「50坪の家なんだけど解体費用はどのくらいかかるの?」
「50坪の解体費用って建物の構造で変わったりするの?」
解体は一生に何度もあることではないので、価格相場などはわからない人が大半でしょう。
本記事ではそんな人のために、50坪の建物の解体をメインに以下を解説していきます。
- 50坪の解体費用の価格相場(構造・エリア別)
- 50坪の解体費用が相場より高額になる原因
- 50坪の解体費用を見積もりを依頼するときの注意点
最初で最後となるかもしれない解体を依頼して、費用面で損をしたくはないですよね。
解体を後悔せずおトクに完了させるために、本記事をぜひとも参考にしてみてください。
50坪の解体を後悔なく完了させるには、解体費用の見積もりの比較から始めましょう。
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Contents
50坪の解体費用の価格相場【構造・地域別】
50坪の建物を解体する際の費用の相場を、建物の種類やエリア別にまとめました。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- アパート・長屋
- 店舗・工場
まとめた価格相場は「家屋の解体費用」だけの金額なので注意が必要です。
【仮設工事】
足場費用、養生費用など
(養生…有害物質が飛散して周辺に悪影響を及ぼさないようにする事前処置)
【解体工事】
家屋の解体費用、重機の回送費、廃棄物処理費など
実際は個別のケースにより追加費用がかかるので、あくまで目安として把握してください。
なお価格相場は実勢価格(実際に取引された価格)をもとにしています。
関連記事以下の記事では解体費用や更地復帰の費用についてザックリと説明しています。
①木造住宅
木造住宅における「1坪・50坪」の解体費用は以下の通り。
エリア | 1坪あたりの費用 | 50坪の費用 |
---|---|---|
北海道・東北 | 3.2万円 | 160万円 |
関東 | 3.7万円 | 185万円 |
中部 | 3.5万円 | 175万円 |
関西 | 3.5万円 | 175万円 |
中国・四国 | 3.3万円 | 165万円 |
九州・沖縄 | 3.3万円 | 165万円 |
全国の解体費用の平均は、坪単価2.9万円(価格幅:0.5~8.2万円)。
50坪の木造住宅の解体だと、145万円(価格幅:25~410万円)です。
特に高いのは関東地方で、安いのは中部や九州・沖縄地方になります。
50坪台の木造住宅の解体費用の例
◎木造住宅の解体における見積もり結果の例
【東京都の一例(50坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:36,8700円・合計:184万3,520円- 建物養生費(300㎡)
→単価:750円・合計:225,000円- ブロック塀撤去(27㎡)
→単価:2,500円・合計:66,250円- 土間コン撤去(15㎡)
→単価:2,500円・合計:37,500円- 植木・植栽撤去(3台)
→単価:60,000円・合計:180,000円- その他:50,000円(一式×2)
- 諸経費:70,000円
- 値引き:-2,270円
→総工事費:266万7,600円(税込)
→工事期間:21日間
【大阪府の例(54坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:29,850円・合計:161万1,900円- 建物養生費(315㎡)
→単価:500円・合計:157,500円- 植木・植栽撤去(7台)
→単価:27,500円・合計:192,500円- ブロック塀撤去(一式):15,000円
- 駐車場撤去(一式):100,000円
- 室内残置物撤去(24㎥)
→単価:12,000円・合計:288,000円- 諸経費:60,000円
- 値引き:-18,892円
→総工事費:260万円(税込)
→工事期間:21日間
【愛知県の例(54坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:25,000円・合計:135万円- 建物養生費(240㎡)
→単価:750円・合計:180,000円- 駐車場撤去(2面)
→単価:10,000円・合計:20,000円- ブロック塀撤去(43㎥)
→単価:3,028円・合計:130,200円- 諸経費:217,520円
- 値引き:-197,720円
→総工事費:183万6,000円
→工事期間:15日間
②鉄骨造住宅
鉄骨造住宅における「1坪・50坪」の解体費用は以下の通り。
エリア | 1坪あたりの費用 | 50坪の費用 |
---|---|---|
北海道・東北 | 3.8万円 | 190万円 |
関東 | 4.5万円 | 225万円 |
中部 | 4万円 | 200万円 |
関西 | 4万円 | 200万円 |
中国・四国 | 3.9万円 | 195万円 |
九州・沖縄 | 3.8万円 | 190万円 |
全国の解体費用の平均は、坪単価3.6万円(価格幅:0.6~9.8万円)。
50坪の鉄骨造住宅の解体だと、180万円(価格幅:30~490万円)です。
関東地方は特に高く、中でも東京都は坪単価6万円と突出して高くなります。
50坪になると費用が300万円を超えることもあるので、把握しておきましょう。
50坪台の鉄骨造住宅の解体費用の例
◎鉄骨造住宅の解体における見積もり結果の例
【東京都の一例(53坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:29,113円・合計:154万3,000円- 建物養生費(210㎡)
→単価:600円・合計:126,000円- ブロック塀撤去(19㎡)
→単価:3,000円・合計:57,000円- 土間コン撤去(100㎡)
→単価:2,994円・合計:299,400円- 植木・植栽撤去(一式):30,000円
- アスベスト撤去(一式):151,500円
- 井戸解体埋め戻し費用(一式):50,000円
- 諸経費:50,000円
- 値引き:-84,678円
→総工事費:240万円(税込)
→工事期間:21日間
【福岡県の例(52坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:28,760円・合計:149万5,500円- 建物養生費(201㎡)
→単価:900円・合計:180,900円- その他(24㎡)
→単価:3,000円・合計:72,000円- その他(26㎡)
→単価:30,000円・合計:780,000円- その他(4坪)
→単価:15,750円・合計:63,000円- 室内残置物撤去(7㎡)
→単価:7,000円・合計:49,000円- 駐車場撤去(一式):85,000円
- ブロック塀撤去(一式):115,000円
- 諸経費:160,000円
- 値引き:-400円
→総工事費:324万円(税込)
→工事期間:20日間
【千葉県の例(50坪・2階建て)】
- 内装の解体工事:166万3,200円
- 建物養生費(231㎡)
→単価:1,000円・合計:231,000円- 浄化槽撤去(5基)
→単価:8,000円・合計:40,000円- 諸経費:15,000円
- 値引き:-5,136円
→総工事費:210万円(税込)
→工事期間:7日間
③鉄筋コンクリート造(RC造)住宅
鉄筋コンクリート造住宅における「1坪・50坪」の解体費用は以下の通り。
エリア | 1坪あたりの費用 | 50坪の費用 |
---|---|---|
北海道・東北 | 4.7万円 | 235万円 |
関東 | 5.5万円 | 275万円 |
中部 | 5.2万円 | 260万円 |
関西 | 5.3万円 | 265万円 |
中国・四国 | 4.9万円 | 245万円 |
九州・沖縄 | 4.8万円 | 240万円 |
全国の解体費用の平均は、坪単価4.3万円(価格幅:1.9~8.6万円)。
50坪の鉄筋コンクリート造住宅だと、215万円(価格幅:95~430万円)です。
地方ごとの平均として特に高いのは関西地方になります。
ただし東京の解体費用の坪単価は8.3万円超と別格なので、把握しておいてください。
(以下では10万円近い都道府県もあるがデータの母数が少なく特別なケースが反映されている)
50坪となると解体費用だけで400万円を超えるので注意しましょう。
50坪台の鉄筋コンクリート(RC造)住宅の解体費用の例
◎RC造住宅の解体における見積もり結果の例
【東京都の一例(57坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:54,620円・合計:311万3,350円- 建物養生費(305㎡)
→単価:1,500円・合計:457,500円- ブロック塀撤去(34㎡)
→単価:4,000円・合計:136,000円- その他(39㎡)
→単価:2,010円・合計:78,400円- 諸経費:150,000円
- 値引き:-35,250円
→総工事費:421万2,000円(税込)
→工事期間:25日間
【愛知県の一例(56坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事
→単価:29,786円・合計:166万8,000円- 建物養生費(200㎡)
→単価:799円・合計:159,840円- 室内残置物撤去(8㎡)
→単価:13,500円・合計:108,000円- 植木・植栽撤去(6台)
→単価:45,000円・合計:270,000円- その他(3台)
→単価:50,000円・合計:150,000円- その他(211㎡)
→単価:1,200円・合計:253,200円- ブロック塀撤去(9m)
→単価:5,849円・合計:52,640円- 諸経費:266,168円
- 値引き:-150,070円
→総工事費:300万円(税込)
→工事期間:18日間
【静岡県の一例(54坪・2階建て)】
- 住宅の解体工事:137万7,250円
- その他の解体工事(一式):443,000円
- 建物養生費(一式):70,400円
- 諸経費:50,000円
- 値引き:-40,650円
→総工事費:205万2,000円(税込)
→工事期間:30日間
④アパート・長屋
アパート・長屋における「1坪・50坪」の解体費用は以下の通り。
エリア | 1坪あたりの費用 | 50坪の費用 |
---|---|---|
北海道・東北 | 3.3万円 | 165万円 |
関東 | 3.7万円 | 185万円 |
中部 | 3.5万円 | 175万円 |
関西 | 3.6万円 | 180万円 |
中国・四国 | 3.3万円 | 165万円 |
九州・沖縄 | 3.2万円 | 160万円 |
全国の解体費用の平均は、坪単価3.6万円(価格幅:1.6~8.6万円)。
50坪のアパート・長屋だと、180万円(価格幅:80~430万円)です。
ただし上記は構造ごとに分類されていないので注意してください。
そのため木造よりは鉄骨造のアパート・長屋のほうが解体費用は高くなります。
50坪台のアパート・長屋の解体費用の例
◎アパート・長屋の解体における見積もり結果の例
【東京都の一例(59坪・木造2階建て)】
- 建物解体
→単価:30,000円・合計:177万円- シート養生(400㎡)
→単価:800円・合計:320,000円- 全面ブロック塀撤去(10m)
→単価:50,000円・合計:500,000円- 土間・風呂場・便槽撤去(一式):200,000円
- 値引き:-7,200円
→総工事費:300万5,424円(税込)
【千葉県の一例(54坪・木造2階建て)】
- 建物解体
→単価:32,000円・合計:172万8,000円- シート養生(323㎡)
→単価:600円・合計:193,800円- ブロック塀撤去(29.49㎡)
→単価:2,400円・合計:70,776円- 土間コンクリート解体(88.12㎡)
→単価:2,600円・合計:229,112円- 木造小屋解体(5.5坪)
→単価:23,000円・合計:126,500円- 重機回送費(一式):40,000円
- 諸経費(一式):60,000円
- 値引き:-6,376円
→総工事費:264万4,043円(税込)
【茨城県の一例(57坪・軽量鉄骨造2階建て)】
- 建物解体
→単価:29,000円・合計:165万3,000円- シート養生(320㎡)
→単価:800円・合計:256,000円- 外壁スレート撤去(70㎡)
→単価:3,000円・合計:210,000円- 階段撤去(一式):50,000円
- 重機回送(一式):35,000円
- 諸経費(一式):85,000円
- 値引き:-72,120円
→総工事費:239万4,230円(税込)
⑤店舗・工場
店舗・工場における「1坪・50坪」の解体費用は以下の通り。
エリア | 1坪あたりの費用 | 50坪の費用 |
---|---|---|
北海道・東北 | 3.4万円 | 170万円 |
関東 | 3.7万円 | 185万円 |
中部 | 3.4万円 | 170万円 |
関西 | 3.6万円 | 180万円 |
中国・四国 | 3.3万円 | 165万円 |
九州・沖縄 | 3.2万円 | 160万円 |
全国の解体費用の平均は、坪単価3.4万円(価格幅:2.0~6.0万円)。
50坪の店舗・工場だと、170万円(価格幅:100~300万円)です。
原因は不明ですが、北海道・東北地方が高めで中部地方は低めとなっています。
なお店舗・工場も東京都は坪単価5.4万円と突出して高いので、把握しておきましょう。
50坪台の店舗・工場の解体費用の例
◎店舗・工場の解体における見積もり結果の例
【宮崎県の一例(52坪・木造店舗2階建て)】
- 建物解体
→単価:20,000円・合計:104万円- 養生費(160㎡)
→単価:1,000円・合計:160,000円- 重機運搬費(一式):45,000円
- アスファルト舗装撤去(315㎡)
→単価:700円・合計:220,500円- ブロックフェンス撤去(一式):80,000円
- 諸経費:50,000円
→総工事費:172万3,140円(税込)
【福井県の一例(59坪・木造工場2階建て)】
- 建物解体(195㎡)
→単価:7,000円・合計:136万5,000円- 養生費(150㎡)
→単価:1,200円・合計:180,000円- 残存物品撤去・処分(20㎥)
→単価:12,000円・合計:240,000円- 植栽撤去工(一式):80,000円
- 重機運搬費(一式):50,000円
- 諸経費:80,000円
- 値引き:-95,000円
→総工事費:205万2,000円(税込)
【栃木県の一例(56.5坪・鉄骨店舗併用住宅3階建て)】
- 鉄骨3階建て店舗併用住宅解体
→単価:53,000円・合計:299万4,500円- 養生費(360㎡)
→単価:1,000円・合計:360,000円- CB造り物置撤去(一式):15,000円
- 土間コンクリート撤去(27㎡)
→単価:2,500円・合計:67,500円- 浄化槽撤去(一式):30,000円
- グリストラップ撤去(一式):10,000円
- 地中梁・基礎撤去(一式):600,000円
- ガードマン(2人・10日)
単価:20,000円・合計:200,000円- 重機回送費(4回)
→単価:40,000円・合計:160,000円- 諸経費(一式):300,000円
→総工事費:511万5,960円(税込)
参照:くらそうね解体ホームページ・解体無料見積ガイドホームページ
50坪の解体費用が相場より高額になる7つの原因
これまで解体費用の相場感を説明してきましたが、中には相場よりも高い費用を払って解体している方もいらっしゃいます。
「なぜ相場よりも解体費用が高騰してしまうのか」
解体費用が相場より高額になる原因を7つ集めてみました。
- 一括見積もりサービスを利用していないため
- 家屋が平屋であるため
- アスベストの除去費用がかかるため
- 地中埋設物の撤去費用がかかるため
- 付帯工事費がかかるため
- 工事車両の駐車代がかかるため
- 残土処分費がかかるため
先述した通り、解体費用は解体以外の工事も入れると高額になります。
予想と実際の費用で大きな差が出ないように、こちらで予習しておきましょう。
①一括見積もりサービスを利用していないため
一括見積もりサービスとは、解体費用の見積もりを複数社から一括でもらえるサービス。
解体費用は家屋の解体以外にもお金がかかるので、いきなり依頼するのは危険です。
まずは現地調査を経た見積もりをとって、いくらかかりそうなのか確認してください。
利用すれば費用の相場感もつかめるので、解体を成功させる大前提といえます。
中でもおすすめの一括見積もりサービスが「解体工事のナコウド」。
申し込みは以下の質問に答えて、メールアドレスと電話番号を入力するだけです。
◎申し込みで聞かれる内容(回答は選択式)
- 「Q.あなたが解体を検討している建物の種類はなんですか?」
- 「Q.物件のエリアは?」
- 「Q.物件の都道府県は?」
- 「Q.物件の階数は?」
- 「Q.物件の構造は?」
- 「Q.延べ床の面積は?」
- 「Q.物件の築年数は?」
- 「Q.処分したい家財は?」
- 「Q.処分したい樹木は?」
- 「Q.井戸は?」
- 「Q.カーポートは?」
- 「Q.浄化槽は?」
- 「Q.駐車場用のコンクリートは?」
- 「Q.ブロック塀の段数は?」
- 「Q.ブロック塀の長さは?」
- 「Q.家の前の道路は?」
- 「Q.お隣の家との距離は?」
- 「Q.解体の予定は?」
- 「Q.解体後の用途は?」
- 「Q.手元に見積もりは?」
- 「Q. 解体の期日を守るために、高額な金額を請求する業者がいることを知っていましたか?」
- 「Q. 業者を見つけるのに時間がかかり、やりたい時期に工事ができなくなるケースが解体工事で増えていることを、知っていましたか?」
- 「Q. 業者選びから工事が終了するまで、1〜1.5ヶ月かかることを知っていましたか?」
少し多く感じますが、回答は2択~4択から選ぶだけなのでパパっと申し込めます。
一括見積もりサービスを利用して損することはないので、気軽に申し込んでみましょう。
一括見積もりサービスの利用で中間マージンの発生を防げる
中間マージンとは、元請けが下請けに仕事を紹介した際に得る利益のこと。
仲介手数料と似ていますが、中間マージンは搾取のような意味合いがあるのが特徴です。
たとえばハウスメーカーに解体を依頼すると、解体業者に仕事を振ります。
その際に仕事の紹介料として、解体費用に中間マージンが上乗せされます。
つまり解体業者に直接依頼すれば発生しなかった、余計なお金が発生するので要注意。
一括見積もりサービスを利用すれば、解体業者と直接コンタクトをとることが可能です。
中間マージンが発生することはないため、解体費用がふくらむ心配はありません。
②家屋が平屋であるため
平屋と2階建ての家屋では、平屋のほうが解体費用が割高になることがあります。
2階建てよりも平屋のほうが解体費用がかさむ理由は、大きくわけて2つです。
平屋の解体にお金がかかる主な理由
- 基礎や屋根の面積が2階建てよりも大きいから
→産業廃棄物の量が多くなって処理費がかさむ - 平屋は古い家屋が多く倒壊の危険性が高いから
→重機が使えずに手作業が多くなるため工期が長引く
とはいっても必ず割高になるわけではなく、個々のケースによります。
ただし「平屋だから少なくとも相場よりは安いだろう」とは思わないようにしましょう。
建物の重さを支えて安定させるための建物の最下部。
建物を上部構造というのに対して、基礎は下部構造といわれる。
布基礎・ベタ基礎・杭基礎など、いくつか種類がある。
画像:建築学生が学ぶ構造力学「布基礎と独立基礎、ベタ基礎の違いと、本当に伝えたい各基礎の特徴」
解体費用は建築面積ではなく延床面積で計算する
まずは延床面積と建築面積の違いを確認してみましょう。
延床面積と建築面積の違い
- 延床面積…建物の各階の床面積の合計
(延床面積と同じ意味の言葉に「建物面積」がある。建築面積との混同注意) - 建築面積…建物を真上から見たときの面積
上記のように性質が異なるため、どちらの50坪かで外観はまったく変わってきます。
解体費用を算出するときは延床面積で計算するので、50坪の場合は以下の通り。
- 平屋
→「1階の延床面積:50坪」 - 2階建て
→「1階の床面積:30坪・2階の床面積:20坪」など - 3階建て
→「1階の床面積:22坪・2階の床面積が17坪・3階の床面積:11坪」など
建築面積50坪でも、階数によって延床面積に大きな差が出るので把握しておきましょう。
画像:株式会社大成住宅ホームページ「「建築面積」と「床面積」「建物面積」の意味の違いとは?」
③アスベストの除去費用がかかるため
画像:国土交通省 四国地方整備局「住宅・建築物アスベスト改修事業」
アスベスト(石綿)とは、かつて建材を中心に多く使われた有害物質。
吸い込むとガンのリスクが高まるため、2006年以降は製造・使用がNGです。
そのため2006年より前に建てられた建物は、アスベスト含有の可能性があります。
中でも含有の可能性が高い建物については、以下の引用を参考にしてみてください。
アスベストが使用されているおそれのある建築物
・特に1980年(昭和55)年以前に建てられた建築物に多い
・3階以上の鉄骨造の建築物に多い
・防火地域、準防火地域に建てられた建築物に多い
・調理室、浴室、乾燥室、ボイラー室などがある建築物に多い引用:大阪府「災害時にアスベストを飛散させないために」
アスベストを含む建物を解体するときは、さまざま法律をクリアしなければいけません。
アスベスト解体工事に関連する法律
- 労働安全衛生法
- 石綿障害予防規制
- じん肺法
- 作業環境測定法
- 作業環境評価基準法
- 大気汚染防止法
- 廃棄物の処理および清掃に関する法律
工事に着手するまでのハードルが高いためその分、費用がかさんでしまうので要注意。
アスベストの除去費用について、国土交通省が公表したデータは以下の通り。
(2007年1月~12月の施工実績195件を社団法人建築業協会が集計分析)
処理面積 | ㎡単価 |
---|---|
~300㎡ | 2.0~8.5万円 |
300~1,000㎡ | 1.5~4.5万円 |
1,000㎡~ | 1.0~3.0万円 |
50坪を平方メートルに換算すると「約165㎡」。
仮に50坪すべて処理面積だった場合の費用は「330万円~1,402万5,000円」です。
目安といっても幅がありすぎるので困りますよね。
除去費用は以下の違いでも、金額が大きく異なると調査機関が指摘しています。
- 部屋の形状
- 天井の高さ
- 固定機器の有無
いずれにせよ実際に依頼する前に、解体業者に現地を見てもらうことが先決です。
一括見積もりサービスに申し込んで、アスベスト処理も含めた解体費用を知りましょう。
参照:「石綿(アスベスト)除去に関する費用について」の公表
④地中埋設物の撤去費用がかかるため
解体工事中に地中から以下のようなものが出た場合は、追加費用が発生します。
【地中埋設物の一例】
- 以前の建物の基礎
- 建築廃材
- 鉄筋
- 岩・大きな石
- 瓦
- 井戸
- 土管
- 浄化槽
- タイヤ
- 衣服
- コンクリートブロック
- コンクリートガラ
これらが出る主な原因は「以前の工事がずさんだったこと」。
特に法整備が甘い時代※に建てた家を解体するときは、地中埋設物が出るかもしれません。
※参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の制定は1970年
解体で地中埋設物が見つかる確率は、約5%(20件に1件)といわれています。
また費用が発生したとしても、50坪台でも20万円以下になることが多いです。
なお地中埋設物が見つかったときは通常、施主(工事依頼者)に報告。
さらに現地で施主が実物を確認してから、見積もりの修正を行います。
確認もなくいきなり追加費用を請求することはないので、把握しておきましょう。
画像:株式会社ハマーズホームページ「追加工事一覧 - ガラ撤去」
⑤付帯工事費がかかるため
付帯工事とは解体工事とは別の、以下のようなモノを撤去するための工事です。
【撤去によって費用が加算されるモノ】
- ブロック塀
- 庭木・庭石
- 室内残置物
- 倉庫・物置
- 門扉
- カーポート
- 自転車置き場
- 残土
- 土間コンクリート
ブロック塀なら㎡単価で庭木なら1本何円など、費用はそれぞれ算出方法が異なります。
撤去すべきモノが多いと、解体費用は底上げされてしまうので注意が必要です。
見積書を受け取ったら、付帯工事費が含まれているかきちんと確認するようにしましょう。
画像:株式会社リプロホームページ「解体工事 施工例」
⑥工事車両の駐車代がかかるため
解体する家屋の周辺に十分な駐車スペースがないと、工事車両を停められません。
そのような場合に近所の駐車場などを借りることになれば、追加費用が発生します。
あくまで目安ですが、50坪の建物の解体には2~3週間かかるケースが多いです。
仮に駐車代が1日1万円だとすると14~21万円はかかると予想できます。
もちろん工事車両の種類や数によっては、さらに費用がかさむリスクがあるので要注意。
ただし十分な駐車スペースがあるのに不当請求された駐車代は、拒否してもいいでしょう。
画像:有限会社ニチカンコーホームページ「解体用重機紹介」
駐車スペースがないときの解体業者の対処例
解体業者は必ずしも有料の駐車場を利用するわけではないので、把握しておいてください。
◎敷地内に駐車スペースがない場合はどうするか
- 往来が少なく余裕がある道路
→道路使用許可をとって路上駐車 - 駐車場や空き地が隣接している
→隣地の地主の承諾をとって借りる
(この場合は費用が発生する場合がある) - 工事車両の搬入に通行止めしなければいけない
→自治体や警察署などとの事前協議・準備
いずれにせよ、現地調査の際に駐車代がかかりそうか確認するとベターです。
敷地内に駐車スペースがある・路上駐車OKの場合は、駐車代がかさむ心配はありません。
⑦残土処分費がかかるため
残土(建設発生土)とは、解体などの工事で発生する土のこと。
特に建て替えの場合には、解体後に基礎工事をするときに残土が発生します。
費用の目安は、漉き取り・積み込み・運搬など合わせて1㎥あたり10,000円程度です。
基本的には解体の工程では行われず、建築業者が建築する際に行われる。
50坪の土地となると、費用は予想以上にふくらむこともあるので注意しましょう。
ただし残土処分は建築業者ではなく、事前に解体業者に発注すれば費用は割安に済みます。
しかし漉き取りをしすぎると、新たな地盤改良工事の費用が発生することも…。
(土地を削ると地盤の性質が変わり堀りすぎた土は戻せばいいということではないため)
余計なお金を払う事態を避けるには、漉き取る高さを図面で示すなどの手配が必要です。
画像:株式会社市場建築ホームページ「現場だより 鋤取り工事」
50坪の解体費用の見積もりを依頼するときの注意点7つ
50坪の解体費用の見積もりを依頼するときは、以下の点を意識しておきましょう。
- 見積書の見方を覚えておく
- 安いだけで選ばないことを意識しておく
- タイミングよく依頼できるようにしておく
- マニフェスト伝票をもらえるか聞いておく
- 地方自治体の助成金がないか調べておく
- 家財道具は事前に処分しておく
- 近隣への対応方法を聞いておく
気をつけておけば、費用が予想以上にかさむという事態は防ぐことができます。
①見積書の見方を覚えておく
解体の見積書は見積もりを依頼した業者によって、書式や記載項目はバラバラです。
先述した通り、解体の見積書には基本的に以下の項目が書かれています。
- 仮設工事費
- 解体工事費
- 廃棄物処理費
- 付帯工事費
- 重機回送費
まずは「費用の内訳が詳細に書かれているか」をチェックしてみてください。
あまりに大雑把な見積書は、そもそも技術力が低い業者である可能性が高いです。
ただし解体の見積もりは詳細にはとりにくいのも事実。
㎡や㎥の単価ではなく「一式」と処理されることも珍しくないんですね。
「一式」と記載されていたからといって、騙されているわけではありません。
しかしなぜ具体的に記載できないのか、きちんと答えられるかを聞くのは有効といえます。
画像:NIKKENホームページ「解体工事の見積書【さいたま】」
解体の見積書「細かなチェックポイント」
解体の見積書を受け取ったら、以下の点を意識しておいてください。
◎見積書でチェックしておくべきポイント
- 見積書の作成日や見積書の有効期限
- 計算されている坪数や㎡が実際とズレていないか
- 解体工事費や仮設工事費を一緒くたにされていないか
- 解体証明書(建物取壊証明書)の発行費用は含まれているか
- 整地費用は含まれているか
- 費用は税込なのか税抜きなのか
- 業者の連絡先や工事責任者が記載されているか
- 施主の連絡先や現場の住所が記載されているか
- 備考欄に意外と重要なことが記載されていないか
(追加費用に関する注意書きなど)
見積書には業者の性格がよく表れるので、よく読み込んでみることが大切です。
「地中埋設物が出た場合は別途費用がかかります」
たとえば上記のような文言を正直に記載してある業者は、信頼性が高いといえるでしょう。
②安いだけで選ばないことを意識しておく
安い見積もりを提示しておいて、後で追加費用を請求するのは不良不適格業者の常套手段。
そのため「見積もり金額の安さだけで業者を選ばないようにすること」が大切です。
現地調査を経ないで見積もりをとった場合(概算見積もり)は、特に注意してください。
また見積もり金額が安い業者で危険なのは「保険に入っていないこと」。
解体は危険度が高い作業ですが、保険料が高額のため未加入の業者も多く存在します。
- 家屋の倒壊や外壁落下による通行人のケガ
- 近隣の家の破損
上記のような場面に備えて損害賠償保険に入っていれば、万が一のときでも安全です。
ただし粉塵や騒音による損害賠償は保険適用外となるので、把握しておきましょう。
見積もり金額が安い業者は損害賠償のリスクがある
見積もり金額が大幅に安いということは、何かを削っているおそれがあります。
粗末な工事の例
- 養生シートをブルーシートにしている
(ブルーシートは安価だが破れやすく摩擦音がうるさい) - 産業廃棄物を不法投棄している
(解体した土地の中に埋める業者も存在する) - 経験が浅い、安く使える不法就労の外国人を雇っている
上記のような工事では、出来上がりが粗末な仕上がりになることは避けられません。
そうなれば、後で隣人や土地購入者から訴えられることもありえるので注意しましょう。
(隣人…家屋の破損に対しての損害賠償請求・土地購入者…瑕疵担保責任の追及)
目先の費用にとらわれて、後で莫大な費用が発生することがないようにしてください。
③タイミングよく依頼できるようにしておく
他の業界と同様に、解体工事にも繁忙期や閑散期があるので把握しておいてください。
- 繁忙期…年末12月~翌年3月末(年度末)の間
- 閑散期…4月から6月の間
もちろんスケジュールが固定されていて、依頼する時期を調整できない人もいるでしょう。
ただし繁忙期はなるべく避けたほうが、解体が成功する確率が高くなるといえます。
まず繁忙期だと現地調査をする余裕さえないかもしれません。
優良業者であるほど「スケジュールが先まで埋まっています」と依頼を断られることも…。
逆に閑散期の4月から余裕が生まれるので、そこを狙えば丁寧に対応してくれるはずです。
特に急いでいないのであれば、意識的に4月~6月に依頼することをおすすめします。
閑散期は梅雨にあたるが雨天でも解体工事は行われる
6月は梅雨の時期ですが、雨が降っても工事が必ず中止されるわけではありません。
基本的に安全第一ですが、雨はデメリットばかりではないんですね。
- 雨がもたらす施主にとってのメリット
→粉塵が舞わずに近隣に迷惑がかからなくなる - 雨がもたらす解体業者にとってのメリット
→散水(粉塵防止のための作業)が不要になる
粉塵は近隣の洗濯物・外壁・車に付着して、汚れ→クレームの原因になります。
雨は自然と粉塵を予防してくれるのである意味、雨天=解体日和ともいえるでしょう。
ただし安全が不安視されるほどの大雨なら、さすがに工事は中止されると思ってください。
④マニフェスト伝票をもらえるか聞いておく
マニフェスト伝票とは、産業廃棄物の処理の流れを明らかにする書類です。
(11ケタの交付番号が入っていてA・B1・B2・C1・C2・D・Eの7枚つづりになっている)
産業廃棄物の不法投棄は違法であり、許せば業者だけでなく施主が罰せられることも…。
また土地売却の際は価格が低下したり、瑕疵担保責任が発生したりなど大きくマイナス。
マニフェスト伝票は、希望すれば最終処分終了票であるE票のコピーをもらえます。
産業廃棄物を実際に処理した後に、マニフェスト伝票はもらえるか聞いてみましょう。
渡せないという業者は、不法投棄する可能性が高いので注意が必要です。
なお解体業者が自社の処理施設で処分できるときは、マニフェスト伝票は発行されません。
画像:公益社団法人 京都府産業資源循環協会ホームページ「各種販売について」
POINT建物の解体後に土地の売却を考えている人は以下の記事を参考にしてみてください。
⑤地方自治体の助成金がないか調べておく
すべての地方自治体ではありませんが、解体に補助金を出してくれる場合があります。
たとえば横浜市では建築物不燃化推進事業の一環で、解体をサポートしています。
老朽建築物除却(解体)の具体的な補助内容を見てみましょう。
横浜市における解体の補助内容3つの算出方法のうちもっとも低い金額が補助金となる。
- 建物本体の解体にかかる部分の税込額×補助率
- 除却する建築物の延床面積×2万円/1㎡×補助率
- 補助金の上限:150万円
※補助率:重点対策地域…3/4・重点対策地域以外の補助対象地区…2/3
補助の対象は「耐用年数を過ぎている建物」か「昭和56年5月31日以前の建物」です。
また契約前に申請しないと、上記の建物でも補助の対象から外れるので注意してください。
⑥家財道具は事前に処分しておく
地域差はありますが、家財道具の処分費用は4トンのダンプカー1台で7~8万円かかります。
そのため家財道具などは、自分で処分したほうが安上がりで済むはずです。
粗大ゴミは無料で回収する自治体もあるので、まずホームページを確認してみてください。
また大型家電などは、家電量販店で引き取ってくれる場合もあります。
売れるものがあれば、メルカリやリサイクルショップで売るのもおすすめ。
場合によっては解体業者が家具などを引き取ることもあるので、相談してみましょう。
画像:グーネットホームページ「いすゞフォワード 4tクラス」
⑦近隣への対応方法を聞いておく
解体工事は特に住宅密集地では、近隣に少なからず迷惑をかけることに…。
また工事の中でも、特にクレームが多いのが解体工事だといわれています。
(7件に1件の割合で近隣住民とのトラブルが発生するともいわれている)
近隣住民からの苦情ベスト3を確認してみてください。
【解体における近隣住民からのクレームで多いのは?】
- 騒音
- 粉塵
- 振動
またランク外ですが「工事について事前連絡がなかった」という意見も多いです。
業者の落ち度で近隣から訴訟を起こされた場合は、施主にも金銭的負担が及ぶことも…。
過去にどういうクレームがあり、どう対処してきたかを聞いて力量をはかりましょう。
50坪の解体では周辺住民に対して事前周知が必要
多くの自治体では、延床面積が80㎡以上の解体では標識設置など事前周知が必要です。
※参考:50坪=約165㎡
自治体によりますが、着工の7~30日前までには事前周知をしなければいけません。
説明方法は説明会・戸別訪問・チラシ配布などにより、以下の説明をします。
説明内容
説明内容は下記の事項を説明して下さい。
工事の名称・場所 工事の発注者・受注者の氏名・連絡先 工事の現場責任者の氏名・連絡先 工事の作業内容 工事の工程 工事の開始時刻・終了時刻 騒音・振動・粉じん等の防止方法 工事関係車両の通行経路 その他必要な事項(石綿(アスベスト)含有建築材料の使用の有無 等)引用:吹田市ホームページ「工事を施工する際の住民への周知について」
届出などは解体業者の仕事なので、施主は特に何もすることはないので安心してください。
ただし以上の事情からすぐに「依頼→着工」はできないので、把握しておきましょう。
画像:吹田市ホームページ「工事を施工する際の住民への周知について」
50坪の解体について7つのQ&A
①解体って大まかにどんな流れなの?
一括見積もりサービスの利用から、解体工事が完了するまでの流れは以下の通り。
解体の依頼から工事完了までの流れ
- 解体工事のナコウドに申し込み
(PCやスマホからインターネット申し込み) - 最大4社の現地見積もり
(現地調査の時間:1社あたり1時間程度) - 見積書の比較・話し合い
(見積書は問い合わせから数日で到着) - 希望の合う解体業者と契約
(希望に合わない場合は契約前なら断ってOK) - 解体前の事前準備
(電気・水道・ガスの契約解除や移転の手続きなど) - 解体・工事完了
(解体業者から滅失登記に必要な書類を受領)
③の話し合いでも条件面で納得がいかなければ、無理に契約する必要はありません。
断った後はもう一度①に戻って、一括見積もりサービスを利用し直してみてください。
解体費用を支払うタイミング
50坪の解体費用を支払うタイミングは、業者によって3パターンあります。
パターン②:着工時に半額の着手金を支払って完了後に残代金を支払う
パターン③:着工時に3分の1・工事中に3分の1・完了後に3分の1を支払う
基本的にはパターン①の場合が多いと思っておきましょう。
パターン②③は工事費用が高額になる場合に選択されるようです。
いずれにせよ、工事前に全額支払いするような事態は避けてください。
②手壊し解体になることってあるの?
手壊し解体とは、重機を使わずに人の手によって解体すること。
労力が多くなるため、重機だけの工事に比べて費用は割高(20~50%UP)です。
手壊し解体が必要になるケースは以下の通り。
◎解体工事が手作業になるケース
- 家屋前の道路が狭い
- 道の奥まった場所に家屋がある
- 階段や丘の上などに家屋がある
- 幹線通り沿いで車や歩行者の往来が多い
- 商店街の中に家屋がある
要するに重機が運べない場合は、手壊し解体がメインになるので把握しておきましょう。
ただし最初から重機が運べるような場合でも、手作業が発生しないわけではありません。
このような手壊しと重機を併用した工法が一番多いともいわれています。
③解体した後に整地すると費用は上がるの?
解体後は更地になりますが、仕上げ方(整地の種類)によって費用は変わってきます。
実は更地は建材ゴミがあり多少デコボコしていても、更地と呼べるんですね。
しかしキレイとはいえない更地は買い手がつかず、売れても売却価格は控えめ。
特に売却を考えている人は、解体後はきちんと整地をするのがおすすめです。
◎整地の種類
- 粗仕上げ…一番シンプルで安価な整地
- 砂利整地…小石や砂などを敷く
- 砕石舗装…砕いた石を均一に敷く
- 真砂土舗装…真砂土を敷き詰める
(真砂土…花崗岩が風化してできた土) - 防草シート仕上げ…特殊なシートを敷く
- アスファルト舗装…砕石や砂やアスファルトを混ぜた合材を敷く
- コンクリート舗装…セメントや砂を混ぜた合材を敷く
※下にいくほど単価が高い
整地の注意点としては、解体業者によって整地の定義が異なること。
解体後に「整地をお願いします」というだけでは、ただの更地での引き渡しもありえます。
「建材ゴミやガラは一切ないようにしてください」など、具体的に依頼しましょう。
なお整地方法は別途見積もりをとることになるので、把握しておいてください。
画像:株式会社フォレスト舎ホームページ「真砂土(まさど・まさつち)舗装」
④解体した後にすべき建物滅失登記って何?
解体後には建物滅失登記をしなければいけないことが、不動産登記法で定められています。
建物滅失登記とは?建物を取り壊したり焼失したりした後(滅失した後)、法務局で行う登記手続き。
建物滅失登記は、建物がなくなってから1ヶ月以内に申請しなければいけない。
登記してから約1週間後に「登記完了証」がもらえる。
建物滅失登記がされていないと、10万円以下の過料がとられることも…。
(過料…行政上の軽いルールを違反した人が科される罰金・刑罰の科料とは区別される)
未登記には他にも以下のようなリスクがあるので注意してください。
◎建物滅失登記をしないことのリスク
- 建物が存在しなくても建物分の固定資産税がとられる
- 土地や建物を担保にお金を借りたい場合に融資を断られる
- 売買契約時に知られたときに契約破棄されやすい
- 所有者が亡くなった後は相続人(子孫)が費用や手続きの負担がある
申請の注意点としては、司法書士に手続きを委任することはできないこと。
自分でも申請できますが、不安がある場合は「土地家屋調査士」に依頼しましょう。
・建物滅失登記の登記申請書
・解体業者の建物取壊証明書
・解体業者の印鑑証明書
・解体業者の資格証明書
・建物所有者の印鑑証明書
・委任状(土地家屋調査士に依頼した場合)
画像:LIFULL HOME’S PRESS「家の解体後に必要な建物滅失登記。その手続きと怠った場合のデメリットとは?」
⑤解体ってローンを組めたりするの?
何より費用が不安な人も多いと思いますが、解体はローンを組んで行うことができます。
多くの金融機関には、解体に特化したローン商品があるのでチェックしてみてください。
◎金融機関が用意している空き家解体に特化したローンの例
- みちのく銀行(青森県)
→「みちのく空き家解体ローン」 - 大光銀行(新潟県)
→「たいこう空き家解体ローン」 - 豊橋信用金庫(愛知県)
→「とよしん無担保住宅ローン【空き家特例】空き家解体費用」 - 但馬銀行(兵庫県)
→「空き家活用ローン(リフォーム 解体型)」 - 中国銀行(岡山県)
→「ちゅうぎん空き家解体ローン」 - JAバンク広島(広島県)
→「空き家解体ローン(三菱UFJニコス型)」
※他エリアのJAバンクでも解体ローンを扱っています - 愛媛信用金庫(愛媛県)
→「空き家解体支援ローン『かわしん里・スタート(Re-start)』」 - 十八銀行(長崎県)
→「空き家解体ローン <18>リフォームプラン」 - 南日本銀行(鹿児島県)
→「なんぎんリフォームローンA(空き家解体ローン)」
今や空き家は全国の問題なので、各自治体と金融機関は連携して解決に取り組んでいます。
ローンを組みたいと考えている人は、お近くの金融機関のホームページを確認しましょう。
画像:JA福山市ホームページ「JA空き家解体ローン」パンフレット
⑥解体した後は固定資産税が増えるって聞いたんだけど…?
解体した家屋が住宅だった場合は、特例で土地の固定資産税は軽減されていたはずです。
しかし解体後は特例措置の軽減がなくなるため、通常の固定資産税が発生します。
◎解体前→解体後の固定資産税の変化の例
【解体前】
- 3,000万円の土地…固定資産税は70,000円
(30,000,000×1/6×1.4%=70,000) - 1,500万円の建物…固定資産税は210,000円
(15,000,000×1.4%=210,000)
→固定資産税の合計は280,000円
【解体後】
- 3,000万円の土地…294,000円
(30,000,000×7/10※×1.4%=294,000) - 建物なし…固定資産税は0円
→固定資産税の合計は294,000円
※非住宅用地では負担調整措置として価格の7割が上限となる
「解体で固定資産税が6倍に増える」ともいわれるのを聞いた人も多いでしょう。
しかし上記の通り、建物分はなくなるので単純に6倍になるわけではありません。
(建物の固定資産税が高ければ、解体後でも固定資産税が上がらないケースもある)
なお都市計画区域内の土地・建物には、固定資産税以外に都市計画税がかかります。
参照:東京都主税局ホームページ「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
関連記事固定資産税についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしてみてください。
⑦解体の前のお祓いって絶対必要なの?
解体時のお祓いは「家屋解体清祓(かおくかいたいきよはらい)」と呼ばれます。
内容は神社によりますが、富山県の杉原神社が行う家屋解体清祓は以下の通り。
◎家屋解体清祓について
【家屋解体清祓の基本情報】
- 時期:解体作業の前
- 戸主が用意するモノ:神饌(米・酒・塩・水)
- 服装:普段着でOK
- 知らせておくこと:戸主の名前
- 所要時間:約20分
- 初穂料:2万円程度
【神饌(しんせん)の内容】
- 米:白米(新米)5合程度
- 酒:日本酒4合~1升
- 塩:粗塩20~50g程度(食塩は避ける)
- 水:水道水でOK
参照:延喜式内 杉原神社ホームページ「家屋解体清祓」
目的としては家屋に宿った魂や気を抜いて、家屋を単なる建築物に戻すことです。
あくまで気持ちの問題であり、宗教的な儀式なので無理して行わなくても構いません。
しかし費用は数万円で済むので、よほどの抵抗がない限りは実施を検討しましょう。
話のネタになりますし、しなかった場合の不安がないので精神的にもラクになります。
50坪の解体費用は構造・エリアで変わる!ただし価格相場は参考程度に
建物の造りや建物が存在するエリアで変わる、50坪の解体費用の相場は以下の通り。
- エリアごとに見る「木造住宅」の価格相場
→1坪あたり:2.5~3.2万円・50坪:125~160万円
(相場が低めの地方:中部、九州、沖縄・相場が高めの地方:関東) - エリアごとに見る「鉄骨造住宅」の価格相場
→1坪あたり:2.5~4.3万円・50坪:125~215万円
(相場が低めの地方:九州、沖縄・相場が高めの地方:関東) - エリアごとに見る「鉄筋コンクリート造(RC造)住宅」の価格相場
→1坪あたり:4~5.6万円・50坪:200~280万円
(相場が低めの地方:北海道、東北・相場が高めの地方:関西) - エリアごとに見る「アパート・長屋」の価格相場
→1坪あたり:2.5~4.2万円・50坪:125~210万円
(相場が低めの地方:北海道、東北、九州、沖縄・相場が高めの地方:関西) - エリアごとに見る「店舗・工場」の価格相場
→1坪あたり:2.5~3.9万円・50坪:200~280万円
(相場が低めの地方:中部・相場が高めの地方:北海道、東北)
上記の解体費用の相場は、あくまで「建物の解体のみ」にかかるお金。
実際は廃棄物処理費や付帯工事費など、個別にさまざまな追加費用が発生します。
そのため解体費用の相場は、参考程度にとどめておくようにしてください。
しっかり解体費用の価格相場を調べるなら、現地調査を経た見積もりが必要です。
そこで便利なのが、現地見積もりで解体費用がわかる「解体工事のナコウド」。
解体工事のナコウドには、厳しい審査を通過した多数の解体業者が登録。
その中から申込者の土地・建物に合った解体業者4社が、現地見積もりをとってくれます。
現地調査によって、より詳細な見積もりがわかる上に大体の相場感もつかめるはずです。
解体を考える人は成功率UPのために、まずは現地見積もりの比較からスタートしましょう。
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