不動産売却には不動産情報の広告活動や契約書類の作成など、面倒な業務や手続きが多数あります。
そのため不動産を売る際は、知識がある仲介業者にお願いするのが一般的。
ただし仲介で業務を任せられるといっても、契約方法や仲介手数料の計算方法など様々なルールや仕組みを知っておく必要があります。
そこでこのページでは不動産仲介にまつわる全知識をまとめました。
- 不動産仲介業者の仕事の内容や契約方法、手数料
- 不動産仲介を依頼するメリット
- 不動産仲介を依頼する注意点
- 仲介業者を探すのにおすすめの「一括査定サイト」について
大きく分けて、上記4つを中心に得体のしれない不動産仲介を紐解いていきます。
「不動産売却時に思わぬトラブルに合った」とならないよう、仲介の仕組みや注意点を理解しておきましょう。
Contents
不動産仲介の「仕事内容」「媒介契約」などの仕組み
不動産の仲介業者は不動産売却時に売主・買主の間に立ち、売買契約の成立にむけた活動をすることが役割です。
具体的な仕事内容や仲介までの流れ、契約方法を見ていきましょう。
【仕事内容】不動産を売る際の広告活動や書類作成をしてくれる
不動産売却における仲介業は単に"知識人が間に立つ"だけでなく、以下のような業務を担当します。
- 物件情報サイトへの広告掲載
- 広告チラシの作成
- 購入検討者の物件案内
- 購入希望者との値段交渉
- 契約書などの書類作成
こういった個人でやるのは面倒な作業を仲介業者は担ってくれます。
【仲介の流れ】不動産仲介を依頼するのは「査定」の後
仲介業者を挟んで不動産を売却するまでの流れはこちら。
- 仲介を依頼する不動産会社を探す
- 不動産価格の査定を依頼する
- 不動産会社に仲介を依頼する(契約を結ぶ)
- 不動産を売り出す
※売り出す前に不動産の状態を見る「建物検査」を行う場合もあります。 - 購入希望者と交渉する
- より詳しい物件情報を買主に開示する
- 売買契約を結ぶ
- 不動産を引き渡す
このように不動産の仲介業者と契約するのは不動産価格の査定が終わった後。
査定までは皆さん自身で不動産の相場や不動産仲介業者のリサーチ、不動産の査定依頼をする必要があります。
仲介契約後は不動産業者主導で話が進んでいくので、売り主がすべきことはほとんどありません。
より詳しい"不動産仲介の流れ"を知りたい方は下記ページをチェック。
各ステップごとにポイントや注意点を解説しています。
⇒【不動産売却の流れ】仲介契約から売買契約、税金の支払いまで【必要書類もチェック】
不動産売却時の仲介業者を探す際は『一括査定サイト』を利用すると便利。
複数の業者が一括で査定・見積もりをしてくれるので、大まかな売却価格が分かります。
査定価格を比較検討して、仲介を依頼する不動産業者を選別しましょう。
【契約方法】仲介業者と結ぶ「媒介契約」には3種類ある
不動産の仲介業者との媒介契約(仲介契約)には、以下の3種類があります。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
それぞれの契約方法の違いをまとめたものがこちら。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数の業者 への依頼 | できない | できない | できる |
売主による 直接取引 | できない | できる | できる |
不動産会社からの 定期活動報告の頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 定めなし |
レインズへの 登録義務 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | なし |
契約期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 定めなし (行政指導では3ヶ月以内) |
このように媒介契約の方法ごとに契約期間・依頼できる業者の数・レインズ登録までの期間は異なります。
そのため適当に契約方法を決めると、
「買主候補の数が少なく、希望売却価格よりも安く売ることになった」
「好条件の買主がいる業者が他にあるが、他社と契約できない条件だった」
「買主が見つからず不動産が売れない」
といったリスクを起こしかねません。
不動産を売る際の条件や希望に沿った契約方法を選びましょう。
専任契約だと他社に好条件の買主がいても取引できない
仲介業者に売却を依頼する方の9割は「専任媒介契約」を結びます。
(参考:不動産適正取引推進機構)
ただ専任媒介契約は、複数の業者への依頼はできません。
※専属専任媒介契約も、他社との契約ができない契約方法です。
他の不動産会社に好条件の買主がいた場合でも、お断りするしかないんですね。
専任系の契約にはレインズ登録してくれるメリットがありますが、買主の幅を広げるなら「一般媒介契約」も視野に入れてみてください。
媒介契約の詳しい特徴は下記ページで解説しています。
各契約方法におすすめの人や、媒介契約時の注意点も解説しているので目を通してみてください。
不動産売却で仲介業者に依頼する3つのメリット
不動産売却は「売主⇒買主」というように直接取引することもできます。
しかし専門知識をもつ仲介業者を間に挟むことで、
- 不動産を売るための広告活動をしてもらえる
- 契約書などの必要書類を作成する手間が省ける
- 瑕疵担保責任保証サービスを設ける業者ならリスクが少ない
といったように、不動産情報を広められたり面倒な手間を省くことができます。
何よりも仲介業者を間に挟むことで重要なのが、専門知識がある業者が活動してくれること。
直接取り引き可能とはいえ、個人で売却する場合は契約書の作成など法的な専門知識が必要です。
知識がないとトラブルの原因にもなるので、仲介業者に依頼するのが賢明でしょう。
①レインズ登録やHP掲載などで広告活動をしてもらえる
仲介業者に売却を依頼すれば、以下のように不動産を売るための広告活動を行ってくれます。
- レインズ(不動産流通機構)への登録
(※専属専任媒介契約または専任媒介契約の場合のみ義務づけ) - 自社ホームページへの掲載
- 不動産情報サイトへの登録
- 不動産情報の折り込みチラシの作成
- 土地などの場合は看板やのぼり旗を立ててくれる
個人売買にはないメリットが、レインズへの登録。
レインズとは不動産流通機構が運営する、不動産情報を提供するシステムです。
登録してもらえると、買主を持つ他社にもみなさんの不動産が目に入るようになります。
媒介契約ごとのレインズ登録義務レインズへの登録義務があるのは「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」だけ。
一般媒介契約は複数の業者と契約できるので、レインズへの登録義務がありません。
全ての契約方法でレインズ登録義務があるわけではない、ということは覚えておきましょう。
②契約書などの重要書類を作成する手間がない
仲介業者に売却を依頼すると、契約書などの書類作成もしてもらえます。
直接買主と契約する場合、契約書などの必要書類は全て売主自身で作成しないといけません。
売買契約書を作成の際は、以下のような内容を買主と取り決めて盛り込みます。
- 売買の対象面積と売買代金の決定方法
- 土地などの境界の明示
- 代金の支払い方法
- 手付金・手付解除
- 所有権の移転・引き渡し・登記
- 抵当権などの抹消
- 税金などの精算
- 引渡し直前に起きた不動産の欠陥による金銭支払い責務
- 契約違反による解除
- 瑕疵担保責任の設定など
内容に漏れがあったりすると売買契約は成立しません。
また書面上の内容にミスがあると、後々大きなトラブルの原因になる恐れもあります。
不動産仲介業者に任せておけば書類を作る手間もありませんし、専門家に任せられるので手続きもスムーズです。
③「瑕疵担保責任の保証サービス」を設けている不動産会社もある
不動産会社の中には、独自の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)保証サービスを設ける業者もあります。
(参考:大阪府宅地建物取引業協会)民法570条の下、瑕疵があった場合には買い主は売り主に修繕費の賠償を求めることができる。
具体的には、以下のような欠陥があった場合に瑕疵担保責任が発生します。
- 雨漏りがあった
- 柱がシロアリに食われていた
- 排水管に亀裂があった
直接売買した場合でも、仲介業者を挟んだ場合でも原則として責任を負うのは売主です。
しかし保証サービスがある不動産会社なら、不動産の引き渡しから一定期間は補修費用を仲介業者が負担してくれます。
売却後の思わぬ賠償責任のリスクを軽減するためにも、不動産会社の保証サービスの有無をチェックしてみてください。
不動産売却で仲介業者を利用する際の注意点3つ
不動産を仲介で売る場合、下記の3点には注意が必要です。
- 仲介手数料が発生する
- 囲い込みのリスクがある
- 近隣に不動産を売ることがバレる
①仲介業者に依頼すると「仲介手数料」が発生する
不動産売却を仲介業者に依頼すると「仲介手数料」が発生します。
仲介手数料は不動産を売る時の費用でもっとも高いので、余計な諸費用を抑えるためにも計算方法や相場を把握しておきましょう。
不動産売却における仲介手数料の計算方法がこちら。
【売却価格400万円以上の場合】
仲介手数料=(売却価格×3%+6万)×1.08(消費税上乗せ)
例)3,000万円の自宅を売却する場合
⇒(3,000万円×3%+6万)×1.08=1,036,800円
3,000万円の自宅を売ると、約103万円もの手数料が発生します。
【仲介手数料の相場】
不動産の売却額ごとの大まかな相場を知りたい方は、下記の「仲介手数料の相場早見表」をチェックしてください。
※ケースとして最も多い売却価格400万円以上の場合の手数料相場を記載しています。
売却価格400万円以上の場合を計
売却価格 | 仲介手数料の相場 (税込) |
---|---|
500万円 | 226,800円 |
1,000万円 | 388,000円 |
1,500万円 | 550,800円 |
2,500万円 | 874,800円 |
3,000万円 | 1,036,800円 |
3,500万円 | 1,198,800円 |
4,000万円 | 1,360,800円 |
4,500万円 | 1,522,800円 |
5,000万円 | 1,684,800円 |
6,000万円 | 2,008,800円 |
7,000万円 | 2,332,800円 |
8,000万円 | 2,656,800円 |
9,000万円 | 2,980,800円 |
1億円 | 3,304,800円 |
5億円 | 16,264,800円 |
不動産仲介の仲介手数料には上限がある
仲介手数料には上限額が法律上で決められています。
そのため不動産会社に上限を超える多額の手数料を請求されることはありません。
不動産仲介の仲介手数料の上限がこちら。
仲介手数料の上限額
- 取引額200万円以下:取引額の5%以内
- 取引額200〜400万円以下:取引額の4%以内
- 取引額400万円以上:取引額の3%以内
過剰な額の手数料を請求された場合は、上記の数値と照らし合わせてください。
②仲介業者に囲い込みをされるリスクがある
専任媒介契約や専属専任媒介契約で不動産会社と契約すると「囲い込み」をされるリスクがあります。
囲い込み問題とは両手仲介している不動産会社が働く悪事です。
両手仲介とは売り主と買い主の両方から仲介手数料を受け取ることができる仲介の仕組み。
一方で売り主か買い主、どちらか一方からしか仲介手数料を受け取れないのが片手仲介。
仲介の契約を結んでいる買い主に不動産を売るために、嘘をついて他の買い主の購入希望を拒否するのが囲い込み。
売り主と買い主、両方から仲介手数料を受け取ろうと"たとえ高値で購入してくれそうな他社からの買い主が現れても"嘘をついてやり過ごすんですね。
(「すでに契約が決まってる」というような嘘をつくことが多いです。)
囲い込されてしまうと、売却価格が安くなってしまう恐れがあります。
【囲い込みの事例】
時価総額2,500万円の住宅を「A社」に依頼し売却する場合
- 【売主】2,500万円で売りたい
- 【A社が契約している購入希望者】2,000万円で買いたい
- 【他社の購入希望者】2,400万円で買いたい
A社が囲い込みをしている場合、不動産は「2,000万円の買主」にしか売れなくなってしまう。
仲介業者を選ぶ時は「過去に囲い込みの事例がないか」をしっかり確認しておきましょう。
囲い込みを行う可能性があるのは、買主と売主の双方の仲介をする両手仲介業者。
売主だけ(または買主だけ)の仲介を担う片手仲介業者なら、囲い込みのリスクはありません。
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③近隣住民に不動産を売ることがバレる可能性がある
上述したように不動産会社は売却依頼されると、インターネットやチラシで不動産を広めてくれます。
折込チラシは近隣にもポストインされるので、
- 離婚で別居するために家を売る
- 住宅ローンが払えない
- 近所付き合いがうまくいかない
といった理由で不動産を売ろうとしていることがバレる可能性もあります。
また住み慣れた地域でマンション・自宅を購入しようと考える人も多いので、インターネットの広告でもバレやすいです。
こっそり不動産を売却したい方は、事前に募集方法について仲介業者に相談しておきましょう。
不動産売却の仲介業者を探すなら「一括査定サイト」が便利
これから仲介を依頼する不動産会社を探す方は「一括査定サイト」を活用してみてください。
一括査定サイトはあなたの土地や不動産の情報を入力するだけで、
- 売却価格
- 時価総額
を複数の業者が一括で査定してくれるサイトのこと。
媒介契約前に大まかな買い取り金額が分かるので、高く売却依頼できる業者を絞りやすいです。
また売却に関する疑問がある方は、相談先を探すのにも役立ちます。
関連記事完全無料の相見積もりサービスについてもっと知りたい人はチェックしましょう。
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こういったことから、不動産売却をこれから始める人でも手軽に利用できます。
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仲介の仕組みを理解すれば「もしもの時」にも対応できる
今回で解説したように不動産売却の仲介は、専門的知識を有する業者が間に立つので心強いです。
しかし仲介してもらうことによる注意点があることも覚えておきましょう。
◎不動産仲介のメリット
- レインズ登録やHP掲載、折込チラシといった広告活動をしてもらえる
- 契約書などの書類作成の手間が省ける
- 瑕疵担保責任保証サービスを設ける仲介業者もある
◎不動産仲介の注意点
- 仲介手数料が発生する
- 「囲い込み」されるリスクがある
- 近隣住民に自宅などを売ろうとするのがバレる
上記のメリット・注意点を知っておけば「そんなこと知らなかった」という事態を回避できます。
当記事を読んで不動産仲介の仕組みがわかった方は、まずは一括査定サイトで一括査定をしてもらいましょう。
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