不動産投資でセミリタイア!
~成功に必要なのは4つのプロセス~
今回の記事は、会社勤務から見事リタイアされて現在専業大家として賃貸経営されている「元旦大家」氏に寄稿いただきました。
ご自身の経験を踏まえて、「セミリタイアするまでのプロセス」を解説いただいています。
不動産でセミリタイアを成功させるにはPDCA(※)サイクルが重要とのことです。
- そもそも不動産投資でセミリタイアとは
- 不動産投資におけるPDCAサイクルとは
- 目標設定から購入物件・売却までのポイント
- 資産・収入把握から見直しまでのポイント
など、各局面で気を付けるべき項目を丁寧に分かりやすくご紹介しております。
不動産投資を検討している方や既に物件を購入された方も、ぜひ当記事で点検作業を行ってセミリタイアを目指しましょう。
※PDCA…Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4つのサイクルを回しながら仕事を改善・効率化する手法のこと。
がんたんおおや
元旦大家氏
専業大家
<1983年>
宮城県にて出生
<2008年>
運命の人とめぐり逢い結婚。妻と子供2人の4人家族。
<2014年>
不動産投資に興味が沸いたが妻の猛反対に遭い一度諦める。
<2015年>
1年かけて妻の説得に成功。会社員の傍ら副業として初めて一棟アパートを購入し不動産投資開始。
5年後のセミリタイアを目標に購入・売却を進める。
<2019年>
17年務めた会社を退職し遂に専業大家に。
<2020年~>
これまで個人で買い進めてきたが、昨年法人を立ち上げ育てていく事に注力中。
これから不動産投資を始める方に失敗して欲しくないとの想いからSNSやブログで情報発信中。
ブログ:https://www.gantan-ooya.com/
Twitter:@gantan_ooya
はじめに
「不動産投資でセミリタイア」の定義とは
まず初めに「不動産投資でセミリタイア」を定義しておきたいと思います。
「不動産でセミリタイア」
=不動産からの収入を得つつ好きな仕事をして生きていくこと
完全に不動産投資からの賃料収入だけで生きていきたいと思っている方には、ゴールに少しずれがあると思います。
また先に言及しておきますと、「不動産投資でセミリタイアする」ということは“ただ物件を購入すればいい”という簡単な事ではありません。
- 不動産に関する様々な知識
- 上記に伴う法律や税金の知識
- 長い期間
を要します。
そして金融機関からお金を借りて買う場合は大きな借金を背負う事になるので、精神的にもストレスがかかるかもしれません。
それでも「不動産投資で安定した収入を得てセミリタイアしたい」と本気で考えている方は是非頑張って欲しいと思います。
※今回はプロセスについてご説明し、不動産の知識については触れていませんのでご了承ください。
「PDCAサイクル」を活用-重要なのは最初のPlan(計画)
私が今までの不動産投資をしてきた経験や他の不動産投資家の方の話などから、どういったプロセスが必要か考えてみました。
現役不動産投資家の私が考える不動産投資でセミリタイアを目指すためのプロセスとして
- 目標設定
- 物件選定・購入・売却
- 資産・収入の把握
- 目標確認&計画見直し
の4つが必要だと感じています。
ご存知の通り、PDCAを不動産投資の流れに置き換えてセミリタイアを目指していきます。
特に「目標設定」(=Plan)をしっかり行う事が一番重要です。
「段取り八分」という言葉がありますが、これはどんな事にも共通していると思います。
不動産投資の場合にも、目標設定という段取りを徹底的に行い成功へ突き進んで欲しいと思います。
偉そうに言っているこんな私ですが、不動産投資でセミリタイアを目指そうと考え段取り4分くらいで始めてしまいました。(苦笑)
その結果やはり最初の1棟は失敗してしまいましたね。
逆に言えばそんな経験があるからこそ、改めて段取りの重要性を伝える必要があると感じています。
不動産投資を始めようと思い立って早く買おうと焦るとろくなことがありません。
焦らずじっくり行きましょう。
優良物件を購入さえ出来れば、その時間が無駄では無かったと実感できるはずです。
1.目標設定(Plan)
①お金の流れを把握する
まず不動産投資でどれくらいのキャッシュがあればセミリタイアしてもいいと思えるのか考えましょう。
- そのためには今生活する上でどのくらいのお金を使っているか
- 毎月どのくらい貯蓄できるか
など把握しておく必要があります。
既に把握されている方は素晴らしいですね!早速次のステップに行きましょう。
把握されていない方は一度家計簿などを記録して確認しましょう。
②セミリタイア後の事を考える
セミリタイア後どんな事をして、どのくらいのお金を生活費に回すのかを考えます。
後々
- 不動産からの安定した賃料収入〇割
- やりたい事の収入〇割
- 貯蓄〇割
といったようにイメージしやすくなり、理想に近いシュミレーションが行えます。
③資産状況を把握する
金融機関から融資を受けお金を借りるとはいえ
- 自己資金
→不動産の取得費用×1~2割 - 初期費用
→仲介手数料・火災保険・司法書士費用など
が掛かるので、資金が無い方はまず自己資金を貯めることから始めなければいけません。
【自己資金をためる方法(一例)】
■バイトなど仕事を増やす
■不用品を売る
■車を売る
■親族からお金を借りる
■飲酒をやめる
■格安スマフォに切り替える など。
要は“どれだけ不動産投資に本気か”ということだと思います。
④いつセミリタイアしたいか考える
初めに言っておきますが、今から不動産投資を始めて1,2年でセミリタイア出来る方はよっぽど資産がある方か大地主ぐらいです。
今からだと5年でも短いかもしれません。
一度シュミレーションをしてみれば、短期間でセミリタイアするのは相当厳しいという事が分かるはずです。
⑤どのくらい不動産に時間を割くのか考える
本業と副業である不動産投資を行う時間のバランスを考えましょう。
不動産投資にどれくらい時間を割けるかで「どのような不動産を購入していくべきか」が見えてきます。
特に家族がいる方は家族の理解が不可欠ですので、事前によく話し合い理解しておいてもらった方が何かとスムーズです。
また資産状況から自分はどのような物件が購入出来るのかも分かってきます。
<資金> | <時間> | <おススメ物件> |
---|---|---|
多い | ある | ・新築一棟アパート ・新築一棟マンション |
多い | ない | ・中古一棟アパート ・中古一棟マンション |
少ない | ある | ・中古戸建て |
少ない | ない | なし |
資金も時間もあるのであれば、わざわざ手間暇のかかる戸建てを購入する必要はありません。
お金はあっても時間が取れない方は、既に家賃収入のある中古1棟物を購入するのがおススメ。
資金が少ない方は戸建てを購入・売却で資金を増やしていく必要があります。
資金と時間のどちらも無い方は残念ながらすぐに不動産投資をするのは無理です。(笑)
私の場合は家族がおり、本業もほどほどに忙しく資金は少しあるけど時間があまり無かったので「中古一棟アパート」に狙いを定めました。
これを機に不動産投資への時間を作るためテレビやゲームをしなくなりました。
⑥シュミレーションを行う
今まで知らない事ばかりなので、最初は調べるのが大変です。
しかし知らないでいると思っている以上にお金がかかる事に愕然とするでしょう。
今は色々な不動産投資に関する本やブログを書いている方が多くいるので、調べれば比較的簡単に分かると思います。
ここでは具体的な例は挙げませんが、シュミレーションを行う事でどのくらいの物件を購入すると1年でいくら手元に残るのかが見えてきます。
シュミレーションといってもあまり難しく考えることはありませんので是非自分で考えやってみてください。
⑦目標を設定する
上記内容を確認していくと、必要な生活費を補うには
- どの程度の物件にするのか
- いつまでに購入すべきか
- 何件購入しなければならないのか
がぼんやりと分かってきます。
あまりイメージが出来なかった・つまずいた・理解できなかった等あれば、何度も①~⑥を繰り返し精度を上げていきましょう!
不動産投資からの賃料収入をどのくらいの割合で生活費に回すかは自由ですので、50%でも80%でも構いません。
「何年までに家賃収入を年間〇万円得るため、何年間の間に物件を×棟購入しセミリタイアする!」と目標を掲げ紙に書いて張り出しておくと、辛いことがあっても頑張れます。
私も紙に目標とセミリタイア後に何をしたいのか書き出して机に貼ってあり、それを見ながら頑張っていました。
2.物件選定・購入・売却(Do)
①金融機関の情報を集める
意外かもしれませんが、物件を探すよりも先に金融機関の情報を集めないといけません。
折角条件にあう物件を探しだしても、お金が借りられなければ時間の無駄となってしまうからです。
効率的に購入できるよう
- 自分が購入したいエリアにはどんな金融機関があるか
- どういう条件なら融資してくれるのか
を把握しましょう。
電話で自身の資産状況や属性を伝え、融資の可否や金額を聞き出しましょう。
もし自分が立てた目標の物件が買えない状況だったら、目標設定を見直して計画を変更したり情報収集を続ける必要があります。
②条件に合う物件を探す
最初はネットで探すのがおすすめです。
よくネット上の物件で“ダメ物件”といわれることがあります。
しかし勘違いしないで欲しいのは、ネット上に出ている物件全てがダメ物件では無いという事です。
ネットの物件でも上手く指値を入れ交渉して安く仕入れる事が出来れば、利益を得る事は十分可能。
現に様々な不動産投資家さん達からもそういった話を多く目にしますし、私自身ネット上の物件購入がほとんどです。
逆に初心者の方が川上の優良物件情報を得る事は、経験も人脈も無いのでなかなか難しくとても非効率だと感じます。
それに何が優良物件なのか判断するのは容易ではありません。
100%条件に合う物件はなかなか難しいので、ある程度条件に近い物件が見つかったら妥協点があるかどうかよく検討して下さい。
③物件を購入する
初めて不動産を購入する時は本当にドキドキしますが、ここまででしっかり目標を立てられていれば後は覚悟を決めて購入するだけです。
最後は思い切りも大事です。
安心してください、私も一棟目は失敗しています。(笑)
ポイントはその物件を購入して自分の目標達成に近づける事が出来るのかどうかという事です。
- 安定
- 資産性
- 安さ
- 将来性
など、「自分は何を必要としてその物件を購入しようとしているのか」をよく理解しておきましょう。
そうでない場合、失敗したと感じてしまう要因となりますので注意して下さい。
④物件を売却する
「実は購入よりも売却の方が大事」だと私は感じています。
私が不動産投資を始めようと思った2014年頃、当時は色々な本を読みました。
しかし、“売却も行う事で資産形成を早めることが出来る”といった内容が書かれている本や情報は無かったように思います。
当初家賃を得る事しか考えていなかった私は、近年ようやくこの事に気づき売却によって大きな資産を手に入れる事が出来ました。
購入と売却は表裏一体です。
死ぬまで物件を持ち続けるという頑なな意思があるなら別ですが、必ずどこかで売却という出口がやってきます。
その時に「どのような状態で売却するつもりか」、ぼんやりでもいいので考えておく必要があります。
3.資産・収入の把握(Check)
一棟(一戸)購入したらまずは
- どうお金が流れていくのか
- 賃貸経営ではどんな事があるか
を体感しましょう。
「シュミレーションには無かった」「想定していたけれど金額が違った」など色々経験出来ると思います。
“実際に月の手残りはどの程度残るのか”、シュミレーションと比較しながら状況を把握しましょう。
また、物件を所有すると自分で確定申告をする必要が出てきます。
自分でするのか、あるいは税理士にお願いするのかを考えておきましょう。
ちなみに私は「自分で時間をかける<お金を支払い税理士に任せる」を選択し自分の時間を確保することにしています。
4.目標確認&計画見直し(Action)
一棟目(一戸目)で経験したことを元に、目標達成のための計画を見直しを行いましょう。
一棟(一戸)賃貸経営することで見方や考え方が変わるかもしれません。
しかしそれはあって当然ですし、そこで目標を変更して全然問題ないです。
特に一棟目(一戸目)で失敗した経験はとても貴重です。
二棟目(二戸目)では同じ失敗をしないよう改善しましょう。
ここまで来たらまた
- 2.物件選定・購入・売却
- 3.資産・収入の把握
- 4.目標確認&計画見直し
を繰り返していきます。
失敗したことを修正しながらどんどんキャッシュを貯蓄、物件の購入・売却を進めてセミリタイアを目指しましょう。
ポイントは努力を惜しまず自分で考え行動する事。
不動産投資コンサルタントと呼ばれる方もいますが、正直そういう方に頼っても良い物件は購入出来ないし成功しません。
おわりに
最後にプロセスとして4つを上げましたが、一つ一つの内容についてより深く正しく知識を学ぶ必要があります。
改めて段取りはとても大事です。
何も考えず言われるがまま物件を購入してしまったなんて事は絶対にしないでください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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