本記事では建物の解体や更地にする上で事前に知るべきことを徹底解説していきます。
記事前半部では解体費用の相場や、更地にする上でのメリット・デメリットから「本当に更地にすべきか」を切り込んでいきます。
また後半部では実際に建物の解体をする上での流れや届け出・注意事項をまとめたので、イメージを掴んでみてください。
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Contents
【更地費用まとめ】更地費用は建造物ごとに異なる
更地にする=建物の解体をするということで、費用は建造物の規模や構造により変わります。
また相場は立地によって異なり、都心部では高く郊外や田舎は安い傾向アリ。
一般的な解体費用の相場は建物の構造別に以下の通りです。
- 木造:2万5,000円〜4万円/坪
- 鉄骨:3万円〜5万円/坪
- RC(鉄筋コンクリート):3万円〜8万円/坪
上記はあくまでも目安で、建造物や所在地によって費用は大きく変わります。
建物別に詳しく掘り下げてみていきましょう。
関連記事家やマンション・アパートの解体費用については、下記のページで鬼詳しく解説しています。
一戸建て(一軒家)を更地にする費用相場
一戸建ての解体費用は2万5,000円~4万円/坪です。
日本の一軒家の多くは木造であるため、他の建造物とは違って解体費用を安く抑えられます。
ただし解体工事費用は坪数以外にも立地や土地の特殊性(狭小地など)によって変わるもの。
以下に所在地ごとの相場を紹介しているので、参考にしてみてください。
一戸建てを更地にした実例
【事例①】
費用:160万円(1坪あたり4.3万円)
構造:木造2階建て
面積:延べ床37坪
所在地:東京都
解体期間:8日
【事例②】
費用:134万円(1坪あたり3.7万円)
構造:木造2階建て
面積:36坪
所在地:大阪府
解体期間:8日
【事例③】
費用:120万円(1坪あたり3.5万円)
構造:木造2階建て
面積:34坪
所在地:京都府
解体期間:7日
【事例④】
費用:160万円(1坪あたり3.5万円)
構造:木造2階建て
面積:延べ床45.5坪
所在地:福岡県
解体期間:8日
アパート・マンション、ビルを更地にする費用相場
アパマン、ビルの解体費用は構造別に以下の通り。
1坪当たりの解体費用 | 2階建て | 3階建て |
---|---|---|
木造 | 3万円~4万円 | 6万円~8万円 |
鉄骨 | 3万5,000円~4万5,000円 | 6万5,000円~8万5,000円 |
RC | 4万円~5万円 | 8万円~10万円 |
プレハブ | 2万5,000円~3万5,000円 | 5万5,000円~7万5,000円 |
中でもマンションやビルの多くはRC構造のため、解体費用は1戸当たり200万円~1,000万円を超えるケースもあります。
1棟が50戸であれば解体費用は単純計算で1億円~5億円。
アパマンやビルの解体費用は付帯工事やアスベストの有無、特殊な構造かどうかで大きく変わるため、複数社から見積もりをもらいましょう。
実際に更地にした実例
【事例①】
費用:900万円(1坪あたり10.5万円)
構造:RC造4階建ビル
面積:86坪
所在地:東京都
解体期間:40日
【事例②】
費用:545万円(1坪あたり5.9万円)
構造:RC造3階建ビル
面積:93坪
所在地:大阪府
解体期間:28日
【事例③】
費用:550万円(1坪あたり6.1万円)
構造:鉄骨3階建アパート
面積:90坪
所在地:東京都
解体期間:30日
【事例④】
費用:360万円(1坪あたり4.8万円)
構造:鉄骨造3階建ビル
面積:75坪
所在地:大阪府
解体期間:21日
【事例⑤】
費用:91万円(1坪あたり3.25万円)
構造:プレハブ造1階建アパート
面積:28坪
所在地:東京都
解体期間:10日間
駐車場を更地にする費用相場
駐車場の解体費用は1,000円~3,000円/㎡ほど。
駐車場の場合、建物ではなくアスファルトを解体することになります。
アスファルトの厚さや立地により費用は異なりますが、高くても3,000円/㎡と考えるとよいでしょう。
駐車場を更地にした実例
【事例】
アスファルト舗装撤去
費用:9万円(1坪あたり6,000円)
面積:15坪
所在地:愛知県
山林を更地にする費用相場
山林の解体費用は2万円~3万円/㎡が相場です。
山林の場合は木々の伐採や土地を造成する必要があり、解体費用は高くつきます。
造成とは土地を利用するために土や木の移動・撤去をし、土地の形状を変えること。
また丘陵地のようなゆるやかな傾斜のある土地の解体費用は1万円/㎡ほどで、山林と比べると少しだけ安いです。
関連記事造成費用の相場について知っておきたい人は以下の記事もご参照ください。
山林を更地にした実例
【事例】
山林造成
費用:1,000万円(1坪あたり5.5万円)
面積:180坪
所在地:市街化区域内
田んぼを更地にする費用相場
田んぼの場合は土地を造成する必要があり、造成にかかる費用相場は以下の通りです。
- 田舎の場合→1坪当たり2~3万円
- 都心部の場合→1坪当たり3~4万円
田んぼは湿田で軟弱な土地のため地盤を改良する必要があります。
土地によっては地盤が崩れやすいところもあるため、業者の意見を聞くとよいでしょう。
田んぼを更地にした実例
【事例】
田んぼの造成
費用:186万円(1坪あたり2.7万円)
面積:約69坪
所在地:福島県
造成期間:8日
お墓を更地にする費用相場(墓じまい)
お墓の撤去と遺骨の移設のみの場合、10万円~30万円が相場。
墓石の処分費用は産業廃棄物処理場で、1トンあたり3,000円~5,000円が相場です。
またお布施代として1万円~3万円ほどかかります。
その他にも以下の費用が別途かかります。
- 離壇料…もともとお墓を管理していた寺院から離れる時にかかる費用:3~10万円
- 魂抜き・魂入れ費用…お骨を取り出す際、新しく納骨するときの供養にかかる費用:3万円ほど
- 手続き費用…複雑な行政手続き(※)を行政書士に代行依頼するときの費用:3~5万円
※受入証明書(永代供養許可証)の受け取りや改葬許可申請など。
お墓を更地にした実例
【事例】
墓じまい
費用:30万円(1㎡あたり7.5万円)
面積:4㎡
所在地:東京都
【知っておくと便利】更地費用を安く抑える方法
更地費用の負担を軽くするために有効な手段は下記4つ。
- 助成金を利用する
- 解体する時期は閑散期を狙う
- 処分できるものは自分で処理する
- 解体業者に直接依頼する
- 解体費を買い手と折半する
順を追ってみていきましょう。
①助成金を利用する
自治体ごとに異なりますが建物の解体に際し、補助を受けられます。
以下では東京都品川区の補助金・支援制度を紹介していきます。
老朽木造建築物の解体除却費用助成金(H.32まで)
老朽化した木造建築物の解体に際して補助金を交付する制度のこと。
具体的な内容は以下の通り。
■木造:床面積1平方メートルあたり最大26,000円(上限13,000,000円)
■鉄骨造:床面積1平方メートルあたり最大37,000円(上限18,500,000円)
固定資産税・都市計画税の減免制度
老朽化した建物を解体し更地にしたときや、建て替えを行った時の固定資産税・都市計画税を減額する制度。
具体的な内容は以下の通りです。
■更地にした場合
土地に対する固定資産税・都市計画税が5年間80%減額
※土地の適正管理が必要なため毎年6月30日までの手続きが必要
■住宅に建て替えた場合
家屋に対する固定資産税・都市計画税が5年間100%減額
※解体した家屋と新築家屋の所有者が同じで、新築家屋の居住部分が1/2以上必要等条件あり
※上記制度を受けられる建物の要件についての詳細(品川区都税事務所固定資産税班(03₋3774₋6677)
取り壊し・建て替えに関する無料相談
建て替えや権利移転に関する相談に弁護士や税理士を無料で派遣してもらえる制度。
申請者一人につき1年間に5回まで無料で利用できます。
■無料相談対象者
老朽木造建築物の解体除却費用の助成対象建築物のオーナーや、当該物件の土地所有者
■派遣可能な専門家
弁護士、税理士、一級建築士、不動産鑑定士、公認会計士、不動産コンサルタント、土地区画整理士、FP
②解体する時期は解体業者の閑散期をねらう
解体業界には繁忙期と閑散期があり、閑散期に解体を依頼すると解体費用が安くなります。
閑散期に解体業者に依頼をすることで、受注が足りない解体業者は値引きに応じてくれる可能性があるんですね。
国土交通省の滅失建築物調査(めっしつけんちくぶつちょうさ)によると、解体業者の閑散期は2~5月、11月~12月であることがわかります。
閑散期の2月と繁忙期の6月を比較すると以下の通り。
◆17年2月の滅失建築物
◆17年6月の滅失建築物
(参考:国土交通省 滅失建築物の調査報告 総括表)
赤枠で囲んだ合計の欄を見ると、閑散期と繁忙期では滅失建築物の数や床面積に大きな差があることがわかります。
実際の値引額は業者によって様々なので複数社への見積もりがオススメです。
③処理できるものは自分で処分する
建物内の家財の整理や処分をご自身で行えば、業者が行う不用品の処分代だけ解体費用を安く抑えることができます。
特に台所用品や紙、布製品は解体業者に依頼すると高額になるケースが多いので、家庭ごみとして処分しましょう。
また粗大ごみの処分は各自治体に連絡・回収をお願いできます。
ただし以下4つはリサイクル家電になるので粗大ごみとして処分できません。
- エアコン
- テレビ
- 洗濯機
- 冷蔵庫
上記の家電は家電リサイクル受付センターに電話し、回収をお願いするとよいでしょう。
(参考:家電リサイクル受付センター)
④解体業者に直接依頼する
解体業者に直接依頼することで、解体費用を10%ほど抑えることができます。
住宅施工会社に建物の解体や建て替えを依頼しても、実際の解体工事を行うのは別の解体業者。
施工会社と解体業者の間には協力業者がいることもあり、数珠つなぎで中間マージンという手数料が取られている仕組みになっています。
仮に坪当たりの解体費用が3万円、30坪分の建物を解体したとしましょう。
上記の合計費用は90万円ですが、2社の中間マージンを5%とすると解体費用は99万円。
解体業者に直接依頼しなかった場合、解体費用の中間マージン分増額していることが分かります。
⑤買い手と解体費用を折半する
建物が建っている状態で土地を売り出し、買い手との間で解体費用を折半すれば負担は大きく軽減できます。
折半の方向で持っていきたいときは「解体費用相談」と条件づきで、土地+建物を売りにだせばOK。
更地の状態よりも買い手はつきづらい可能性は高いですが、うまくいけば解体費用を1/2に抑えることができるワザです。
【本当に更地にすべき?】更地にするメリット・デメリットからレクチャー
結論から言うと更地を行うべきかは「次の活用が明確に決まっているか」が判断基準です。
土地を活用せずにただ更地を持っているだけではデメリットだらけ。
土地の売却や先の土地活用の青写真を描けていれば、更地にするデメリットは払拭できます。
建物を解体し、更地にするうえでのメリット・デメリットは以下の通り。
◆メリット
- 土地を売り出す場合、更地の方が買い手が付きやすい
◆デメリット
- 解体費用が掛かる
- 固定資産税負担が増える
なぜ次の土地活用のイメージを持たなければいけないのか、具体的に掘り下げていきます。
土地を売却したい人は更地で売りに出すといい
更地は用途を選ばない土地で買い手の注目を集めやすいため、高く売ることができます。
例えば商業施設やオフィス、マンションを建てたいといった多くの目的を叶える事ができるのがまっさらな土地の魅力。
また日本は外国とは違って、国土が狭いため土地自体に価値がおかれます。
このことから「建物+土地」よりも「土地だけ」の方が買い手の注目を集めやすいです。
一方で土地の上に建物が建っている場合は用途が限定的。
建物がほしい人の中でも、立地や広さ、室内などが買い手のニーズにマッチしていなければいけません。
土地の売却を考えている人は建物を解体し、更地で売りに出すとよいでしょう。
解体費用がかかることがイヤな人はやめるべき
土地の上に建物が建っている場合は解体工事を行う費用がかかっていまいます。
一軒家の場合、解体費用の一般的な相場は100~300万円ほど。
売却価格が2,000万円の土地の場合、解体費用に200万円かかったときの取り分を単純計算すると1,800万円。
解体費用をマイナスと捉えるか、買い手を見つけるための必要経費と捉えるかは人それぞれですが、解体費用がかかるのは紛れもない事実です。
解体費用を払うのが渋い場合はオススメできません。
売却や次の土地活用の青写真を描けていない人はやめるべき【固定資産税負担が増える】
住宅用地を更地にすることで固定資産税負担が年間3倍~6倍に跳ね上がる可能性があります。
固定資産税が増える理由は住宅用地の固定資産税を1/6~1/3に軽減できる小規模宅地の特例という制度。
小規模宅地の特例とは住宅用地の大きさによって固定資産税を軽減する制度。
・200㎡以下の部分は課税標準の1/6に軽減
・200㎡を超える部分は課税標準の1/3に軽減
更地にすることで該当地は住宅用地でなくなってしまうため、特例を使えなくなってしまいます。
次の土地活用が決まらず放置することや、買い手がつかないままだと固定資産税負担は増えるので気をつけましょう。
更地にするまでの流れや必要な届け出をマスターする
実際に建物を解体するときの流れ
建物を解体する流れを大きく分けると以下の通り。
- 解体業者を決定する
- 事前準備をする
- 建物の解体工事
- 解体工事後の作業
詳しく見ていきましょう。
①解体業者を決定する
解体業者を選ぶうえで重要なポイントは以下の2つ。
- 解体業者は数社比べた上でえらぶこと
- 電話での見積もり金額で判断せずに現地調査後に見積書をもらって、業者の対応を見て判断すること
解体工事をする建物や立地を実際に見ないと正確な見積もりを出すことはできません。
解体業者が実際に現場に来た時、主に以下の項目を確認します。
必要項目・建物の構造と状態、近隣環境や立地、搬入ルートの確認
・工事内容の確認、境界線の確認、地中物の確認、整地後の希望
現地調査をもとに解体業者に見積もりの提示をお願いします。
見積書には内訳が明確なものから、最低限の項目だけのものまであるため、後のトラブルを防げるように費用や説明を書面で記しておきましょう。
何社かの解体業者の見積もりや、費用の内訳、説明、業者の対応を考慮し、解体業者を決定します。
解体業者との契約は口頭ではなく必ず書面で行い、トラブルを避けるようにして下さい。
②事前準備を行う
解体業者が決まった後いきなり解体工事を行うのではなく、以下2つの事前準備を行う必要があります。
- 近隣へのご挨拶
- ライフラインの撤去依頼と申請
近隣へご挨拶する
解体工事は騒音や振動、埃で周辺に迷惑をかけるため、ご近所へあいさつ回りをするのがマナー。
挨拶回りは依頼主と解体業者で行います。
公示前に挨拶が来なかったり、作業員の態度が悪いとクレームが来ることもあるので気を付けましょう。
解体業者には「いつ挨拶にいくべきか」、「挨拶状は作成してもらえるのか」と質問しておくことで、業者の普段の行いをチェックすることができます。
ライフラインの撤去依頼と申請をする
解体工事の準備として、電気・水道・ガス・インターネット・有線の撤去や停止の手続きが必要です。
また解体工事を行う前には決められた申請を行わなければいけません。
解体工事をする上で必要な手続きや届け出の詳しい内容は後述しています。
③建物の解体工事が行われる
実際の解体工事の流れは大きく分けて以下3つ。
- 足場の設置
- 周辺物・建物の内部の撤去
- 建物本体の解体工事
足場の設置
解体工事は高所での作業のため、はじめに行われるのは足場の設置です。
足場の設置に際し、粉塵やほこりを防ぐための養生シートで建物を囲います。
質の高い業者を選ぶポイントとして、破れた養生を使う業者は避けて、古くても手入れのされた養生や社名がプリントされたものを使用する業者がよいでしょう。
周辺物・建物内部の撤去
解体工事には建物だけでなく、隣家との境界線上にあるブロック塀や庭木といった周辺物の撤去も含みます。
ここで注意しておきたいのは、ブロック塀の所有者を確認すること。
ブロック塀は昔に作られたものが多く、施工主の家庭だけでなく、隣家との共有物である可能性もあります。
もし確認を怠り、ブロック塀を壊してしまうとトラブルに発展する恐れがあります。
また解体工事では法律で撤去するものを分別し、解体することが義務です。
建物本体を解体する前に瓦の撤去や石膏ボード、土壁などの解体と室内の不用品の撤去を行います。
建物本体の解体工事
建物の解体は重機を使用して行います。
建物の状態や立地によっては手壊しという手作業で行うこともアリ。
建物本体の解体工事では埃が舞いやすいため、水を使用して作業を行います。
④解体工事後の作業
建物の取り壊し後、法律に基づいて廃材を処理、整地することで解体工事は終了します。
廃材の分別
解体工事で出た木材やコンクリートを分別し、処分場に搬出・廃棄します。
このときマニフェスト制度という産業廃棄物がしっかり処理されているかの流れを確認できる制度を利用しましょう。
解体業者はマニフェスト制度に沿って、産廃物の処理が適切に行われたかの書類(=マニフェスト表)を作成します。
事前に解体業者にマニフェスト表の交付ができるか確認してください。
地中物の確認と整地
解体工事を終えた後に地中に廃材が残っていないか、コンクリートが埋まっていないか確認します。
確認後、地面を平らにならせば解体工事は終わりです。
解体工事後の土地の出来栄えによって土地の価値が変わります。
解体工事後の土地の用途を伝え、キレイに整地してくれる業者選びをしましょう。
建物を解体するうえで必要な手続き・届け出
解体工事を行う前には主に以下3つの申請・手続きが必要です。
- 建設リサイクル法の申請
- ライフラインの停止手続き
- 道路使用許可申請
また解体工事後には「建物滅失登記(たてものめっしつとうき)」という届け出を行わなければなりません。
申請には依頼主が行うものと、解体業者が行うものの2通りあります。
申請を行わないと解体工事に影響が出るほか、法律で罰せられる可能性もあるため、必ず行ってください。
詳しく掘り下げていきましょう。
①建設リサイクル法の申請【解体工事の依頼主がする申請】
建設リサイクル法とは建築物に使用している建材を円滑にリサイクルするための法律。
解体工事を行う7日前までに都道府県知事に工事内容等を記載した書類を提出しなければなりません。
建設リサイクル法の対象となる建物は以下2つを満たしたもの。
- 特定建設資材(コンクリート、アスファルト・コンクリート、木材)を用いた建物
- 床面積の合計が80㎡以上
またコンクリートやブロック等による工作物でも、請負代金が500万円以上の場合は建設リサイクル法の対象です。
(参考:環境省 建設リサイクル法の概要)
②ライフラインの停止【解体工事の依頼主がする申請】
電気、ガス、水道、インターネットや有線などのライフラインの撤去や停止手続きを行います。
ご自身が契約するライフラインの管轄会社に解体工事の旨を伝え、手続きを行ってください。
ライフラインの停止は工事の行われる7日前までに行うと良いでしょう。
③道路使用許可の申請【解体業者が行う申請】
道路を通行以外の目的(作業用車や資材用の車を置いての作業)で使用するときは、道路使用許可申請が必要です。
解体工事では重機の仕様や資材の搬入があるため、道交法に基づいて「道路使用許可」を警察署長へ届け出ます。
道路使用許可が出ずに工事を行うと、解体工事が一時中止となるケースがあるため注意しましょう。
(参考:警視庁 道路使用許可)
【建物解体後】建物滅失登記(たてものめっしつとうき)を行う
建物滅失登記とは建物がなくなったことを法務局の登記簿に記す手続きのこと。
建物滅失登記には以下3つの書類が必要なので、解体業者から必ず受け取るようにしましょう。
- 取り壊し証明書
- 解体業者の会社登記事項証明書
- 解体業者の印鑑証明書
また解体工事後、建物滅失登記は1ヶ月以内に行わなければなりません。
届け出を行わなかった場合、当該地の売却ができなかったり、固定資産税の課税や10万円の過料に罰せられる可能性があります。
建物滅失登記はご自身でも行えますが、土地家屋調査士へ依頼するのが一般的です。
専門家に依頼した場合は5万円ほどかかりますが、節約したい場合は自身で手続きするのがよいでしょう。
申請や申請書の作成は不動産の所在地を管轄する法務局によって異なるため、管轄先に問い合わせてください。
(参考:法務局 管轄のご案内)
【Q&A】更地にする際の注意点
Q1 そもそも更地とは?整地との違いがよくわからない
更地とは建造物がなく、宅地として使える使用用途が制限されていない土地のこと。
建造物が無いとしても、借地権のように用途が制限されている土地の場合は更地とは言いません。
また更地と整地は異なります。
整地とは建造物を解体した土地に転圧作業を行い、平らにした土地のことです。
- 更地…建造物さえなければ凸凹があってもよい
- 整地…建造物もなければ土地の起伏もないまっさらな土地
解体業者に頼むときは「土地をどこまで仕上げてくれるのか」聞いておくとよいでしょう。
売却以外にも先の土地活用に合わせて対応してくれます。
Q2 届け出や申請を怠ると罰則はあるのか?
建物解体時の申請や届け出を行わなかった場合、モノによっては罰則があるため注意が必要です。
例えば前述の建設リサイクル法の届け出を怠ると、項目1つあたりの最大50万円の罰金が課されます。
(参考:東京都都市整備局 建設リサイクル法:建設リサイクル法に違反した場合の罰則)
解体工事で出た廃棄物は種類と処分方法ごとに分別しなければいけません。
廃棄物を適切に処理せずに不法投棄を行う悪質な業者もいるため、業者が建設リサイクル法を遵守しているか見極めましょう。
Q3 家の建て替えを行う際の注意点はあるか?
建て替えを行う土地が市街化調整区域内、または再建築不可物件の場合は注意が必要です。
市街化調整区域とはかんたんに言うと農地や森林を守り、人が住むのに適した街づくりを行わないエリアのこと。
市街化調整区域内か調べるには該当地が属するエリアの自治体に問い合わせれば簡単にわかります。
市街化調整区域内では建物の規模や建築が制限されます。
ただし自治体によっては条例で開発を認めている地域もあるため、建て替えたいエリアの自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
また再建築不可物件とは現在ある建物を壊して、新たに建築ができない物件のことです。
再建築不可物件には以下2種類あります。
- 既存不適格物件…建設当時は法的に問題なくても後の法改正で不適格となってしまった建物(現在建っている建物は問題ナシ)
- 未接道の土地(接道義務を果たさない土地)…道路幅(幅員)が4m未満の道路に接する土地
既存不適格物件の建て替えや増築の際は現在の法に適合させれば問題ないです。
一方で未接道の土地は敷地のセットバックを行うことで建て替えができます。
セットバックとは建築物を後退させ、幅員を4m以上確保すること。
例えば幅員4m未満の道路の中心線から、2m建物を建てずにしておけば幅員を4m以上確保できます。
Q4 更地売却時で注意すべきことは?
現状建物がある土地を「更地引き渡し」として買い手と契約を行ったときは注意が必要。
引渡日までに解体工事が終わらない場合、契約不履行として違約金や損害賠償金を請求される可能性があるためです。
契約時点では「○月✕日までに建物の解体・引き渡し」の旨を記して契約をしますが、予期せぬトラブルで工事の延長が起きうることもあります。
通常の工事期間は4~14日ほどかかりますが、悪天候や天災などの予期せぬ事態を考慮し、余裕をもって期限を設定しましょう。
Q5 解体工事をキャンセルしたいが、契約後の解約はできる?
理由にもよりますが、基本的にキャンセルできます。
例えば業者側の不手際であれば民法第543条に則り、妥当と判断されれば契約解除が認められるでしょう。
(参考:e-Gov 民法)
ただし依頼主側の一方的な理由で契約解除を行う場合、すでに着工済みのときは違約金を払うことになります。
着工に入ると業者は経費を投じているため、費用を負担しなければいけません。
費用は解体費用の20%以内で請求されます。
また費用とは別に業者は損害賠償を請求する権利を持っているため、損害賠償請求される可能性も0ではないです。
基本的にキャンセルの連絡は着工の1ヶ月以上前から業者に伝えましょう。
【更地にする前に】事前準備や届け出をマスターしましょう
建物の解体・更地は業者を選別し慎重に行うことが重要です。
特に以下の項目をよく吟味してから「更地にするかしないか」決めるとよいでしょう。
- 更地にするメリット・デメリットを把握する
- 更地にした後のイメージを入念に練る
- 建物の構造や解体費用の相場を知る
- 解体費用を安く抑えられるように対策する
- 建物を解体する上での注意事項や届け出をマスターする
特に②の更地後のイメージを練らずに更地にすると固定資産税負担が増え、土地を手放してしまうこともあり得ます。
また⑤の届け出を怠ると、過料・罰則を受けることになるでしょう。
「こんなはずじゃなかった…」と後悔する前に、よく考えてから更地にするようにしましょう。
解体業者を自力でイチから探すのは少なくない労力がかかります。
「解体工事のナコウド」に申し込んで、一括で見積もりももらいましょう。
最大4社から見積もりを出してもらって、解体費用の相場観をつかんでください。
- A社の見積もり価格:180万円
- B社の見積もり価格:166万円
- C社の見積もり価格:151万円
- D社の見積もり価格:172万円
上記のような結果であれば、C社から優先的に話を聞きたいですよね。
1社ずつ問い合わせしていた場合にムダにした時間も、有効に使えるはずです、
申し込みはアンケートに回答して、連絡先(電話・メール)を入力するだけ。
少しの手間(申し込み)で、結果的に何万円・何十万円もおトクになりましょう。
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