「資産整理で底地(そこち)を売却したいんだけど…」
「底地って他の権利者がいるのに勝手に売れるの?」
底地は売りにくい土地の1つですが、だからこそサッサと手放したい人も多いでしょう。
今回は底地について以下のことをメインに解説していきます。
- 底地についての基礎知識
- 底地を売却する方法
- 底地を買取業者に売却する流れ
- おすすめな底地の買取業者
- 底地の評価額の計算方法
底地について何もわからないと、本当に売れるかどうか不安になりますよね。
本記事を読んで知識をつけて不安を解消して、底地の売却をぜひとも成功させてください。
底地をすぐに売りたいなら、訳あり物件に特化した買取業者に売却しましょう。
トチカムが強くおすすめする買取業者は「訳アリ買取PRO」。
売却まで最短7日と手続きのスピードにすぐれているのが大きな特徴です。
「売却を急いでいる・本当に売れるか不安」という人の心強い味方になるでしょう。
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Contents
そもそも底地(そこち)とは?
底地はカンタンにいうと、借地権がついている土地(の所有権)のこと。
別の言い方をすると、土地所有者が他人に貸してお金をもらっている土地のことです。
借地権とは?他人の土地を借りて以下のようなことをする権利のこと。
- 自分が居住する建物を建てる
- 土地活用をする
借地権を持つ人のことは「借地人」と呼称される。
なお借地権には「土地賃借権」と「地上権」の2つがある。
(地上権は土地所有者にとって大きく不利になるためほぼ土地賃借権が採用される)
「底地」は本来、借地権と同様に権利自体のこと。
しかし住宅業界などでは権利を底地権と呼び、土地を底地と呼ぶこともあるんですね。
(これにならって本記事では「権利=底地権」「土地=底地」で統一します)
土地所有者は借地人に土地を貸すことで、土地を自由に利用できなくなります。
その代わりに土地所有者は、借地人から地代(借地料)をもらうことができます。
なお借地権を登記していれば借地人は、勝手に売却されても引き渡さなくてOKです。
画像:CENTURY21ホームページ「借地権とは」
関連記事
定期借地や借地権についてもっと詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
底地は買い手が少なく売却が難しい
通常の土地では、所有者は「完全所有権」を持ちます。
一方、底地や借地では「不完全所有権」を持つことになるんですね。
完全所有権と不完全所有権の違い
- 完全所有権
→土地所有者が土地を自由に利用・処分ができる権利 - 不完全所有権
→完全所有権に対して利用・処分に制約がかかる所有権
不完全所有権では別に借地人がいるので、利用・処分には交渉や合意が必要になります。
底地は購入後に好きにできるわけではないので、買い手がつきにくいんですよね…。
しかし、底地は絶対に売れないというわけではありません。
完全所有権が持てる更地と比べると値は下がりますが、買い手が見つかる可能性があります。
(更地…建物が建っておらず借地権がついていない土地のこと)
画像:INVEST ONLINE「借地権付き物件への投資①「借地権」とは?」
底地を売却する4つの方法
底地を売却する(買い取ってもらう)方法は主に4つあります。
- 専門の買取業者に売却する
→更地価格の10~15%が目安 - 借地人に売却する
→更地価格の50%が目安
- 土地所有者が単独で第三者に売却する
→更地価格の10~15%が目安 - 土地所有者と借地人が協力して第三者に売却する
→更地価格の50%が目安
底地の売却価格は、売却先によって大きく異なるのがわかりますよね。
一番おすすめな売却方法は、より確実・スピーディーに売却できる「専門の買取業者への売却」です。
①専門の買取業者に売却する
底地を売却するのに一番確実な方法は、個人ではなく業者に買い取ってもらうこと。
不動産会社の中には売りにくい物件を専門的に扱う業者があり、売却先として有効です。
スピード買取が特長の業者では、現地調査から最短で翌日決済をしています。
ずっと売れずにストレスを抱えている人は特に、売却によってラクになるでしょう。
ただし買取業者に売却する最大のデメリットは「買取価格が安くなること」。
更地での土地価格(借地権がない場合)の10~15%が目安ともいわれるので、把握しておいてください。
(ただしあくまで目安なので実際の買取価格はもっと高くなることもあります)
仲介業者への売却と比較した買取のメリット
買取業者への売却は、仲介業者を通した売却と比べてメリットが多いです。
◎おすすめ売却先は「買取業者>仲介業者」といえる理由
- 売主が見つかるまで時間がかかるということがない
(仲介でイチから探すと数か月かかることも珍しくない) - 売却後に瑕疵担保責任を負わなくていい
(瑕疵担保責任…隠れた欠陥が見つかった場合に売主が弁償などをする責任) - 仲介手数料を支払わなくていい
(仲介業者を通した場合は売却価格の数%の手数料を必ずとられる) - 仲介を通した売買契約よりも手間がない
(仲介では買主の都合も考えなければいけない) - 事前に測量をしなくてもいい
(土地の境界を明示しなくてもOK=売主の境界明示義務ナシ)
サッサと手間なく底地を売りたい人は、買取業者への売却を優先的に検討しましょう。
関連記事土地売却で支払う仲介手数料についてもっと知りたい人はチェックしてみてください。
②借地人に売却する
底地は土地を借りている借地人に売却することもできます。
借地人が底地を購入した場合は、借地人は完全所有権を手に入れることになりますよね。
底地の売買によって、土地所有者だけでなく借地人にもメリットが生まれます。
- 土地所有者に地代を支払わなくてよくなる
- 建物を増改築するときなどに土地所有者に承諾をとらなくてよくなる
借地人は土地に対して自由度が広がり、最大限に有効活用することが可能です。
そのため更地価格の50%と高めに売却できることも珍しくありません。
ただし交渉に時間がかかるおそれがあり、関係悪化で決裂もありえるので注意しましょう。
③土地所有者が単独で第三者に売却する
第三者に売却することはできますが、購入した第三者にはほとんどメリットがありません。
強いていうならメリットは、借地人から地代をもらえるようになることです。
ただし地代が少なければ、借地人とのやり取りを負担に感じることもあるでしょう。
そもそも個人で底地を買いたいという人は、なかなか見つからないのが現実なんですね。
運よく見つかったとしても、売却価格は更地価格の10~15%が目安となります。
④土地所有者と借地人が協力して第三者に売却する
土地所有者と借地人が話し合って、土地を利用したい第三者に売却もOK。
このときの第三者は購入によって、完全所有権を手に入れることになります。
つまり購入後の土地は自由にできるので、更地の50%程度の価格で売ることも可能です。
ただし「借地人が土地を手放したいと思っていること」が大前提。
そのため底地と借地の同時売却を提案するタイミングは、非常に重要といえるでしょう。
また売却の合意を得られても、今度は売却価格の配分を考えなければいけません。
双方が納得して売却を済ませるには、高度な交渉が必要だと把握しておいてください。
底地を買取業者に売却する流れ5ステップ
底地に買取業者に売却する流れは以下の通り。
- 不動産一括査定サイトで底地の相場を知る
- 査定に必要な書類を用意しておく
- 買取業者に問い合わせをする
- 現地にて底地の調査・査定をしてもらう
- 買取業者と売買契約を締結する
具体的に底地売却を検討している人は、こちらで流れを予習しておきましょう。
①不動産一括査定サイトで底地の相場を知る
不動産一括査定サイトとは、複数社に土地の査定を依頼できるサービスのこと。
1度申し込むだけで6社から査定結果がもらえるので、ラクに相場を知ることができます。
◎不動産一括査定を利用した結果の例
- A社:5,050万円
- B社:4,800万円
- C社:5,200万円(最高価格)
- D社:4,900万円
- E社:5,000万円
- F社:4,750万円(最低価格)
→価格相場(平均価格)は4,950万円
上記のような結果が出た場合は、更地としての土地の価格相場は4,950万円と考えられます。
ただし底地であることを事前にいうと、査定不可となるかもしれないので注意が必要です。
つまり買取業者に売却する場合は、495~742万円になる可能性が高いということ。
(買取業者への売却は更地価格の10~15%が目安)
以上のように底地がいくらで売れるかを知るために、不動産一括査定サイトは有効です。
おすすめの不動産一括査定サイトは「イエウール」
イエウールは、大手から地域密着まで数多くの不動産会社が登録する一括査定サービス。
全国の土地に対応しているので、どこの土地でも査定結果が受け取れるはずです。
その他にもイエウールを利用するメリットはたくさん。
イエウールを利用するメリット
- 不動産一括査定から細かな相談までサービスは完全無料
- 入力は最短60秒とスキマ時間で申し込める
- 申し込みフォームはチャット形式で入力しやすい
- 申し込みはスマホ・PCどちらでもOK
- クレームが多い不動産会社は排除している
- お客様満足度は98%とほぼすべての人が納得している
1,000万人が利用するサービスなので、まずは気軽に査定を申し込んでみてください。
②買取業者の査定に必要な書類を用意しておく
買取業者のスピード対応を受けたいなら、必要書類は事前に用意しておいてください。
◎買取業者の査定における必要書類
【用意が必須になる可能性が高い書類】
- 本人確認書類・実印・印鑑証明書・住民票
- 土地賃貸契約書
- 固定資産税納税通知書
(固定資産評価証明書)
【できれば用意したほうがいい書類】
- 地積測量図
- 境界立会確認書
- 登記簿謄本
(登記事項証明書)
地積測量図などは用意できれば、手続きがよりスムーズになるはずです。
持っている人は事前に用意してから、買取業者にコンタクトをとりましょう。
③買取業者に問い合わせをする
書類を一通りそろえたら、買取業者に電話をしてみましょう。
- 生の声のやり取りは気が引ける(電話が苦手)
- 相談内容をうまく伝えられないかもしれない(複雑な説明に自信がない)
上記のような不安がある人は、相談内容をメールでまとめて問い合わせてみてください。
なお業者によっては、相談からすぐに査定を行えることもあります。
その場合はすぐに回答(査定結果)をもらうことも可能です。
④現地にて底地の調査・査定をしてもらう
土地のエキスパートが現地に足を運んで、底地を詳しく調査します。
スピードを強みにしている買取業者は、即日で査定が済むことが多いです。
ただし時間をかける業者は一週間かかることもあるので、把握しておきましょう。
現地調査に時間をかける業者は、査定で以下のポイントも重視しています。
- 土地自体の価値
- 借地人との関係性
スピード査定の業者だからといって、必ずしも売却価格が安くなるわけではありません。
しかし売却を急いでいないなら、時間をかけてくれる業者に査定依頼するのもアリです。
なお調査に時間をかける業者では、法務局や役所での調査が追加されます。
底地の調査内容の詳細(現地調査・法務局や役所での調査)
◎底地の調査内容の詳細
【現地調査で確認することの例】
- 隣地との境界の有無
- 底地と道路の境界・接道幅
- 底地までの道路幅員
- 嫌悪施設の有無など周辺環境
(嫌悪施設…風俗店や公害発生施設など) - 上下水道などの埋設管
【法務局や役所で確認することの例】
- 公図・測量図
- 建築基準法における制限
- 都市計画法における制限
- 災害予想図
(ハザードマップ) - 道路幅員・道路種別
- 埋蔵文化財の有無
- 上下水道の埋設管図面
- ガス埋設管図
⑤買取業者と売買契約を締結する
買取業者との価格交渉があまりおすすめできない理由は以下の通り。
- そもそも売却できることがラッキー
- 通常の不動産売却ほど交渉の幅は広くない
- 相手方も大抵ギリギリの価格を提示している
どうしても納得できない場合は、他社に査定してもらうことも検討しましょう。
詳細な査定価格に最終的に納得できれば、条件面を調整して売買契約へとすすみます。
売買契約書の作成には印紙税(収入印紙代)がかかるので、把握しておいてください。
決済・引き渡しが済んで売却価格が振り込まれれば、底地買取の全行程が完了です。
底地の買取業者おすすめ6選
底地を買い取ってくれる業者を6社ピックアップしました。
- 訳アリ買取PRO
- いえカツLIFE
- 不動産スピード買取窓口
- フレキシブル
- 東京都市開発
- サンセイランディック
5社の中でも①②③は公式サイトで、全国の底地に対応していることを公言しています。
※買取業者に依頼する場合でも上述した一括査定のステップを踏むようにしましょう。
相場感さえ把握しておけば、業者に不当に安く買い叩かれる恐れがなくなります。
①訳アリ買取PRO
訳アリ買取PROは、利用するメリットがとにかく多い買取業者です。
- 全国の底地に対応
- 買取・入金まで最短7日
- 他の業者が断った底地も買取OK
- 共有持分の底地も対応してもらえる
- 瑕疵担保責任を負わなくていい
(瑕疵担保責任…買主が見つけた欠陥に対して売主が負う責任)
以上からわかるように、総合力ナンバーワンの買取業者といえるでしょう。
数ある買取業者で迷った場合は、優先的に申し込むことをおすすめします。
相談や査定にお金は一切かからないので、まずは気軽に相談だけでもしてみてください。
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営業時間:10:00~20:00(水曜定休)
②いえカツLIFE
いえカツLIFEは厳密には買取業者ではなく、買取業者を紹介する業者です。
一度の申し込みで仲介業者やリースバック業者からも、同時に査定結果がもらえます。
◎いえカツLIFEの利用例(査定結果)
- 買取業者A社…売却価格:1,630万円・売却期間:4週間
- 買取業者B社…売却価格:1,450万円・売却期間:3週間
- 仲介業者C社…売却価格:2,520万円・売却期間:7ヶ月
- 仲介業者D社…売却価格:2,480万円・売却期間:7ヶ月
- リースバック業者E社…売却価格:1,390万円・売却期間:1ヶ月半
- リースバック業者F社…売却価格:1,350万円・売却期間:1ヶ月
底地は売れにくいため、基本的に買取業者に売却することになるでしょう。
しかし最初から買取と決めていても、他の売却価格・売却期間が参考になるはずです。
いえカツLIFEで無料一括査定を申し込む※3つの売却方法ごとの査定でも一切お金はかからない!
関連記事以下の記事ではいえカツLIFEのメリットなどを詳しく解説しています。
③不動産スピード買取窓口
不動産スピード買取窓口は、以下のような訳アリ物件専門の買取業者です。
- 底地・借地
- 事故物件
- 再建築不可物件
- 欠陥物件
運営会社は東京にありますが、全国対応なのでどこの底地でも売却OK。
手続きのスピードにもすぐれていて、最短48時間での買取にも対応しています。
買収後のスキームが確立しており、他社よりも高額売却が期待できる面もメリット。
他社の買取業者には断られたという人は、気軽に査定を依頼してみましょう。
④フレキシブル
フレキシブルは、スピード買取を前面に打ち出した買取業者です。
- 即日回答(土日祝日は翌営業日)
- 翌日決済(10億円まで)
現地査定をした次の日には売却金額を受け取れるという、驚異の速さを誇るんですね。
また境界があいまいでもそのままの状態で売れるので、余計な手間はありません。
全国の底地に対応していて、政令指定都市なら地方でもスピード対応OK。
なおフレキシブルが購入した底地は、原則としてフレキシブルが自社運用します。
⑤東京都市開発
東京都市開発は、Pマークを取得している買取業者です。
(Pマーク…個人情報の取り扱い体制が認められた企業に付与されるマーク)
紹介している業者では唯一所有していて、重要な情報が流出する心配はありません。
大規模な底地から狭小地の底地まで、幅広い底地の取り扱い実績多数。
また多面的に底地を評価するので、高額買取のチャンスも十分にあるんですね。
借地人との丁寧な交渉を心がけており、トラブルを抱えていても安心して申し込めます。
⑥サンセイランディック
サンセイランディックは、3つのメリットを大きく打ち出した買取業者です。
- 現状のままでまるごと買取
- スペシャリストによる最短3日のスピード査定
- 納得するような高価買取
借地人が複数いるなど権利関係が複雑でも、売却に問題はありません。
特に底地の相続をめぐる問題に強く、売主の将来的な損得にも真摯に向き合っています。
できるだけ相続発生前の売却をすすめていますが、相続後でも遅くはないとのこと。
底地の悩みに相続の問題も絡んでいる人は、優先的に申し込みを検討しましょう。
底地の評価額の計算方法2つ
大きくわけて2つある、底地を評価するための計算方法は以下の通り。
底地の評価額の計算方法
- 相続税評価額(路線価)を使った計算方法
- 不動産鑑定基準を使った計算方法
査定を依頼する前にある程度の底地の評価額を知りたい人は、活用してみましょう。
いずれにせよ計算できるのは評価額の目安で、実際の売却価格とは異なります。
①相続税評価額(路線価)を使った計算方法
一般的に底地を評価するときは、国税庁が定めた相続税評価額(路線価※)を用います。
※道路に面する土地1㎡あたりの価格
実際に路線価が記載されている路線価図を見てみましょう。
「数字+アルファベット」で表示されているのが路線価です。
たとえば「390C」と表示されていれば、以下のように見ます。
- 数字…1㎡あたりの価額(1=1,000円)なので「390=390,000円」
- アルファベット…借地権割合なので「C=70%」
土地の価値=借地権+底地権なので、100%から借地権割合を引いた数字が底地権割合です。
記号 | 借地権割合 |
---|---|
A | 90% |
B | 80% |
C | 70% |
D | 60% |
E | 50% |
F | 40% |
G | 30% |
そのため底地の評価額の計算式は以下のようになります。
ただし相続税評価額はいくつの道路に面するかで計算が異なるので注意してください。
相続税評価額の計算方法【1路線(1つの道路)に面する場合】
路線価×奥行価格補正率×土地面積=相続税評価額
【2路線(2つの道路)に面する場合】
①正面路線価と側方路線価を決める
※奥行価格補正率を乗じて高いほうが正面路線価
②正面路線価+(側方路線価×側方路線影響加算率)=1㎡あたりの相続税評価額
③1㎡あたりの相続税価額×土地面積=相続税評価額
以上のように少し計算が複雑なので、おさらいを含めてまとめてみました。
- 路線価図で底地の路線価と借地権割合を調べる
- 路線に面した数ごとの計算方法で相続税評価額を計算する
- 「底地の評価額=土地の相続税評価額×(1-借地権割合)」を計算する
大きくわけて3ステップで、目安となる底地の評価額を調べられます。
参照:財産評価基準書路線価図・評価倍率表(都道府県→「路線価図」を選択)
関連記事路線価についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしてみてください。
路線価を利用した底地の評価額の計算例
◎380㎡の底地の評価額の計算例
【1路線(300C)に面する場合】
- 300C=路線価:300,000円・C:借地権割合70%
- 300,000×0.98×380=111,720,000円(相続税評価額)
- 111,720,000×(1-0.7)=33,516,000
→底地の評価額は3,351万6,000円
【2路線(A路線:300C・B路線:290C)に面する場合】
- Aの路線価300,000円・奥行:30m・奥行価格補正率:0.98
=294,000円(正面路線価)
Bの路線価270,000円・奥行:22m・奥行価格補正率:1.00
=270,000円(側方路線価) - 294,000+(270,000×0.03)=302,100円(1㎡あたりの相続税評価額)
302,100×380=114,798,000円(相続税評価額) - 114,798,000×(1-0.7)=34,439,400
→底地の評価額は3,443万9,400円
②不動産鑑定基準を使った計算方法
相続税評価額による評価基準とは別に、不動産鑑定士が用いる基準があります。
それが国土交通省が定めている「不動産鑑定評価基準」です。
この中で示されている、不動産を鑑定評価する主な3つの方法は以下の通り。
不動産の鑑定評価方法3種類
- 収益還元法
→対象の不動産が将来生み出す利益を見越して鑑定する方法 - 取引事例比較法
→類似の不動産の取引データを考慮して鑑定する方法 - 原価法
→対象不動産を再調達した場合の原価をもとに鑑定する方法
底地価格は3つの方法を活用して、以下を総合的に判断した上で金額を出します。
- 将来における賃料の改定の実現性とその程度
- 借地権の態様及び建物の残存耐用年数
- 契約締結の経緯並びに経過した借地期間及び残存期間
- 契約に当たって授受された一時金の額及びこれに関する契約条件
- 将来見込まれる一時金の額及びこれに関する契約条件
- 借地権の取引慣行及び底地の取引利回り
- 当該借地権の存する土地に係る更地としての価格又は建付地としての価格
また底地の鑑定評価では、誰に売却するかでも価格の種類が変わってくるんですね。
- 専門の買取業者や第三者に売却する場合
→正常価格(社会経済の合理的な市場における適正価格) - 借地人に売却する場合
→限定価格(社会経済の合理的な市場における価値とかけ離れた価格)
いずれにせよ不動産鑑定士は、鑑定した結果を「不動産鑑定書」にまとめます。
不動産鑑定書は調停や裁判などのトラブルの際、公的な証拠として提出可能です。
不動産鑑定基準による底地の評価額の計算例
◎更地価格3,000万円・150㎡の底地の評価額の計算例
【第三者に売却する場合(正常価格)】
- 底地権割合をもとにした土地価格:400万円
- 収益還元法で求めた土地価格:430万円
→収益還元法で求めた土地価格を採用
底地の評価額は430万円(更地価格の14.3%)
【借地人に売却する場合(限定価格)】
- 借地権割合をもとに算出した借地権価格:1,800万円
- 収益還元法で求めた借地権価格:1,700万円
→収益還元法で求めた借地権価格を採用
更地価格3,000万円-1,700万円=1,300万円
底地の評価額は1,300万円(更地価格の43.3%)
※底地の鑑定評価は個別の土地や鑑定士によって大きく変わるので注意が必要です
底地について7つのQ&A
Q1. 底地の等価交換って何?
そもそも等価交換とは「価値の等しいものを交換すること」です。
底地の等価交換では、土地所有者が持つ底地権と借地人が持つ借地権を交換します。
等価交換後は、土地所有者・借地人ともに完全所有権を持つことになるんですね。
それぞれが抱える土地の面積は小さくなりますが、持ち分は自由に使えるようになります。
また固定資産の交換の特例を利用すれば譲渡にならず、譲渡所得税の負担はありません。
【適用要件】
- 互いに交換する資産が固定資産であること
- 交換する固定資産が「土地と土地」「建物と建物」など同じ種類であること
- 交換により譲渡する資産が1年以上所有していた資産であること
- 交換する資産は相手が1年以上所有していて交換のために取得していないこと
- 交換により取得した資産は譲渡する資産の交換直前と同じ使い方をすること
- 交換する資産の時価の差額が高額なほうの価額の20%以内であること
底地権と借地権の交換は②の「土地と土地」の交換に当てはまり特例を受けられる。
固定資産の特例を利用した、底地権と借地権の等価交換の例を見てみましょう。
◎底地権と借地権の等価交換の例
【土地のデータ】
- 面積:800㎡
- 更地価格:1億円(1㎡あたり12.5万円)
- 借地権割合:60%
- 交換後の土地:ともに更地
【等価交換前】
- 借地権の価額:6,000万円・1㎡あたりの借地権:7.5万円
→土地所有者と交換する借地権:320㎡(2,400万円分) - 底地権の価額:4,000万円・1㎡あたりの底地権:5万円
→借地人と交換する底地権:480㎡(2,400万円分)
【等価交換後】
- 借地人が所有する土地:480㎡
→時価6,000万円・完全所有権 - 土地所有者が所有する土地:320㎡
→時価4,000万円・完全所有権
借地人は地代の支払いがなくなりますが、今度は固定資産税を支払うことになります。
そのあたりの事情は、きちんと納得済みの上で等価交換するようにしてください。
関連記事固定資産税についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしましょう。
画像:国税庁ホームパージ「借地権と底地を交換したとき」
Q2. 底地をめぐる借地人とのトラブルってどういうのがあるの?
底地をめぐっては、以下のような借地人とのトラブルが考えられます。
◎借地人とのトラブルの例
- 借地人が地代を滞納する
- 地代の値上げ交渉でもめる
- 借地人が勝手に減額した地代を支払ってくる
- 借地人が更新料を支払わない
- 契約に反した工事をされた
不動産のプロによれば、土地所有者と借地人のトラブルは本当に多いとのこと。
借地人との関係がこじれれば「借地非訟」を起こされるリスクもあります。
裁判所は簡易な手続きで土地所有者が認めない承諾について決定する。
【借地非訟として取り扱える事件】
- 借地条件変更申立事件
(借地借家法17条1項) - 増改築許可申立事件
(借地借家法17条2項) - 土地の賃借権譲渡または転貸の許可申立事件
(借地借家法19条1項) - 競売または公売にともなう土地賃借権譲受許可申立事件
(借地借家法20条1項) - 借地権設定者の建物および土地賃借権譲受申立事件
(借地借家法19条3項・20条2項)
参照:裁判所ホームページ「第1 借地非訟とは」
土地所有者の不満は、借地人の不満の裏返しであることも多いです。
借地非訟は紛争防止のための制度ですが、借地人の不満の表明ともいえるでしょう。
手続きをされると、売却が遠のく・売却の選択肢が狭まるので注意してください。
Q3. 底地って相続財産になるの?
底地でも相続財産になりますが、相続人が複数いる場合は注意が必要です。
共同で所有することになると、さらに複雑な権利が絡む底地になってしまいます。
共同所有者の一人が亡くなった場合は、その相続人のさらなる増加も考えられますよね。
そのため遺産分割協議では、底地は相続人の誰かの単独所有になるように調整しましょう。
ただしそもそもは、底地の所有にあまりメリットがあるとはいえません。
できれば売却して得たお金を相続人の間で分割(換価分割)するのがおすすめです。
相続財産の合計が基礎控除額を超えたら相続税が発生する
相続税は相続した財産の合計が、以下の基礎控除額を超えなければ発生しません。
底地の相続税評価額は、実際の売却価格よりも高くなることが多いです。
3,000万円でしか売れないのに、相続税評価額が7,000万円ということもあるんですね。
(この場合は相続財産が底地のみで法定相続人の数が1~2人の場合は相続税が発生する)
仮に相続税評価額が7000万円で相続人が1人なら、相続税は480万円かかります。
※(7,000万円-3,600万円)×20%-200万円=480万円
法定相続分に応じた 取得金額 | 税率 | 控除金額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | なし |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
また相続税は基本的に現金払いのみで、期限は相続を知った日の翌日から10ヶ月以内。
延納手続きを経ても納付ができない場合には、最終的には物納することになります。
ただし底地は借地人との兼ね合いで、物納が困難といわれているので注意してください。
関連記事相続税評価額や相続税対策について詳しく知りたい人は参考にしてみてください。
Q4. 底地の中でも売れにくい底地ってあるの?
そもそも売りにくい底地ですが、その中でも売れにくい底地があります。
- 極端に狭い(または広い)底地
- 変形地(L字型や旗竿地など)の底地
- 地代が低く設定されている底地
上記に当てはまる底地は、購入しても活用の幅が狭いといえるんですね。
買い手に購入するメリットがなければ売れる確率は低いと思っておきましょう。
特に長期にわたって地代が固定されていて、値上げ交渉の余地がない場合はなおさらです。
関連記事以下の記事では旗竿地(敷地延長)の売却方法について詳しく解説しています。
Q5. 借地権は土地所有者が購入できるの?
借地権は土地所有者でも購入できますが、あくまで借地人が了承した場合のみ。
たとえば借地人が土地にある建物に住んでいた場合は、了承を得るのは難しいでしょう。
交渉の余地があるとすれば「契約更新が近づいている時期」。
賃貸住宅が空き家になっている(空き家が多い)ときもチャンスといえます。
また借地人のほうから、借地権の買取を打診されることもないわけではありません。
いずれにせよ借地人が借地権を手放したいときが、買取のベストタイミングです。
土地所有者の都合で買い取る場合は立ち退き料が発生する
底地の売却条件に納得いかないときは、借地権や建物を買い取るのも一手。
買い取った後の完全所有権の土地+建物なら格段に高く売却できるはずです。
ただし正当事由がなければ、法的に立ち退きを求めることはできません。
立ち退きが認められても、高額な立退料の支払いが必要なので把握しておきましょう。
なお買取で完全所有権を手に入れたときは、土地活用での収益化の検討もおすすめ。
土地を手放さなくてよくなり、プラスアルファの収入を得られるようになります。
関連記事土地活用を検討してみたくなったら以下の記事をまずチェックしてみましょう。
Q6. 底地を売却するときは借地人に了承を得なければいけないの?
底地を売却するときは、借地人に承諾をとる必要はありません。
(借地人が借地権を売却するときは土地所有者の承諾が必要になる)
しかし借地人からすると、いきなり土地所有者が変わったといわれても困るはずです。
売却を機に関係がなくなるとはいえ、大きくマイナスな印象を持たれることも…。
固定資産税の軽減で助かった場合などは特に、礼儀として一声かけたほうがいいでしょう。
(借地人が借地に住宅を建てた場合は支払う固定資産税が軽減される)
ただし底地を業者に買い取ってもらう場合は、基本的に業者が借地人に挨拶にいきます。
気が引けて声をかけられない場合でも、買取業者に売却するときは安心です。
Q7. 売却前に借地人が死亡したら底地はどうなるの?
底地を売却する前に借地人が死亡した場合は、相続人に借地権が承継されます。
(相続は譲渡ではなく権利の引き継ぎになるため事前の土地所有者への承諾はナシ)
借地を相続した新たな借地人が土地所有者に対して地代を支払うことになるんですね。
しかし相続人が複数いる場合などは、誰も支払おうとしないこともあるので要注意。
「他の相続人に地代をもらってくれ」という借地人が出ることも珍しくありません。
- 新たな借地人に底地の売却を持ちかける
- 借地権を購入したいと打診する
話がまとまらない場合は、上記どちらかを実行してみるのがおすすめです。
底地は買取業者に売却するのがおすすめ!まずは相談から
底地は売るのが難しいといわれる土地ですが、主な売却方法は4つもあります。
- 専門の買取業者に売却する
→売却価格の目安は「更地価格の10~15%」 - 借地人に売却する
→売却価格の目安は「更地価格の50%」 - 土地所有者が単独で第三者に売却する
→売却価格の目安は「更地価格の10~15%」 - 土地所有者と借地人が協力して第三者に売却する
→売却価格の目安は「更地価格の50%」
一番手っ取り早くスピード現金化する方法は「専門の買取業者に売却する」こと。
特におすすめの買取業者は「訳アリ買取PRO」です。
売却価格は安くなりますが、底地の存在が邪魔だった人は精神的にラクになるはずです。
気軽な相談も無料なので、まずは電話などで悩みを聞いてもらうことをおすすめします。
また底地の更地価格を知りたい場合は、不動産一括査定サービスも利用してみてください。
買取業者に売却するつもりでも、事前に相場を知っておけば売却価格に差が出ます。
↓買取専用ダイヤル↓
0120-849-205
営業時間:10:00~20:00(水曜定休)
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