多いです。
(土地の引き渡し時に全額を支払う場合もあります)
土地の売買契約時に必要になるモノ
土地の売買契約の際は以下のモノを用意しましょう。
- 本人確認書類
- 登記済証(権利証)
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
- 固定資産税納税通知書
忘れてしまうと手続きが停滞するので注意してください。
⑨手付金の受け取り
売買契約を締結した後は、売主は買主から手付金を受け取ります。
手付金の役割は大きくわけて3つです。
3種類の手付金
- 証約手付
→土地売買の取引が成立したことを明らかにするための支払い - 解約手付
→債務不履行の有無に関係なく解約できるようにするための支払い - 違約手付
→債務不履行があった場合に違約金にするための支払い
手付金を支払っても通常は、売買代金の一部を支払ったことにはなりません。
しかし契約書の文言にしたがって、売買代金の一部に充当することが一般的です。
なお手付金の相場は売却代金の5~10%で、5,000万円なら250~500万円になります。
相場より少なすぎると、相手方が解除しやすくなってしまうので注意しましょう。
なお手付金を受け取ったら、売買代金の決済日を設定します。
手付解除ができるのは「相手方が契約の履行に着手するまで」
手付解除とは、手付金を解約手付として利用することです。
- 売主が解約をのぞむ場合
→受け取った手付金の倍額を買主に返金する(手付金倍返し) - 買主が解約をのぞむ場合
→すでに支払った手付金を放棄する(手付流し)
上記を実行すれば、売主・買主どちらでも契約を解除できます。
ただし手付解除をできるのは「相手方が契約の履行に着手するまで」。
(履行の着手…客観的に契約の履行行為の一部を実施したと認識できること)
履行に着手した以降は、基本的に手付解除はできないので注意してください。
たとえば買主が代金を用意して引き渡しを催告した場合は、手付解除はできません。
関連記事土地売却の手付金についてもっと詳しく知りたい人はチェックしてみましょう。
⑩所有権を移転する
土地の売買契約を結んでも、自動的に所有権が移転されるわけではありません。
法的に買主の土地にするために、すみやかに手続きをすすめてください。
- 登録免許税を支払う
(固定資産税評価額の2.0%) - 移転登記を司法書士に依頼するための費用を支払う
(土地売買での相場は5万円前後)
上記の費用を買主・売主のどちらが支払うかは、合意内容次第です。
なおこのタイミングで売買代金の残代金を受け取るので、把握しておきましょう。
(決済の多くは金融機関の領収書が証拠になる銀行振込で行われる)
決済が済めば売主は買主に、残代金の領収書と登記の必要書類を引き渡します。
その後は不動産会社へ仲介手数料を支払って、全体の流れは完了です。
【以下のような場合は決済が延期するので要注意】
〇書類に不備がある
〇実印と印鑑証明の印影が異なる
〇差し押さえの登記が入っている
土地(空き地)の売却を成功させるためのテクニック6選
土地・空き地の売却を成功させるためのテクニック6つをご紹介します。
- 複数の不動産一括査定サービスを利用する
- 整地にする
- 値下げ交渉に備えておく
- 売り急がない
- 測量をしておく
- 反響がない場合の値下げ幅を決めておく
覚えておいてムダではないテクニックなので、なるべくすべて実践してみてください。
①複数の不動産一括査定サービスを利用する
紹介した不動産一括査定サービスは、1度しか利用してはいけないわけではありません。
複数の一括査定サービスを利用すればその分、土地売却が成功する確率も上がります。
どの一括査定サービスも査定価格を比較できるのは、最大6社の不動産会社。
すべての一括査定サービスを利用すれば、最大18社の査定価格を比較可能です。
18社の査定価格を比較すれば、より精度の高い価格相場を知ることができます。
◎不動産会社18社から一括査定を受けた場合
- A社:3,800万円
- B社:4,200万円
- C社:3,500万円(最低価格)
- D社:4,000万円
- E社:3,900万円
- F社:3,600万円
- G社:4,100万円
- H社:4,300万円
- I社:3,850万円
- J社:3,700万円
- K社:4,150万円
- L社:3,500万円(最低価格)
- M社:4,050万円
- N社:4,400万円
- P社:4,500万円(最高価格)
- O社:3,950万円
- P社:4,200万円
- Q社:3,600万円
→価格相場(平均)は3,961万円
※6社の査定よりも相場が128万円アップ
6社比較したときは最高価格は4,200万円でしたが、18社比較では4,500万円です。
このように違う一括査定サービスを利用すれば、最高価格を更新することもあるんですね。
また自分の状況に合った不動産会社と出会える確率もアップするでしょう。
どこも申し込みは最短60秒なので、気軽に複数の一括査定サービスに申し込んでください。
②整地にする
更地は整地にしたほうが高く売却できるのが一般的です。
更地と整地の違い
- 更地…建物などの上物がない状態の土地
- 整地…更地からゴミや樹木などを除去した後に転圧して整えた土地
(転圧…乱した地盤を重機で締め固めて安定させること)
デコボコしていたり、ゴミがあったりしても更地と呼びます。
(ゴミ…コンクリートガラ・大きな石・木材の破片・割れたガラスなど)
自分が購入検討者だった場合、ゴミだらけの更地には魅力は感じないですよね。
整地は客観的にキレイな土地にすることなので当然、商品価値が上がります。
「整地の費用が売主負担では、高く売却できても意味がないのでは?」
整地費用は、土地の売却価格に上乗せすれば損することはないので安心してください。
関連記事更地や整地の費用についてもっと詳しく知りたい人は一読しておきましょう。
③値下げ交渉に備えておく
大抵の購入検討者は、軽い気持ちで値下げ交渉をするものだと思ってください。
しかし買ってもらう立場だからといって、売主が譲歩しすぎる必要はありません。
このタイミングを逃したら危険という場合でも、相手方に知られた交渉は不利に…。
気持ちよく値下げするには「あらかじめ高めに価格設定しておくこと」が有効です。
また売却価格に端数を入れると、値下げ幅を抑えられるので検討してみましょう。
- 売却価格が4,900万円
→最低でも値下げは100万円になりやすい - 売却価格が4,950万円
→「50万円なら値下げできます」と先手を打ちやすい
値下げ交渉は心理戦になるので、焦りや不利な状況を悟られないことが重要になります。
④売り急がない
少しでも土地を高く売りたい場合は、多少は時間がかかることを意識してください。
媒介契約の期間は3ヶ月以内なので、特別急ぐ理由がないなら3ヶ月フルで使いましょう。
早く土地を売りたい人の大きな理由の1つは「相続税の支払いの期限が迫っているから」。
具体的には「被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」。
(期限内に納税しなかった場合は「無申告加算税」や「延滞税」が余計にかかってしまう)
また他の早く売りたい理由には、以下のようなモノもあります。
- 固定資産税を払わないようにしたい
(1月1日時点の所有者にかかるため) - 離婚するのでスムーズに財産分与したい
- 借金やローンの返済などでまとまったお金が必要
いずれにせよ特別な理由がない限りは、焦って安売りしないことが大切です。
自分が「早く売りたいと思っているかどうか」は重要な手札
不動産会社に「早く売りたい」と伝えるのは、多少リスクがあるので注意しましょう。
すべてではありませんが、不動産会社は土地の自社買い取りも受け付けています。
しかし不動産会社による買い取りは、価格相場よりも低くなってしまうんですね。
最初から「早く売りたい」が前面に出てしまうと、悪意で買い取りに誘導されることも…。
ロクな売却活動はされずに、結果的に不動産会社のカモになるのは避けてください。
土地が実際に売れるまでは、何事も戦略的に考えることが重要です。
「早く売りたい」と安易にいってしまうと、交渉が不利になることもあります。
⑤測量をしておく
測量とは、土地の面積(地積)や境界を確定することです。
面積や境界があいまいだと、買主は購入後にトラブルに巻き込まれることも…。
(面積が情報より小さかった・隣接地の住民から越境についてクレームなど)
測量を依頼して確定測量図を作成しておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。
(他には地積測量図や現況測量図があるが確定測量図よりは信用度は低い)
測量から確定測量図の作成まで、3ヶ月以上はかかるので把握しておいてください、
そのため不動産一括査定サービスの利用前に、土地家屋調査士に依頼しておきましょう。
なお測量費用は目安として、隣接地4ヶ所の100㎡の土地で30万円程度かかります。
(土地が国有地などに隣接する場合は費用が倍近くになることもある)
画像:三井住友トラスト不動産公式サイト「知っておきたい不動産売買の基礎知識」
⑥反響がない場合の値下げ幅を決めておく
いつまで経っても売却活動の成果が見られない場合は、値下げも考えましょう。
値下げを考える時期の目安は「最初の媒介契約の期限が切れるとき」です。
そのため媒介契約の期間である3ヶ月間は、焦って値下げする必要はないんですね。
反響がない場合の値下げ幅のパターンは以下の通り。
◎値下げ幅のパターン
- 50万円を値下げする
- 98効果を狙って値下げする
(98効果…5,000万円→4,980万円など大台割れで安く感じさせる効果) - 1割を値下げする
- 端数を値下げする
- 高めに価格設定していた場合は価格相場まで値下げする
値下げ幅は不動産会社から提案することもあります。
しかし相場を大幅に下回る価格を提示することもあるので注意しましょう。
いい不動産会社であれば、無理な値下げで売却を急がせることはありません。
一般媒介契約だった場合は値下げの前に契約を変更しよう
媒介契約の中でも特に、一般媒介契約は広告や宣伝の面で弱いです。
(レインズ登録が任意で広告費にお金をかけてもらえない場合が多いため)
一般媒介契約を結んでいたのなら、反響がなくてもすぐには値下げしなくてOK。
価格が売れない原因ではないので、まずは媒介契約の見直しを優先させてください。
一般媒介契約以外の媒介契約をおさらいしてみましょう。
- 専任媒介契約
→7営業日以内にレインズ登録・2週間に1回の販売活動の報告 - 専属専任媒介契約
→5営業日以内にレインズ登録・1週間に1回の販売活動の報告
媒介契約を変更することで、買い手が見つかる可能性は十分にあるといえます。
土地(空き地)の売却にかかる税金
土地・空き地の売却にかかる税金は主に5つあり、支払わなくてもいい場合もあります。
- 必ず用意すべき税金
→印紙税・登録免許税 - 場合によって支払う税金
→譲渡所得税(所得税+復興特別所得税※+住民税)
※2037年12月31日までは復興特別所得税(2.1%)が所得税に上乗せ
譲渡所得税・住民税は、売却で利益が出た場合は納税が必要なので覚えておきましょう。
必ずかかる:印紙税・登録免許税
画像:国税庁「形式改正後の収入印紙一覧」
まず印紙税とは、経済取引の契約書の作成にかかる流通税のこと。
土地の売買契約書に、収入印紙を貼付することで納税となります。
印紙税額は売買契約の金額によって変わるので、把握しておきましょう。
売却価格 | 印紙税額 |
---|---|
100万円超 500万円以下 | 1,000円 |
500万円超 1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超 5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超 1億円以下 | 30,000円 |
1億円超 5億円以下 | 60,000円 |
5億円超 10億円以下 | 160,000円 |
10億円超 50億円以下 | 320,000円 |
50億円超 | 480,000円 |
※表は2020年3月31日までの軽減税率適用後の数字
次に登録免許税とは、土地を登記する際に課税される税金のこと。
必ず課税されますが、買主と売主のどちらが支払っても構いません。
(実際は登記によって利益を得る買主が支払うことが多いです)
土地売買にかかる登録免許税は「固定資産税評価額×2.0%」で計算されます。
たとえば固定資産税評価額が5,000万円の土地なら、登録免許税は750,000円です。
関連記事登録免許税についてもっと知りたい人は以下の記事をチェックしてみてください。
売却で儲けるとかかる:譲渡所得税(所得税+復興特別所得税+住民税)
譲渡所得税・住民税がかかるのは「不動産売却益(土地売却の利益)」が出たとき。
「売却価格-取得費-諸経費-特別控除」の計算で残ったお金が不動産売却益です。
不動産売却益が出たときは、以下の式で譲渡所得税を計算します。
譲渡所得税の計算方法譲渡所得税=不動産売却益×合計税率※(所得税率+復興特別所得税率+住民税率)
※不動産売却益にかける合計税率は売却する土地の所有期間で変わる
- 土地の所有期間が5年以下…39.63%
(所得税率30%+復興特別所得税率0.63%+住民税率9%) - 土地の所有期間が5年超…20.315%
(所得税率15%+復興特別所得税率0.315%+住民税率5%)
土地の所有期間にわけて、不動産売却益ごとの譲渡所得税を見てみましょう。
◎譲渡所得税の計算例
【土地の所有期間が「5年以下」の場合】
- 不動産売却益が300万円のケース
→譲渡所得税は118万8,900円
(3,000,000×0.3963=1,188,900) - 不動産売却益が1,500万円のケース
→譲渡所得税は594万4,500円
(15,000,000×0.3963=5,944,500) - 不動産売却益が5,000万円のケース
→譲渡所得税は1,981万5,000円
(50,000,000×0.3963=19,815,000)
【土地の所有期間が「5年超」のケース】
- 不動産売却益が300万円のケース
→譲渡所得税は60万9,450円
(3,000,000×0.20315=609,450) - 不動産売却益が1,500万円のケース
→譲渡所得税は304万7,250円
(15,000,000×0.20315=3,047,250) - 不動産売却益が5,000万円のケース
→譲渡所得税は1,015万7,500円
(50,000,000×0.20315=10,157,500)
土地の所有期間が5年以下だと、5年超の場合の約2倍の譲渡所得税がかかります。
関連記事
譲渡所得税や不動産売却益についてもっと知りたい人はチェックしてみてください。
実額法で不動産売却益を計算するとトクする可能性が高い
取得費の計算方法には「実額法」と「概算法」の2つがあります。
【取得費の計算方法】
-
- 実額法
→土地の購入総額
(建物売却では「購入総額-減価償却費※」となる)
※減価償却費の計算式:建物購入代金×0.9×償却率×経過年数 - 概算法
→土地の売却価格×5%
- 実額法
取得費がわからない場合は、概算法を使うことになります。
しかし土地の場合は購入総額がそのまま取得費になるんですね。
そのため実額法で計算したほうが、取得費が大きくなってトクする可能性が高いです。
◎取得費の計算例(実額法・概算法)
【実額法で計算した場合】
- 売却価格:5,000万円
- 取得費:6,000万円
- 諸費用:200万円
→不動産売却益は-1,200万円
(マイナスなので譲渡所得税は非課税)
【概算法で計算した場合】
- 売却価格:5,000万円
- 取得費:250万円
- 諸費用:200万円
→不動産売却益は4,550万円
(プラスなので譲渡所得税は課税)
5年以下の所有…譲渡所得税は1,803万1,650円
5年超の所有…譲渡所得税は924万3,325円
上記のように税金の支払いの有無に大きくかかわるので、事前にしっかり調査しましょう。
- 土地の購入金額が記載された売買契約書を用意しておく
- 登記簿から取得年月日を推定して購入時の価額を調べる
(売買契約書が残っていない場合など)
売却しようとしているのはかなり昔に購入した土地という人は、特に注意してください。
土地(空き地)の売却にかかる諸費用
土地・空き地の売却にかかる諸費用は以下の通り。
- 仲介手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 解体・整地費用
- 引越し費用
特に仲介手数料は必ずかかり、売買金額によっては高額になるので注意が必要です。
①仲介手数料
売買契約が成立したら、不動産会社に仲介手数料を支払います。
仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められているので、把握しておきましょう。
仲介手数料の上限
- 売却価格400万円超
→(売却価格の3%+6万円)×消費税 - 売却価格200万円超400万円以下
→(売却価格の4%+2万円)×消費税 - 売却価格200万円以下
→売却価格の5%×消費税
多くの人は売却価格が400万円超になるかと思います。
売却価格が400万円超になった場合の仲介手数料の上限一覧は以下の通り。
売却価格 | 仲介手数料の上限 (税込) |
---|---|
500万円 | 226,800円 |
1,000万円 | 388,000円 |
1,500万円 | 550,800円 |
2,500万円 | 712,800円 |
3,000万円 | 1,036,800円 |
3,500万円 | 1,198,800円 |
4,000万円 | 1,360,800円 |
4,500万円 | 1,522,800円 |
5,000万円 | 1,684,800円 |
6,000万円 | 2,008,800円 |
7,000万円 | 2,332,800円 |
8,000万円 | 2,656,800円 |
9,000万円 | 2,980,800円 |
1億円 | 3,304,800円 |
5億円 | 16,264,800円 |
仲介手数料は契約成立時と引き渡し時の2回にわけて、半額ずつ支払うことになります。
なお仲介手数料を算出する際の売却価格は税抜きの金額です。
関連記事土地売買の仲介手数料について詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
②抵当権抹消登記費用
土地にローンなどが残っている場合は、設定された抵当権を抹消しなければいけません。
土地売買における抵当権とは?融資の担保(万が一の身代わり)として土地を確保しておくための権利。
土地所有者がローンを支払えなくなった際は、抵当権者に土地を差し出すことになる。
抵当権抹消登記にかかる費用の内訳は以下の通り。
- 司法書士への報酬
→5,000~1万円前後 - 登録免許税
→不動産の個数(筆数)×1,000円 - 手続きにかかる印紙代など
→3,000~5,000円
費用はそれほどかかるわけではないですが、抹消されていないとトラブルの元になります。
抵当権つきの土地を持っている人は、忘れずに抵当権抹消を手続きを行ってください。
手続きは自身でも行うことができますが、手続きが煩雑なので司法書士に依頼しましょう。
なお抵当権抹消登記と所有権移転登記は同時に行われます。
③解体・整地費用など
土地にあるボロボロの古家などを解体する際は、費用がかかるので注意してください。
構造が木造である場合は、1坪あたりの解体費用は20,000~40,000円になります。
また解体後の更地を整地にすると、さらに追加費用がかかるので把握しておきましょう。
解体費用を少しでも浮かせたい場合は、以下の実践がおすすめです。
- 繁忙期の12月・3月以外に依頼をする
- ある程度は自身でモノを処分しておく
- 補助金を受け取る
全国約300の自治体は、耐震化促進の一環で解体費用の補助金を支給しています。
古家つきの土地を所有している人は、まず自治体のホームページを確認してみてください。
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解体や更地復帰のための費用相場をもっと詳しく知りたい人はチェックしましょう。
④引越し費用
解体前の家に住んでいたという場合は、新しい家への引越し費用がかかります。
◎引越し費用の内訳
- 引越し運賃・人件費
- 敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・火災保険料
(賃貸に引っ越す場合) - 不用品の処分費用
- 新たな家具などの購入費用
子育て世帯の引越しはトータルで、100万円近くかかることも珍しくありません。
不用品の処分費用など、浮かせられる費用は自己処理で極力抑えるようにしましょう。
なるべく相見積もりで相場やサービス内容を知ってからの申し込みをおすすめします。
土地(空き地)を売却する理由・場面
土地・空き地を売却する理由や場面として多いケースは以下の通り。
- 相続税の支払いのため
- 固定資産税の支払いがキツいため
- 住宅購入用の資金にするため
- 借入金を返済するため
- 生活費に充てるため
- 用地取得(用地買収)のため
「他の人はどういう理由で土地を売るんだろう?」と思っている人は一読してみましょう。
①相続税の支払いのため
個人が土地を取得する理由で一番多いのが「相続による取得」。
土地が都会にあったり広かったりすると、高額な相続税を支払うことになります。
しかし土地を現金化しない限りは自己資金から支払いを捻出しないといけません。
とはいっても、たとえば相続税が1,000万円かかるといわれても困りますよね。
あまりに高額な相続税が発生した場合は、所有より売却を選ぶ人が多いです。
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土地取得の相続税についてもっと詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
②固定資産税の支払いがキツいため
固定資産税とは、土地や家屋などの固定資産を所有するだけでかかる税金のこと。
空き地のままだと、住宅用地の場合の6倍の固定資産税が課税されてしまいます。
そのため土地を活用しないまま放置している人には、土地は邪魔でしかないんですね。
アパート経営などをするつもりがない限りは、土地は売却したほうがベターです。
なお固定資産税は支払いが遅れると延滞金が発生するので注意してください。
固定資産税の延滞金の金利
- 納税期限から1ヶ月まで
→金利は年2.6% - それ以降
→金利は年8.9%
【滞納する固定資産税額が50万円の場合】
納税期限から1ヶ月まで…延滞金は1日あたり約35円・それ以降…延滞金は1日あたり約121円
いつまでも支払いがないと、土地を差し押さえられてしまいます。
状況が切迫している人は、早めに土地の一括査定サービスを利用して売却しましょう。
関連記事固定資産税についてもっと知りたい人は以下の記事をチェックしてみてください。
土地売却時の固定資産税の清算はどうなる?
固定資産税は1月1日時点の土地所有者に対して課税されます。
たとえば3月に土地を売却した場合は、土地を手放した後でも納税通知書が届くんですね。
しかし所有していない土地の固定資産税を支払うのは、納得いかない人もいるでしょう。
以上のような事情があるため、買主との事前の話し合いで負担割合を決めるのが一般的。
起算日が1月1日の場合は、引き渡しの前日までの日割りした固定資産税は売主負担です。
③住宅購入用の資金にするため
先述した通り、土地が1,000万円以上で売れることはごく普通のことです。
そのためマイホームの頭金(購入価格の10~20%)は用意することができるでしょう。
多くの人が新しい家を購入したいと考える主な理由は以下の通り。
◎マイホームを買い替える主な理由
- 子供のために良好な環境への引越し
- 子供が多くなり家が狭くなった
- 配偶者の転勤や転職
- 通勤時間が長いなど現状の不満解消
- 近所トラブルから逃れる
土地の高額売却に成功すれば、新たな住宅ローンの負担軽減につなげられます。
関連記事マイホームの買い替え・住み替えを考えている人は一読してみてください。
④借入金を返済するため
借り入れを返済するために土地を売却する人は、売主全体の1割弱います。
住宅ローンやカードローンなど、人によってその詳細はさまざまです。
注意点としては、借金返済のためであっても売却益が出れば譲渡所得税がかかること。
ただし自分が保証人になっていて、他人の借金を返済する場合は非課税になります。
ローンが支払えなくなった土地は「任意売却」することになる
「ローン返済が続けられない…でもローンが残ったまま売却できるの?」
ローンなどが残った土地を売却する方法に「任意売却」があります。
任意売却とは、ローン返済が困難なときに債務者が自主的にとる手続きのこと。
(債務者…融資を受けている側・債権者…融資している側)
金融機関など債権者がとる「差し押さえ→競売(強制執行)」とは異なるんですね。
任意売却と競売の違い
- 任意売却…自分のタイミングで土地を売れる
- 競売…相手方のタイミングで強制的に土地を売られる
任意売却の前に一括査定を利用すれば、競売よりも高く売れる余地があります。
ただし任意売却すると、ブラックリストに載ることになるので把握しておきましょう。
そのため以後5年間は、あらゆるローンの審査に通ることはないので注意してください。
なお裁判所から競売の通知などが届いた後でも任意売却は可能です。
⑤生活費に充てるため
土地売却の理由の中では、日常の生活費に充てるためという人が一番多いです。
特に首都圏や近畿圏では、約4人に1人が土地を売ったお金を生活費に充てています。
(参照:国土交通省 土地・建設産業局 平成31年3月「土地保有移動調査結果(平成29年取引分)」)
先が見えない経済では「将来より目先のことが大事」となってもおかしくないですよね。
首都圏や近畿圏などは物価・地価が高いため、なおさら現金化を優先されやすいです。
なお地方圏でも5人に1人は生活費に充てているので、地方でも珍しくありません。
⑥用地取得(用地買収)のため
用地取得とは、国や地方自治体などが公共事業のために土地を買収することです。
用地取得の流れ
- 事業計画などの説明
- 用地幅杭の打設
- 土地や建物などの調査
- 土地調書・物件調書の確認
- 補償の説明
- 契約
- 補償金の支払い(前金払い)
- 建物などの移転・土地の引き渡し
- 補償金の支払い(残金払い・一括払い)
売主は売買代金ではなく、土地取得に対しての補償金をもらうことになるんですね。
ただし補償金の額=土地の正常な取引価格※と「損失補償基準」で定められています。
(※取引事例価格・公示地価・基準価格・不動産鑑定評価額をもとに適正に算定)
そのためゴネても意味はなく、売買による金額と比較しても大きな差は見込めません。
参照:国土交通省ホームページ「用地取得のあらまし 用地取得の流れ」
土地(空き地)売却について7つのQ&A
Q1. どうしても土地が売れない場合はどうしたらいいの?
ある程度の値下げをしても売れない場合は、買い取ってもらうことも視野に入れましょう。
すべての業者ではありませんが、不動産会社は買い取りも行っているんですね。
ただし不動産会社に買い取ってもらう場合は、仲介価格の50~70%になります。
◎不動産会社に買い取ってもらった場合の価格(目安)
- 1憶5,000万円の土地の場合
→買い取り価格は7,500~1億500万円 - 1億円の土地の場合
→買い取り価格は5,000~7,000万円 - 7,000万円の土地の場合
→買い取り価格は3,500~4,900万円 - 4,500万円の土地の場合
→買い取り価格は2,250~3,150万円 - 2,000万円の土地の場合
→買い取り価格は1,000~1,400万円
元の価格が高ければ、何千万円もマイナスになることを覚悟しなければいけません。
価格相場の半額になることが受け入れられるならば、買い取りも検討してみてください。
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土地の買い取りについてもっと詳しく知りたい人は以下の記事をチェックしましょう。
土地活用して収益化を目指すのも一手
土地活用とは、土地からお金を生み出したり有効活用して節税したりすること。
売却が見込めずに現金にできないならば、コツコツと収益化を目指すのもアリです。
土地活用が成功すれば、メインまたはサブの収入源となります。
ゆくゆくは私的年金のような役割を果たすこともありえるんですね。
土地活用というと、賃貸経営みたいに初期費用が高い方法が先に浮かぶかもしれません。
しかし土地活用には、以下のようにお金がかからない方法もあります。
- 定期借地
- 等価交換事業
- 土地信託
初期費用が無料ならば、借金やローンへの不安を感じることはないでしょう。
土地活用に興味がある人は、関連記事もチェックしてみてください。
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以下の記事では土地活用の基本的な知識についてわかりやすく解説しています。
→【超初心者向け】土地活用とは?全16種類の空き地有効活用方法と挑む上での心得を伝授する
以下の記事ではお金をかけずに気軽に始められる土地活用を紹介しています。
Q2. 土地の片手仲介・両手仲介の違いって?
不動産売買における片手仲介・両手仲介の違いは以下の通り。
◎片手仲介・両手仲介の流れ
【片手仲介(1つの物件に対して売買の仲介が別会社)の流れ】
①「売主」が「不動産会社A」に「物件Z」の売却を依頼
②「買主」がいい物件がないか「不動産会社B」に購入を依頼
③「売主」と「買主」の間で「物件Z」の売買契約が成立
④「売主」は「不動産会社A」に「買主」は「不動産会社B」に仲介手数料を支払い
【両手仲介(1つの物件に対して売買の仲介が同じ会社)の流れ】
①「売主」が「不動産会社C」に「物件Z」の売却を依頼
②「買主」がいい物件がないか「不動産会社C」に購入を依頼
③「売主」と「買主」の間で「物件Z」の売買契約が成立
④「売主」と「買主」は「不動産会社C」に仲介手数料を支払い
→不動産会社からすると両手仲介の場合は2倍の仲介手数料をもらえる
上記のように両手仲介をすると、不動産会社はお金をたくさん稼げます。
しかし売買の当事者にとって両手仲介は、必ずしもイイことではありません。
- 不動産会社Cが売主にとって有利に仲介
→買主は損をする(売却価格を高くされる) - 不動産会社Cが買主にとって有利に仲介
→売主は損をする(売却価格を安くされる)
どちらが損するかは不動産会社のコントロール次第なので、海外では基本的に違法です。
意図的に両手仲介にするため、他社に物件を取り扱わせない「囲い込み」を行う業者も…。
囲い込みを行う業者に依頼しても、希望の金額で取引できないので注意してください。
関連記事
以下の記事では両手仲介や囲い込みについてさらに詳しく解説しています。
→両手仲介の【囲い込み】とは?片手仲介との違いや、囲い込み対策の全知識
Q3. 個人で仲介を通さずに土地を売ってもいいの?
土地は不動産会社に頼らずに、自分の力だけで売却しても構いません。
しかし予想しているとは思いますが、仲介を通したときよりも手間が膨大になります。
◎個人間で土地を売却するデメリット
- 売買契約書を自分で作成しなければいけない
- 重要事項説明書を作成・内容説明する宅地建物取引士を用意しなければいけない
- トラブルがあれば自身が対応しなければいけない
- 売却価格を購入検討者と直接交渉しなければいけない
仲介手数料ゼロというメリットがありますが、他の費用がかかるので注意が必要です。
たとえば宅地建物取引士への重傷事項説明書の作成依頼は10万円以上かかります。
また仲介なら3ヶ月~1年の瑕疵担保責任が、個人売買だと数年に設定されることも…。
(法的には最大で10年の瑕疵担保責任の期間の設定が可能)
親戚に売却するという場合でも、かなり慎重に検討するようにしましょう。
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個人売買のリスクについてもっと深く考えたい人はチェックしてみてください。
Q4. 売りたい土地が山林なんだけど・・・売却は可能?
山林は地目の一種で「耕作の方法によらないで竹木の生育する土地」と規定されています。
(地目…土地の用途区分で登記事項となっている)
要するに山のことですが、土地としては需要は少ないために売るのが難しいです。
それでも絶対に売れないわけではないので、以下の3つの売却方法を検討してみてください。
- 山林売買の森林組合に相談する
- 山林の売買専門のあっせんサービスを利用する
- 不動産一括査定サービスを利用して「山林を売りたい」という
山林は47都道府県どこでも取引されており、東京都でさえ年間数十件の実績があります。
まずは不動産一括査定サービスを利用して、相場や仲介業者を確認してみましょう。
関連記事
所有する土地が山林で売るのに苦労しているという人は一読してみてください。
→山林売買の現状から価格相場や売却可能性を紐解く!税金や費用もまとめて解説
Q5. 土地の路線価って何?
土地の路線価とは、道路に面する土地1㎡あたりの価額で相続税の計算に利用します。
(評価主体は国税庁で1月1日時点の路線価を評価して毎年7月1日に公表)
路線価は国税庁のホームページ(都道府県選択後に「路線価図」へ)から検索可能です。
たとえば路線価図に「930C」と表示されていた場合は以下のように見ます。
- 数字は1㎡あたりの価額なので930,000円
- アルファベットは借地権割合なのでC=70%
(借地権割合…元の価格に対して借地権の価格の割合のこと)
土地がいくつの道路に面するかで、計算方法が変わるので注意してください。
路線価を使った相続税評価額の計算方法【1路線(1つの道路)に面する場合】
路線価×奥行価格補正率×土地面積=相続税評価額
【2路線(2つの道路)に面する場合】
①正面路線価と側方路線価を決める
※奥行価格補正率を乗じて高いほうが正面路線価
②正面路線価+(側方路線価×側方路線影響加算率)=1㎡あたりの相続税評価額
③1㎡あたりの相続税価額×土地面積=相続税評価額
なお路線価は、正常価格(市場での適正価格)となる公示地価の80%になります。
Q6. 市街化調整区域って何?
市街化調整区域とは、街が活性化するのを抑制するために建築が制限された区域。
(逆に街を活性化させようと積極的に開発する地域は「市街化地域」という)
建築や建て替えには許可をとらなければいけないため、土地は低く評価されます。
具体的には同じ広さの土地でも、市街化地域の半額になるのも珍しくないんですね。
そもそも売却自体が難しい土地ではありますが、売却先がないわけではありません。
◎市街化調整区域の土地でも購入する可能性が高い人
- 農家
- 農産物加工業者
- 市街化調整区域内の業務従事者
- 隣地所有者
- 資材置き場を探している人
土地の特性を鑑みてターゲットを絞れば、購入者が見つかる可能性は十分にあります。
また市街化調整区域専門の不動産会社もあるので一度、公式サイトをのぞいてみましょう。
なお東京都23区は河川以外はすべて市街化地域。
ただし周辺の神奈川県・埼玉県・千葉県は、面積の半分以上が市街化調整区域です。
画像:株式会社アジア不動産ホームページ「市街化調整区域とは?土地や住宅の購入は出来るの?」
関連記事売却したい土地が市街化調整区域にある人はぜひとも一読してみてください。
Q7. 土地売却のトラブルにはどういうのがあるの?
不動産売買には大きなお金が動くため、詐欺やトラブルがついてまわります。
特に買主が恰好のターゲットですが、売主も被害に遭うこともあるので注意が必要です。
◎売主が詐欺やトラブルに巻き込まれるケース
- 先に権利証などを買主に渡したが入金されなかった
- 権利証や実印を偽造されて勝手に移転登記された
- 言葉巧みにだまされて安く売られてしまった
- ろくに売却活動をされずに買い取りに誘導された
- 売却と同時に(活用・売却がしにくい)別の土地を買わされた
通常の流れを破るような言動をする人は、基本的に怪しいと思ってください。
(「先に書類をください」「急いでください」「(法的根拠がない)手数料をください」など)
ただし売買契約では関係者が一堂に会するので、怪しい人がいたら誰かが気付きます。
それでも不安ならば、まずは不動産一括査定サービスを利用するのがおすすめ。
悪徳業者やクレームがあった業者を排除しているので、リスクある業者とは出会いません。
関連記事
以下の記事では不動産の取引で起こりうる詐欺やトラブル事例を紹介しています。
→不動産売買・土地活用の詐欺手口、トラブル事例10選と6つの被害防止策
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土地を少しでも高く売却するための裏ワザは「不動産一括査定サービスを利用すること」。
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→都市にある土地の査定に強い - 【HOME4U】
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