「農地を他の目的で使用するためにはどうしたらいい?」
「自分が所有している農地は転用することができる?」
「農地の転用って具体的に何をしていいのかわからない…」
本記事では農地転用について以下をメインに解説します。
- 農地転用についての基礎知識
- 農地転用にかかる費用
- 農地転用の流れ・かかる期間
- 農地転用に関するQ&A
農地を転用するといっても、まず何をすべきかわからない人は多いです。
制度や手続きが複雑なので何も知らないままでは、農地転用はスムーズにすすみません。
本記事を参考にして、最後まで滞りなく農地転用をすすめてください。
農地転用とは土地の目的を変えること
そもそも農地とは、お米や農作物を育てるための土地のこと。
農地は以下のように区分けされています。
農地区分 | 説明 | 転用の是非 |
---|---|---|
農用地区域 | ・農業振興地域の整備計画により 定められた範囲にある農地 | 原則不可 |
甲種農地 | ・土地改良事業等から 8年経過していない農地 ・10ha以上の集団農地で 高性能農業機械での営農に適する農地 | 原則不可 |
第一種農地 | ・10ha以上の集団農地内にある農地 ・土地改良事業等の 施行区域内にある農地 ・基準的な生産性を超える農地 | 原則不可 |
第二種農地 | ・鉄道の駅、官公庁、バスターミナル等から おおむね500m以内の農地 ・用途地域から500m以内にあり かつ「10ha以上の集団的農地」 から外れている農地 ・1種農地にも3種農地にも 該当しない農地 | 審査次第 |
第三種農地 | ・上下水道又はガス管のうち2種類以上が 前面道路まで埋設されており かつ500m以内に2つ以上の教育、医療、 その他公共施設がある農地 ・鉄道の駅、官公庁、インターチェンジ等から 300m以内の農地 ・街区の面積に占める 宅地化率40%以上の区画にある農地 ・用途地域内にある農地 | 可能 |
農地転用とは、農地から宅地や駐車場などへ土地の目的を変えること。
基本的に転用ができる農地は、第二種農地と第三種農地の2種類です。
第二種農地は、完全に農地としての機能が失われているわけではありません。
そのため周辺の土地が転用できない場合には、転用できるようになっているんですね。
第三種農地は、市街地化が著しい区域にあるため原則的に転用が許可されています。
その他の農地は例外的に許可を得られる場合もありますが、ハードルはグンと高いです。
農地転用の制限・パターン
農地が市街化調整区域にあれば、農業委員会から農地転用の許可を得る必要があります。
(農業委員会…農地に関する事務を行うために自治体に設置された機関)
POINT市街化調整区域とは?農業や漁業に必要な建物以外の建築などを原則禁止しているエリア。
農業や漁業の収穫量などに影響が出ないように保護する目的がある。
すでに市街地・10年以内の市街化を目指している「市街化区域」とは区別される。
農地が市街化調整区域かどうかは、自治体の都市計画課などに問い合わせればわかる。
なお市街化区域・市街化調整区域どちらでもない「非線引き区域」も許可申請が必要。
市街化調整区域の農地は、以下の「一般基準」を満たした場合に転用OK。
- 許可申請の内容が実現可能
(転用に必要な資金などが十分か判断される) - 被害防除措置が取れる
(周辺環境への支障がないか判断される)
市街化区域内の農地は、事前に届け出れば許可申請は必要ありません。
また許可申請・届出には農地法第4条によるものと、農地法第5条によるものがあります。
(第4条…権利移動をともなわない農地転用・第5条…権利移動をともなう農地転用)
以上の事情をまとめると、農地転用は大きくわけて4パターンです。
農地転用4パターン
- 農地法「第4条許可申請」
→「市街化調整区域」で「所有者が農地転用」するケース - 農地法「第5条許可申請」
→「市街化調整区域」で「所有者から第三者が権利取得して農地転用」するケース - 農地法「第4条届出」
→「市街化区域」で「所有者が農地転用」するケース - 農地法「第5条届出」
→「市街化区域」で「所有者から第三者が権利取得して農地転用」するケース
なお農地法第4条による許可申請・届出は、転用者が申請人。
第5条による許可申請・届出は、当事者(売主+買主などで連署)が申請人となります。
- 農地法第4条による農地転用
→Aさんの所有地でAさん名義の一軒家を建築する場合など - 農地法第5条による農地転用
→Aさんの所有地を宅地化してBさんに売却する場合など
POINT関連記事市街化調整区域の農地を所有している人は以下の記事も参考にしてみてください。
違反転用者への罰則
許可申請をせずに転用などをすると、罰則を受ける可能性があります。
◎罰則になる条件と罰則について
【罰則の対象になる条件】
- 許可を受けずに農地を転用すること
- 許可を受けずに農地を転用するために権利の設定や移転をすること
- 転用許可の条件に違反していること
- 違反転用者からその違反に関わる工事の依頼を請け負うこと
- 虚偽の申請で転用の許可を得ること
【罰則の詳細】
- 3年以下の懲役
- または300万円以下の罰金
※法人の場合は1億円
自治体の農業委員会では、少なくとも年一回は農地パトロールを実施します。
違反転用は見つかるようになっているので、よく覚えておいてください。
農地転用にかかる費用
農地転用には具体的に以下のような費用がかかります。
- 許可申請や届出に必要な書類の取得費用
- 手続きなどを依頼した際にかかる費用
- 宅地造成する場合の費用
それぞれしっかりと把握して、必要な場合は事前にお金を準備しておきましょう。
①許可申請や届出に必要な書類の取得費用
許可の申請や届出を提出する際は、さまざまな添付書類を合わせて提出します。
取得が必要な書類の例
- 登記事項証明書
・交付手数料:600円、オンライン手数料500円
・取得できる場所:法務局 - 公図
・交付手数料:600円、オンライン手数料500円
・取得できる場所:法務局、登記所 - 土地の位置を示す地図
・請求手数料:400円
取得できる場所:セブンイレブンのマルチコピー機※
※その場で印刷することが可能です(詳しくはコチラ) - 残高証明や融資証明書
・発行手数料:700円~1万円程度
・取得できる場所:所有口座の銀行窓口 - 意見書
・交付手数料:500円から1,000円程度
・取得できる場所:所有地の自治体(市役所など)
必要書類は自治体や状況によって異なることがあります。
そのためあくまで目安になりますが、合計で1万円程度と把握しておいてください。
②手続きなどを依頼した際にかかる費用
農地転用には、以下のような手続きが必要になります。
- 農地転用の許可申請
- 農地転用の届出
- 地目変更手続き※
(※土地の目的を農地から変更したことを法務局に申請する登記手続き)
①②は「行政書士」、③は「土地家屋調査士」に依頼するようにしてください。
◎行政書士への依頼費用
【A社の利用料金】
- 農地法第4条許可申請…66,000円〜
- 農地法第5条許可申請…99,000円~
- 農地法第4条届出…44,000円~
- 農地法第5条届出…44,000円~
【B社の利用料金】
- 農地法第4条許可申請…75,000円+実費5,000円程度
- 農地法第5条許可申請…75,000円+実費5,000円程度
- 農地法第4条届出…60,000円+実費5,000円程度
- 農地法第5条届出…60,000円+実費5,000円程度
【C社の利用料金】
- 農地法第4条許可申請…120,000円〜
- 農地法第5条許可申請…120,000円~
- 農地法第4条届出…50,000円~
- 農地法第5条届出…50,000円~
◎土地家屋調査士への依頼費用
【A社の利用料金】
・地目変更登記…45,000円〜
(官公署での調査義務や図面および登記申請作業まで含む)
【B社の利用料金】
・地目変更登記…40,000円~
【C社の利用料金】
・地目変更登記…42,000円〜
※地目変更登記の料金は固定資産税評価額や事案の特殊性によって異なる
すべてを依頼した場合は、10万円~17万円の費用が必要になります。
③宅地造成する場合の費用
宅地造成とは、宅地でない土地を宅地に変えること。
田んぼや畑だった土地の上に、そのまま家は建てられませんよね。
農地転用の場合は、農地から宅地に変えるケースが多いです。
宅地造成の費用は、都道府県によって一定の金額が定められています。
(参考:東京都の宅地造成費用)
工事費目 | 造成区分 | 東京都 | 愛知県 | 大阪府 | 福岡県 |
---|---|---|---|---|---|
整地費 | 整地を必要とする 面積1㎡あたり | 700円 | 600円 | 600円 | 600円 |
伐採・抜根費 | 伐採・抜根を必要とする 面積1㎡あたり | 900円 | 900円 | 900円 | 900円 |
地盤改良費 | 地盤改良を必要とする 面積1㎡あたり | 1,700円 | 1,700円 | 1,700円 | 1,700円 |
土盛費 | 他から土砂を搬入して 土盛りを必要とする 場合の土盛り 体積1㎥あたり | 6,200円 | 6,300円 | 6,000円 | 6,000円 |
土止費 | 土留めを必要とする場合の 擁壁の面積1㎡あたり | 64,900円 | 66,900円 | 64,900円 | 50,600円 |
土地の状態によっては費用が高騰するので、把握しておいてください。
- 整地費用…700円×100㎡=7万円
- 伐採・伐根費用…なし
- 地盤改良費用…1,700円×100㎡=17万円
- 土盛費用…6,200円×100㎥=62万円
→合計86万円
農地転用の流れ・かかる期間【3ステップで解説】
大まかな農地転用の流れは以下の通り。
- 許可申請・届出
- 宅地造成
- 地目変更登記
すべての工程が終了するまでには、最低でも1ヶ月以上かかると思ってください。
土地の場所や状態によって、半年以上かかることもあるので覚えておきましょう。
まずは行政書士に農地転用の許可申請・届出を依頼することになる。
ただし行政書士は個々によって得意分野が異なる。
たとえば離婚専門の行政書士※に、農地転用を相談しても意味がない。
(※行政書士は相手方と交渉はできないが離婚協議書の作成はできる)
そのためホームページなどで、依頼したいことができるかの事前確認は必須。
【STEP①】許可申請
【書類取得から許可や届出の申請にかかる期間】
・書類取得…1週間程度
・許可申請…1週間から2週間程度
・届出申請…1週間から2週間程度
書類取得から許可申請は長くても、5週間あれば完了するはずです。
代行を依頼した行政書士が用意・提出する書類の例は以下の通り。
◎農地転用の許可申請における必要書類
- 4条 or 5条に基づく許可申請書
- 登記事項証明書および定款または寄附行為の写し(申請者が法人の場合)
- 土地の地番を表示する図面(公図など)および土地の登記事項証明書
- 土地の位置および付近の状況を表示する図面
- 建物または施設の面積・位置および距離を表示する図面
- 事業のために必要な資力および信用があることを証明する書類
- 転用の妨げとなる権利を有する者の同意書
- 土地改良区の意見書(申請にかかる農地が土地改良地区内にある場合)
- その他参考となる書類(事業計画書など)
- 委任状(代理人がいる場合)
参照:農林水産省
許可申請書+添付書類を行政書士が農業委員会に提出します。
農業委員会は意見を付して「都道府県知事等」に送付。
(30a超の農地は都道府県農業委員会ネットワーク機構の意見も聴取して送付)
その後に都道府県知事等※が申請者に許可を通知するという流れです。
(※都道府県知事の他に農林水産大臣がしている市町村の長)
なお「4ha=40,000㎡」超の農地転用では、農林水産大臣との協議が必要になります。
市街化調整区域の農地転用は届出のみ
述べてきた通り、市街化調整区域に該当しない場合は届出だけでOK。
許可申請と同じく、行政書士に依頼すれば書類の用意から手続きまで代行可能です。
届出では以下のような書類を提出します。
◎農地転用の届出における必要書類
- 農地法第4条 or 5条の規定による農地転用届出書
- 案内図(住宅地図の写しなど)
- 公図の写し
- 真正な権利者であることを証する書面
- 全部事項証明書(土地登記簿謄本)
※3ヶ月以内のもの - 委任状(代理人がいる場合)
申請者が農業委員会に提出すると、農業委員会が申請者に受理通知を出すという流れです。
【STEP②】宅地造成
工事自体は1週間で済む場合もある
(ただし計画・準備などに時間がかかることがある)
宅地造成の大まかな流れは以下の通り。
◎宅地造成の流れ11ステップ
- 事前の調査
- 計画の立案
- 概算見積書の提出
- 具体的なプランの提案
- 見積書の提出
- 各種申請・許可
- 工事請負契約の締結
- 着工・施工
- 検査
- 竣工・引き渡し
- アフターサービス
造成自体にかかる期間の目安として、500㎡の土地でも1週間で済むケースもあります。
ただし工事に入るまでに時間がかかることがあるので、把握しておいてください。
不安な人は工事業者にあらかじめ、どのくらい時間がかかるのか聞いておきましょう。
優良な宅地造成の業者と出会いたいなら比較サービスを利用する
宅地造成する業者は、自分で見つけなければいけません。
「造成費用を少しでも抑えたい!」
「品質が高い優秀な業者と出会いたい!」
上記のような人は、造成業者の比較サービスで相見積もりをとりましょう。
利用すればピックアップされた3社が、現地まで行って見積もりを出してくれます。
解体業者を紹介するサービスですが、宅地造成ができる業者を紹介してもらえるんですね。
また相談・現地調査・見積もりなどの料金は完全無料なので、安心して依頼してください。
POINT関連記事以下の記事では宅地造成の費用や業者の比較サービスについて詳しく解説しています。
【STEP③】地目変更登記
土地家屋調査士に依頼すれば1~2週間で完了する
(地目の変更後1ヶ月以内に登記を済まさなければいけない)
土地家屋調査士が地目変更手続きをする流れは以下の通り。
◎地目変更登記の流れ
- 法務局調査
- 現地調査
- 申請書と添付書類の作成
- 法務局への申請
- 地目変更登記完了
土地家屋調査士は書類なども用意してくれるので、依頼者の手間はほとんどありません。
注意点としては、地目の変更後1ヶ月以内に登記を済まさなければいけないこと。
自分でする場合・依頼する場合どちらであっても、早めに行動するようにしましょう。
農地転用について7つのQ&A
Q1. 農地から宅地に変える場合に気を付けることってあるの?
固定資産税は1月1日時点の固定資産によって決まります。
そのため転用時期が12月か翌1月かで、固定資産税の金額が変わるので要注意です。
転用時期によって固定資産税が変わる
- 12月に農地から宅地に転用
→翌年の固定資産税は宅地として課税される - 翌年の1月に農地から宅地に転用
→その年の固定資産税は農地として課税される
農地に比べると宅地の固定資産税はかなり高額になります。
◎同じ100㎡でも「農地」と「宅地」で変わる固定資産税
【農地の固定資産税の例】
<計算式>
①農地面積×本年度単価×限界収益修正率×税率
②前年度の課税標準額×負担調整率×税率
→上記のうち金額が小さいほうが課税額となる
<計算例>
①100㎡(農地面積)×本年度単価(本年度単価)×0.55(限界収益修正率)×1.4%(税率)=770円
②4万9,500円(前年度の課税標準額)×1.025(負担調整率)×1.4%(税率)=710円
→固定資産税は0円(1,000円未満は切り捨てのため)
【宅地の固定資産税の例】
<計算式>
固定資産税評価額×税率
<計算例>
20万円/㎡×100㎡(固定資産税評価額)×1.4%(税率)=28万円
→固定資産税は28万円
上記のように農地と宅地では、固定資産税額に大きな差があることがわかりますよね。
農地転用を検討している人は、転用時期も考えた上で手続きを始めるようにしてください。
関連記事以下の記事では固定資産税についてまとめているので参考にしてみましょう。
Q2. 農地転用の許可申請はいつでもできるの?
農地転用の許可申請先となる農業委員会は、受付期間が限られています。
参考として千葉県千葉市の例を見てみましょう。
画像:千葉県千葉市ホームページ「申請受付期間および農業委員会総会予定」
受付期間に間に合わないと、必然的に転用まで時間がかかるので把握しておいてください。
また受付期間・締切日は、各自治体の農業委員会によって異なるので要注意。
農業委員会に電話などで問い合わせれば、締切日はすぐに確認できます。
Q3. 一時的な農地転用の際にも許可申請は必要なの?
一時転用とは、農地を一時的に農地以外の目的として使うこと。
「一時」なので、原則3年以内に元通りの状態に復元しなければいけません。
以下のような一時転用のケースでも、通常と同様の許可申請が必要になります。
- 建築現場の周辺に資材置場を設置するとき
- イベントなどの会場付近に臨時駐車場を設置するとき
- 地質調査などを行うとき
- 砂利などの採取を行うとき
許可を受けず一時転用した場合(違反転用)は、罰則があるので覚えておきましょう。
Q4. 転用した土地は農地に戻せるの?
結論からいうと、転用した土地を農地に戻すことは可能です。
宅地を農地にするにあたっては、法律的な制限はないので許可申請などは不要。
ただし土地の目的を変えているので、先述した地目変更登記が必要になります。
また農地へ戻す理由として多いのは、固定資産税を減額すること。
しかし登記を済ませないと減額することはできないので、注意しましょう。
いきなり農地に戻そうとはせずに、農業委員会に事前に相談してみてください。
Q5. 農地を転用できない場合はどうしたらいいの?
所有する農地が転用できなくても、以下のような道があります。
- 他の農家に売却する
- 他の農家に貸し出す
この先も自ら農業をしないとわかっているならば、売却を検討してみましょう。
注意点としては、事前に農地法第3条※に基づいた売却の許可を得る必要があること。
(※農地の権利を移転する際には農業委員会の許可が必要なことなどが定められている)
売却を検討する人は、まずは第3条による許可申請を忘れないでください。
また農地を貸し出したいときに、利用をおすすめしたいのが農地バンク。
農地バンクに登録すると、農地バンクが農地の借り手を探してくれます。
ただし農地を賃貸する場合も売却同様、農地法第3条による許可申請が必要です。
POINT関連記事農地の売却・賃貸をより詳しく解説しているので参考にしてみましょう。
Q6. 農地転用って年間どんな感じで実施されてるの?
農林水産省が公表している最新データ(2016年)を確認してみましょう。
◎2016年(平成28年)の農地転用について
<許可権者ごとの農地転用の件数・面積>
- 都道府県知事許可
→件数:75,275件・合計面積:7,596ha
※国との協議あり(2ha超4ha以下)は73件・335ha - 指定市町村長許可
→件数:1,391件・合計面積:132ha - 大臣許可
→件数:11件・合計面積:69ha
<形態ごとの農地転用の件数・面積>
- 「農地法第4条許可申請」による農地転用
→件数:13.345件・合計面積:1,135ha - 「農地法第4条届出」による農地転用
→件数:18,141件・合計面積:1,014ha - 「農地法第5条許可申請」による農地転用
→件数:63,332件・合計面積:6,662ha - 「農地法第5条届出」による農地転用
→件数:51,832件・合計面積:2,755ha
<主体ごとの農地転用の面積・割合>
- 国…255ha(1.5%)
- 地方公共団体…1,159ha(7.0%)
- 農協…73ha(0.4%)
- その他の法人…5,968ha(36.2%)
- 農家…3,597ha(21.8%)
- 農家以外の個人…5,392ha(32.7%)
- その他…27ha(0.2%)
参照:農林水産省
農地転用の許可を出すのは、都道府県知事であることがほとんど。
第4条による農地転用よりも、第5条による農地転用の件数を大きく上回っています。
また転用された農地の半分以上は、農家や農家以外の個人からの農地です。
Q7. 太陽光発電をしたいときは農地転用する必要があるの?
農地での太陽光発電には、大きくわけて2種類あります。
- 農地転用型…宅地に転用した後で太陽光発電をする
- 営農型…農業を続けながら太陽光発電をする
農地転用型では、これまでと同様に許可申請や届出が必要です。
また営農型でも一時転用の許可申請をしなければいけません。
(一時転用の期間は通常「3年以内」だが条件を満たせば「10年以内」に延長OK)
いずれにせよ太陽光発電についての制度は、これから大きく変わる可能性があります。
より多くの情報を集めて、本当に始めるメリットがあるのかよく検討しましょう。
関連記事太陽光発電を始めたい人は参考として以下の記事もチェックしてみてください。
農地転用について解説してきたことをおさらいしてみましょう。
お米や農作物を育てる土地
農地を宅地などに変えること
【農地転用の種類】
- 農地法第4条による許可申請
→「市街化調整区域」で「所有者が農地転用」 - 農地法第5条による許可申請
→「市街化調整区域」で「所有者から第三者が権利取得して農地転用」 - 農地法第4条による届出
→「市街化区域」で「所有者が農地転用」 - 農地法第5条による届出
→「市街化区域」で「所有者から第三者が権利取得して農地転用」
【農地転用にかかる費用】
- 書類取得にかかる費用
→合計1万円程度 - 手続きの代行費用
→合計20万円以下
(「許可申請や届出→行政書士」+「地目変更登記→土地家屋調査士」) - 宅地造成の費用
→広さ・状態・傾斜などによって異なる
(数百万円になることも珍しくない)
【農地転用の流れ・かかる期間】
- 許可申請
・書類取得…1週間程度
・許可申請…1週間から2週間程度
・届出申請…1週間から2週間程度 - 宅地造成
→広さ・状態・傾斜などによって異なる
(工事に入るまでに時間がかかることもある) - 地目変更登記
→1週間から2週間程度
農地転用で重要なのは、事前に正しい知識を習得しておくこと。
費用や流れを予習しておけば、農地転用をスムーズにすすめられます。
手続きを始めて不明点が出たときは、本記事を再確認してみてください。
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