「借地権は買取業者への売却が一番イイって聞いたんだけど…」
「借地権の買取業者ってどんなところがあるの?できれば全国対応で!」
「なるべく高く売りたいんだけど…ワガママかな?」
本記事は借地権の買取業者について、以下をメインに解説していきます。
- 借地権の基本知識・売りづらい理由
- 借地権のベストな売却先「買取業者」について
- 借地権の売却先としておすすめな買取業者5選【全国対応】
- 借地権をできるだけ高く売るためのコツ
借地権は売りづらいため、結果的に買取業者への売却になる可能性が高いです。
とはいえ買取業者にも個性があるため、条件に合う業者を選ばないといけません。
今回は全国の借地権に対応している買取業者に絞ったので、参考にしてみてください。
詳しくは後述しますが、借地権は第三者にはなかなか売れません。
また地主が買い取らないのであれば、必然的に売却先は買取業者となります。
借地権を早く・高く売却したいのであれば「訳アリ買取PRO」がおすすめ。
売却まで最短7日という売却スピードの上に、高額で売れる可能性が高いです。
「早く売りたい!」「高く売りたい!」どちらのニーズも叶える業者といえます。
相談も査定も利用料金は一切発生しないので、まずは気軽に問い合わせてみましょう。
↓買取専用ダイヤル↓
0120-849-205
営業時間:10:00~20:00(水曜定休)
Contents
借地権=建物を建てるために土地を借りる権利
借地権を取得すれば、地代を支払う代わりに土地を自由に利用できます。
土地を借りて利用する権利である借地権は大きくわけて2つ。
2種類ある借地権
- 借地法(旧法)による借地権
→1992年7月31日以前に借地契約を結んだ人に適用されている - 借地借家法(新法)による借地権
→1992年8月1日以降に借地契約を結んだ人に適用されている
借地権の種類 | 契約期間 | 更新後の期間 | 建物買取請求 |
---|---|---|---|
借地権 (旧法) | ・堅固建物:30年以上 (期間の定めなし:60年) ・非堅固建物:20年以上 (期間の定めなし:30年) | ・堅固建物:30年以上 (期間の定めなし:30年) ・非堅固建物:20年以上 (期間の定めなし:20年) | できる |
普通借地権 (新法) | 30年以上 (期限の定めなし:30年) | ・1回目:20年以上 (期間の定めなし:20年) ・2回目以降:10年以上 (期間の定めなし:10年) | できる |
一般定期借地権 (新法) | 50年以上 | 更新なし (更地にして返還) | できない |
事業用借地権 (新法) | ・10年以上30年未満 ・30年以上50年未満 | 更新なし (更地にして返還) | できない |
建物譲渡特約付 借地権 (新法) | 30年以上 | 建物譲渡 にともなって 借地権は消滅 | 契約内容 による |
違いをカンタンにいうと、旧法による借地権では半永久的に更新を続けられます。
新法では地主の不利な面を改めるカタチで、更新なしの定期借地権が導入されました。
借地権は地主の承諾ナシでは売却できない
旧法・新法いずれの借地権でも、契約期間の途中で売却OKです。
ただし売却することについて、地主の承諾を得ていることが絶対条件。
勝手に売却しても地主から借地契約を解除されるので、売買契約は無効となります。
地主の承諾がとれた後の借地権の売却パターンは以下の通り。
◎借地権の売却パターン
- 地主への売却
- 第三者への売却(地主と借主が協力)
- 第三者への売却(借主単独)
- 買取業者への売却
地主が借地権の買取を希望すれば、意向が何よりも優先されます。
「地主に売る or 地主と協力して売る」ならば、高額売却も夢ではありません。
第三者にも売れますが、個人で借地権を買う人はほとんどいないといえるでしょう。
所有権は底地権と借地権で成り立っており、それぞれは不完全所有権となる。
(底地権…地主が土地を貸すかわりに借主から地代をもらう権利)
購入するメリットは少ないため売れにくく、売れても買い叩かれることが多い。
地主への売却や地主との協力売却で高額なのは、購入者が完全所有権を取得するから。
以上の事情から借地権が高く売れるかどうかは地主がキーとなっている。
関連記事借地権の売買について詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
借地権を売却するなら買取業者1択
地主が非協力的であれば、借地権の売却先は実質的に買取業者のみ。
とはいえ借地権を買取業者に売却するメリットは大きいです。
借地権を買取業者に売却するメリット
- 早く現金化できる
- 地主と交渉してくれる
- 仲介手数料が不要
通常の不動産売却でも、買い手が見つかるまで半年近くかかるのが一般的。
しかし買取業者への売却ならば、現金化まで1ヶ月もかかることはありません。
また地主に未相談・地主が売却反対という場合でも、交渉を代行してくれます。
さらに「(売却価格×3%+6万円)×消費税率」の仲介手数料は支払わなくてOKです。
先に触れたように、買取業者への売却の大きなデメリットは「価格が安くなること」。
ただし業者選びを間違えなければ、借地権をより高く買い取ってくれることもあります。
関連記事仲介手数料についてよく知らない人はチェックしてみてください。
借地権を買取業者に売却する流れ
画像:訳アリ買取PROの査定申し込みフォーム
借地権を買取業者に買い取ってもらう大まかな流れは以下の通り。
◎借地権を買取業者に売却する流れ
- 査定申し込み
→メールや電話での事前相談も受付 - 借地権の査定
→査定結果(買取価格)に納得できなければ断ってもOK - 買取成立
→契約後に入金・現金化
まずは規定のフォームに必要な情報を入力・送信して、借地権の査定に申し込みます。
フォームは入力必須の項目と入力任意の項目がありますが、なるべくすべて埋めましょう。
入力必須の項目だけ埋めても、後で色々確認される手間があるので要注意。
備考欄などがあれば、詳しく現状を説明したほうがスムーズに手続きがすすむはずです。
地主との交渉が必要なケースでは、査定前に買取業者による地主との交渉があります。
なお事前相談や出張査定は(断った場合でも)料金は発生しないので安心してください。
借地権の買取業者おすすめ5選【全国対応】
借地権を売却するのにおすすめの買取業者5社をご紹介します。
- 訳アリ買取PRO
- 不動産スピード買取窓口
- ハウスドゥ!
- フレキシブル
- ソクガイ.jp
借地権の買取業者は、対応エリアが限定されていることがほとんど。
そんな中で全国の借地権に対応している買取業者を5つピックアップしました。
①訳アリ買取PRO
訳アリ買取PROは、借地権の売却先としてメリットが多い買取業者。
先に紹介したメリットの他にも、以下のような魅力があります。
訳アリ買取PROのメリット
- 契約後は即日で現金化できる
- 他社で買取を断られた借地権も買取
- 他社と比較して高額買取も夢ではない
- 借地上の建物の瑕疵担保責任は負わない
- 借地上の建物の内見対応はしなくてOK
- 買取金額は最大5億円と資金が豊富
- 買取率は驚異の数字「100%」
さまざまな訳あり物件に携わっているため、買取のノウハウがたくさんあるのが特長です。
トラブルがある借地権でも交渉に強く、最優先で検討すべき業者といえるでしょう。
フリーダイヤルが用意されているので、まずは気軽に相談してみてください。
↓買取専用ダイヤル↓
0120-849-205
営業時間:10:00~20:00(水曜定休)
首都圏の借地権の査定に便利なのが「いえカツLIFE」
いえカツLIFEは、3つの売却方法ごとに売却価格・売却期間がわかる業者。
他の買取業者では提示されない具体的な売却期間を知れるのは便利です。
- 買取業者への売却
- 仲介業者による第三者への売却
- リースバック業者への売却
(リースバック…売却後も家賃を支払えば自宅に住める仕組み)
買取以外の査定結果も一度に知りたいという人は申し込んでみましょう。
借地権は仲介では売れにくいですが、参考価格として知ることができます。
ただし全国対応ではなく、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に限られるので要注意です。
いえカツLIFEで無料一括査定を申し込む※一度の申し込みで3つの売却査定額を比較できる!
関連記事いえカツLIFEについてもっと詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
②不動産スピード買取窓口
不動産スピード買取窓口も、訳あり物件に特化した買取業者。
全国800超の弁護士・税理士・司法書士と、ネットワークを形成しているのが強みです。
最短で48時間のスピード買取を公言しているので、売却を急いでいる人にはうってつけ。
また利用者の95%が、不動産スピード買取窓口との取引に満足しています(自社調べ)。
複数から見積もりをとりたいときに、候補先にして損はない業者といえるでしょう。
③ハウスドゥ!
ハウスドゥ!は全国に625の店舗数(2019年11月現在)を誇ります。
ネットワークが確立されており、各地の店舗間の連携が強いといえるでしょう。
「結構な田舎にある借地なんだけど、買い取ってもらえないんじゃないかな…」
というような不安を持っている人は、優先して検討してみてください。
また大手のネームバリューで安心したい人には、特におすすめしたい買取業者です。
④フレキシブル
フレキシブルは、即日回答・翌日決済(机上審査の場合)が最大のメリット。
売却までの手続きの圧倒的なスピードを前面に打ち出しています。
中小・大手を問わず仲介業者との取引も多いため、買取ノウハウも豊富です。
また過去10年間の買取実績は「100棟以上」。
管理戸数となると、3000戸以上も自社運用しています。
手続きの早さや確かな実績を重視したい人は、優先して検討してみましょう。
⑤ソクガイ.jp
ソクガイ.jpの大きな3つのメリットは以下の通り。
- 相場価格相当での買取
- 最短1日で査定見積もり
- 買取までの日数が3~20日
スピードは他社にやや劣りますが、買取価格に自信があるようです。
その秘訣はソクガイ.jpが「不動産コンサルティング会社」だから。
投資家を多数抱えているため、ポテンシャルがある物件をより高くさばけます。
相場価格(底地権も含めた価格)に近い価格になることも決して珍しくありません。
借地権を買取業者に高額で売却する5つのコツ
借地権を少しでも高く買い取ってもらうためのコツを5つご紹介します。
- 不動産一括査定を利用する
- 複数の買取業者に査定してもらう
- 借地権の更新時期の売却は避ける
- 譲渡承諾料を値引きしてもらう
- 専門仲介業者を利用する
「借地権でもなるべく高く売りたい!」と思う人は一読してみてください。
①不動産一括査定を利用する
不動産一括査定とは、一度の申し込みで複数社から査定してもらえるサービスのこと。
複数の査定価格をもらうことで、平均価格から価格相場がわかります。
価格相場をうまく活用して、損するラインを知れば結果的に高く売却できるはずです。
不動産一括査定の利用イメージ
- A社の査定価格:3,600万円
- B社の査定価格:3,950万円
- C社の査定価格:4,100万円
- D社の査定価格:3,750万円
- E社の査定価格:3,900万円
- F社の査定価格:3,800万円
→価格相場(平均価格)は3,850万円
ただし事前に借地権といわない限りは、一括査定でわかるのは通常物件としての価格相場。
この価格相場を借地権としての価額(相当の価格)に換算しなければいけません。
しかし借地権の価額は理論的にガッチリ決まった計算式がないのが痛いところ…。
そこで神奈川県宅地建物取引業協会の見解をもとに、以下のように計算してみましょう。
◎借地権の価額を求める計算式
【借地権価額の目安を出す計算式】
更地価格×借地権割合÷2+α
【更地価格が3,850万円で借地権割合が70%のケース】
3,850万円×0.7÷2=約1,347万円
→最低でも1,347万円で売れる可能性!?(あくまで目安)
上記例では「1,347万円以下では売らない」とライン決めておけば、売却で損はしません。
なお神奈川県の宅建業の見解では、更地価格は「路線価×地積÷0.8」とされています。
借地権割合や路線価は国税庁ホームページにある路線価図から調べられる。
上図の「380C」と数字・アルファベットで表されているのが路線価と借地権割合。
路線価は1㎡あたりの価額を表しているため、380=1㎡あたり38万円となる。
またアルファベットで借地権割合があらかじめ決まっていてCは70%。
(A=90%・B=80%・D=60%・E=50%・F=40%・G=30%)
仮に380Cで120㎡の土地だと1,995万円が売却価格の目安となる。
(380,000×120㎡÷0.8×0.7÷2=19,950,000)
不動産一括査定サービスを利用するなら「イエウール」へGO!
イエウールは日本国内の代表的な不動産一括査定サービス。
大手から地元密着まで、全国1600社の厳選された不動産会社が登録しています。
悪徳業者は排除される体制なので、安心して申し込み→査定ができるはずです。
またイエウールで査定結果を比較できるのは、最大6社の優良不動産会社。
【イエウールに登録する不動産会社の一例】
- みずほ不動産販売
- 三井住友トラスト不動産
- 住友林業ホームサービス
- 日本住宅流通株式会社
- 近鉄不動産
- 長谷工 リアルエステート
- 大成有楽不動産販売
精度が高い価格相場を知れるので、借地権を売却する際の有力な材料となるでしょう。
相談も出張査定も料金はかからないため、気軽に申し込んでみてください。
関連記事以下の記事では不動産一括査定やイエウールのメリットをさらに詳しく解説しています。
②複数の買取業者に査定してもらう
不動産を高く売りたいときは、相見積もりをとることが基本中の基本です。
(相見積もり…複数社から見積もりをとって価格やサービス内容を比較すること)
借地権の売却であっても、複数の買取業者に査定を受けるのが高額売却への道といえます。
たとえば3社から見積もりをとれば、そのうち一番高く査定した業者に売却すればOK。
少なくとも売却後に「もっと高く売れたのに…」と後悔することはなくなるはずです。
まず訳アリ買取PROへの査定依頼をマストにして、相見積もりの手続きをすすめます。
借地権の買取業者の相見積もりをとる流れ
- 訳アリ買取PROの査定を受ける
- その他の業者2社から査定を受ける
- 不安ならもう1社から査定を受ける
訳アリ買取PROは業界の中でも、高額買取を強みとする買取業者。
基本的は「他の業者が訳アリ買取PROより高い査定価格を出すか」を見るといいでしょう。
なお訳アリ買取PRO以外の業者は、紹介した5つの業者を優先的に候補に入れてください。
関連記事以下の記事では相見積もりのメリットや注意点についてさらに詳しく解説しています。
③借地権の更新時期の売却は避ける
借地権の更新では、地主に対して更新料を支払うことが一般的です。
(ただし借地権の更新料の支払い法的な義務ではない)
借地権を購入する立場になれば、購入してすぐに更新料の支払いがあるのはイヤですよね。
そのため更新が迫っている借地権は、価値が下がる傾向があるので把握しておきましょう。
あくまで目安ですが、借地権の更新料の相場は「更地価格×借地権割合×5%」。
先の「380C」で120㎡の土地で計算すると、借地権の更新料は199万5,000円です。
(380,000×120㎡÷0.8×0.7×0.05=1,995,000)
更新が近い借地権は、約200万円+αは値下がりする可能性が高いということになります。
更新間近で売却を急いでいないのならば、更新後の売却も検討してみてください。
関連記事借地権の更新料についてさらに詳しく知りたい人はチェックしてみましょう。
④譲渡承諾料を値引きしてもらう
譲渡承諾料(名義書換料)とは、地主から承諾をもらう代わりに支払うお金のこと。
借地権価格の10%が相場とされていますが、エリアによって差があります。
そこで譲渡承諾料を少しでも節約すれば、売却による利益は相対的に高くなるはずです。
特に通常よりも高めの譲渡承諾料を設定されているならば、交渉の余地あり。
譲渡承諾料ごとの交渉の切り口
- 「所有権価額の10%」に設定されている
→所有権価額を基礎とするのは一般的ではないと説得する - 「借地権価格の15%」に設定されている
→10%まで引き下げられないか説得する - 「田舎なのに借地権価格の10%」に設定されている
→10%は基本的に大都市圏に設定される数字だと説得する
無理をいっているわけではないこと、承諾しないと地主が損することも説明しましょう。
地主によっては価格交渉すること自体に腹を立てて、結果的に承諾もしなくなることも…。
借主としては裁判所に地主の代わりに承諾を求める「借地非訟」をすることになります。
⑤専門仲介業者を利用する
専門仲介業者は買取業者ではなく、あくまで売主と買主をつなぐ会社です。
「借地権は仲介ではなかなか売れないんじゃないの…?」
たしかに借地権は、仲介で売れる見込みはほとんどゼロといえるでしょう。
しかし専門的に借地権の売却を仲介する業者が存在するんですね。
専門仲介業者は借地権をより高く売却するために、売主を万全にサポートします。
具体的な専門仲介業者として「Century21中央プロパティー」を見てみてください。
◎Century21中央プロパティーに売却を仲介してもらう流れ
- 売主が中央プロパティーに仲介を依頼
- 中央プロパティーの不動産鑑定士が調査報告書を作成
- ポスティングシステムに借地権情報を登録
- 独自の投資家ネットワークで情報を限定配信
- セキュリティー強化された環境で会員(投資家)が入札
- 借地権の購入者が決定
- 中央プロパティーと買主の契約
中央プロパティーは業界で唯一の入札制度によって、価格競争→高額売却を実現。
売主の仲介手数料は無料なので、興味がある人は選択肢に入れてもいいかもしれません。
ただし専門仲介業者が有効なのは、投資のポテンシャルがある都市圏の土地の借地権。
実際に中央プロパティーも、対応エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉がメインです。
借地権の買取について7つのQ&A
Q1. 買取業者が借地権を買い取るメリットなんてあるの?
買取業者による購入した借地権の主な使いみちは以下の通り。
購入した借地権の使いみちの例
- 土地活用などを通して運用
- 地主から底地権も購入して完全所有権として高額で転売
いずれにせよある種の戦略的投資として、価値が低くても借地権を買い取るわけです。
「じゃあ借地権は買取価格が安いほど買取業者に都合がいいんじゃないの?」
その通りですが、安価でばかり購入する業者には誰も依頼しなくなるはずです。
特に高額買取を売りにしているのに、タダ同然の買い取りが続けば評判はガタ落ちに…。
先に紹介した買取業者5選には、客引きのために高額買取という業者はいません。
不安な人は業者のホームページで、実績や営業年数などを確認することをおすすめします。
Q2. 買取業者への売却でも税金は発生するの?
買取業者への売却は仲介手数料はかかりませんが、譲渡所得税(所得税+住民税)が発生。
しかし譲渡所得税がかかるのは、売却によって利益(不動産売却益)が出たときだけです。
不動産売却益は「売却価格-取得費-諸経費-特別控除」で計算できます。
所有期間によって変わる譲渡所得税の計算式は以下の通り。
譲渡所得税の計算式
- 所有期間5年超:不動産売却益×20.315%
- 所有期間5年以下:不動産売却益×39.63%
借地権の売却によってかかる譲渡所得税の例を確認してみましょう。
◎不動産売却益と所有期間ごとの譲渡所得税の例
【不動産の所有期間が「5年以下」】
- 不動産売却益が120万円
→譲渡所得税は47万5,560円
(1,200,000×0.3963=475,560) - 不動産売却益が350万円
→譲渡所得税は138万7,050円
(3,500,000×0.3963=1,387,050) - 不動産売却益が880万円
→譲渡所得税は348万7,440円
(8,800,000×0.3963=3,487,440) - 不動産売却益が1,400万円
→譲渡所得税は554万8,200円
(14,000,000×0.3963=5,548,200)
【不動産の所有期間が「5年超」】
- 不動産売却益が120万円
→譲渡所得税は24万3,780円
(1,200,000×0.20315=243,780) - 不動産売却益が350万円
→譲渡所得税は71万1,025円
(3,500,000×0.20315=711,025) - 不動産売却益が880万円
→譲渡所得税は178万7,720円
(8,800,000×0.20315=1,787,720) - 不動産売却益が1,400万円
→譲渡所得税は284万4,100円
(14,000,000×0.20315=2,844,100)
基本的に不動産売却益が高いほど、譲渡所得税は高くなっていきます。
ただし取得費を細かく出せば、借地権の売却で不動産売却益が出ることはありません。
関連記事以下の記事では不動産売却益や譲渡所得税について詳しく解説しています。
借地権の取得費(取得価額)にできるもの
借地権の取得費として計上できる費用は以下の通り。
- 借地契約のときに地主に支払った借地権の対価
- 借地契約のときに支払った手数料
- 借地を改良するための土盛りや埋め立てなどの整地費用
- 建て替えのために地主に支払った費用(建替承諾料)
- 建物取得時の建物価額の中の借地権の対価
※建物などの買入価額のおおむね10%以下のときは建物などの取得価額に含められる - 最初から解体目的のときの建物の取得価額と解体費用
費用を証明する書類は残っているか、きちんと確認してみましょう。
Q3. 借地権売買の前に建物は解体しなければいけないの?
借地権の売却前に建物を解体するかどうかは、状況によって異なります。
たとえば地主に売却するときに「更地にしてほしい」といわれれば解体が必要です。
それ以外は基本的に解体せずに、借地権付き建物として売却できるでしょう。
特に買取業者は室内残置物(家具など)があっても、そのまま買い取ってくれます。
なお旧法での借地契約の満了時には、地主に建物買取を請求可能です。
また新法での借地契約(定期借地権)の満了時には、更地返還しなければいけません。
関連記事以下の記事では家屋・建物の解体費用について詳しく解説しています。
Q4. 地主が買取も売却も反対してたらどうすればいいの?
「借地権は買い取らないが、売却の許可も出さない!」
あまりに関係が険悪の地主からは、理不尽な態度をとられるかもしれません。
借主は最終的な手段として、裁判所から地主に代わる許可をもらえます(借地非訟)。
◎借地非訟事件の手続き方法・流れ
<管轄>
借地の所在地を管轄する地方裁判所
(当事者の合意があれば簡易裁判所に申し立て可能)
<申立方法>
借主が申立書を管轄裁判所に提出
(代理人に依頼する場合は代理人は「弁護士」に限られる)
→申立て受けて書記官が受付票を交付
<申立書の添付書類>
・資格証明書(原本・借主と地主が法人の場合)
・委任状(弁護士に委任する場合)
・土地固定資産評価証明書(原本)
・建物固定資産評価証明書(原本)
・現場の住宅地図
・賃貸契約書など証拠資料となる書類
<申立費用>
目的物の価格に応じた申立手数料(収入印紙)
・目的物が500万円…申立手数料は1万2,000円
・目的物が1,000万円…申立手数料は2万円
・目的物が1,500万円…申立手数料は2万6,000円
・目的物が2,000万円…申立手数料は3万2,000円
・目的物が2,500万円…申立手数料は3万8,000円
<審理~終了の流れ>
- 審問期日
→裁判官が出頭した当事者(またはその代理人)から意見を聴取 - 提出書面の交換
→必要に応じて準備書面や証拠資料を提出 - 鑑定委員会制度
・裁判所が当事者の主張に対して鑑定委員会に意見を求める
・鑑定員会は裁判所に意見書を提出 - 鑑定委員会からの意見聴取後の審問期日
→鑑定委員会の意見書に対して意見がある場合は審問期日前に書面提出 - 和解の勧告
→最初の審問期日から終了までの間に適宜すすめる - 取り下げ or 和解 or 調停 or決定
・取り下げ…借主は地主の同意なしに申立を取り下げられる
・和解…書記官が和解内容を和解調書に記載して終了
・調停…申立の後でも調停によって解決を図れる
・決定…裁判官が決定書を作成して書記官が正本を当事者に送達
<決定の主文例>
4 土地の賃借権譲渡許可申立事件
① 申立人が,この裁判確定の日から3か月以内に,相手方に対し,○○円を支払うことを条件として,申立人が,〔本件土地〕についての賃借権を○○に譲渡することを許可する。
② 申立人と相手方との間の〔本件土地〕についての賃貸借契約の賃料を,前項の許可の効力が生じた日の属する月の翌月1日以降月額○○円に改定する。
借地非訟事件にかかる期間は、半年から1年はかかるのが一般的です。
決定に対して不服があるなら申し立てられる
借主・地主ともに、決定に納得できないなら改めて申し立てOKです(即時抗告)。
即時抗告のタイムリミットは「決定書の送達を受けた日から2週間以内」。
- 申立先:借地非訟をした地方裁判所
- 費用:収入印紙・連絡用の郵便切手
- 必要書類:抗告状1通・即時抗告の理由を証明する書類など
期間内に抗告状を提出すれば、決定の効果は保留となって高等裁判所で再審理されます。
Q5. 借地権を相続してすぐ買取業者に売却してもいいの?
相続した借地権は通常と同じように、地主の承諾さえとれれば売却できます。
地主の承諾をとる前にすべきことは「登記簿上の名義変更」。
(相続は譲渡ではないため名義書換料の支払いは不要だが売却するなら譲渡承諾料が必要)
基本的に借地権自体は登記されないため、名義変更するのは「建物」です。
名義変更なしでの借地権の売却は、トラブルに発展するのでよく覚えておきましょう。
なお借地権の相続自体に地主の承諾は不要ですが、遺贈であれば必要です。
(遺贈…遺言によって財産の全部または一部を無償でゆずり与えること)
- 被相続人と相続人全員の戸籍謄本
- 被相続人の戸籍の附票
- 相続人の住民票
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書
- 固定資産税証明書
- 委任状(司法書士に任せる場合)
借地権の相続税評価額の計算方法
借地権の相続税評価額は、先に紹介した路線価を使って計算可能です。
「140C」で200㎡の土地の借地権を相続したケースを想定してみましょう。
- 14万円×200㎡=2,800万円(自用地価額)
- 2,800万円×70%=1,960万円(相続税評価額)
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除アリ。
相続財産が借地権のみならば、相続税評価額が1,960万円なら相続税はかかりません。
そこで仮に基礎控除後の相続財産が1,960万円のケースで計算してみます。
1,960万円を以下の速算表に対応させると、相続税率の税率は15%だとわかりますよね。
取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | 0円 |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
「1,960万円×15%-50万円」となり、244万円が納付する相続税となります。
他の相続財産もある場合の相続税の計算方法などは、関連記事をご参照ください。
関連記事以下の記事では不動産の相続税についてさらに詳しく解説しています。
Q6. 借地権付きマンションも買取業者への売却がベストなの?
通常のマンション(所有権マンション)と定期借地権付きマンションの違いは以下の通り。
比較項目 | 定期借地権付き マンション | 所有権マンション |
---|---|---|
価格 | 所有権マンションの 7割~8割 | 定期借地権付き マンションよりは高い |
契約期間 | 50年以上 | なし |
固定資産税 都市計画税 | なし | あり |
土地代 | あり | なし |
解体金 | あり | なし |
土地の値上がり による売却効果 | なし | あり |
住宅ローン | 残存期間により 制限がある | 特に問題なし |
契約期間が決まっており、契約満了後は解体して更地返還しなければいけません。
そのため比較的安いというメリットがあっても、なかなか買い手がつきにくいです。
無理して仲介で売却しようとすると、いつまでも売れないという事態もあるんですね。
(所有権マンションを仲介で売却するケースでも契約まで4~7ヶ月かかる)
「安くなってもいい!早く処分したい!」という人は、買取業者への売却1択といえます。
先に紹介した「訳アリ買取PRO」ならば、売却にかかる時間は最短7日です。
なお定期借地権付きマンションも、売却には地主の承諾が必要なので注意しましょう。
関連記事以下の記事では定期借地権付きマンションの売却のポイントについて解説しています。
Q7. 逆に地主から底地権を買い取ることもできるの?
地主が持つ底地権(定期借地をする権利)はメリットばかりではありません。
- 借地権と同様に需要がなく売却しづらい
- 売却できたとしても価格は安くなる
- 担保にして融資を受けられないことが多い
- 地代が税金で消えてほとんど残らない場合がある
- 自分で利用したいと思ってもカンタンにできない
上記のような事情から、底地権を手放したがっている地主は決して少なくないです。
借主が底地権を買い取れば、完全所有権を手に入れられます。
つまり地代を支払わなくてよくなる上に、建て替えなど承諾なしに自由に利用OK。
ただし完全所有権を得られるので、買取価格は少々値が張ると思ってください。
あくまで目安ですが、借主による底地権の買取価格は「更地価格の50%」になります。
関連記事地主側の底地売却の事情について詳しく知りたい人は一読してみましょう。
借地権の売却先は「訳アリ買取PRO」を最優先に検討すべし!
借地権の買取業者について、本記事の中でも重要なことをまとめてみました。
【全国対応の借地権の買取業者】
- 訳アリ買取PRO
→メリットが多くマストで査定を受けるべき買取業者 - 不動産スピード買取窓口
→最短で48時間での買取を公言している買取業者 - ハウスドゥ!
→店舗数が多く大手の安心感を得たい人向けの買取業者 - フレキシブル
→机上審査の場合は即日回答・翌日決済を公言している買取業者 - ソクガイ.jp
→売却候補となる投資家を多数抱えている買取業者
【借地権を買取業者に高額で売却するためのコツ5つ】
- 不動産一括査定を利用する
→「更地価格×借地権割合÷2」で売却価格の目安がわかる - 複数の買取業者に査定してもらう
→高く評価してくれる業者を見つけられる可能性が高い - 借地権の更新時期の売却は避ける
→更新が近いと「更地価格×借地権割合×5%」分が減額される可能性が高い - 譲渡承諾料を値引きしてもらう
→相場より高ければ抑えることで売却での利益を上げられる - 専門仲介業者を利用する
→都市圏の借地権ならば利用検討の余地アリ
借地権は第三者にはまず売れないため、地主か買取業者が売却先となります。
地主に買い取る気がないのであれば、買取業者1択だと思ってください。
より高い価格で借地権を売却したいのであれば、買取業者のかしこい選択が大切です。
まず検討すべき買取業者は「訳アリ買取PRO」。
訳アリ買取PROだけでは不安な人は、他の買取業者の査定を受けてみるのも一手。
できるだけコツを駆使しながら、早く・高く・後悔なく借地権を売却しましょう。
訳アリ買取PROの強み
- 借地権買取の流れは最短7日
- 契約後は即日で現金が手に入る
- 他の買取業者で断られた借地権も売却できる
- 仲介による売却価格のような高額買取のチャンス
- 売却後に瑕疵担保責任は負わなくてOK
- 仲介による売却のように建物の内見の対応は必要ナシ
- フリーダイヤルで細やかな相談も対応可能
↓買取専用ダイヤル↓
0120-849-205
営業時間:10:00~20:00(水曜定休)
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