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築古物件ビフォーアフター

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40年住んだ賃貸人が退去した後のリフォーム
~ビフォーアフターの写真も使って解説~

今回はTwitter・ブログ・Youtube等で資産運用系の情報を発信する「ワーママはる」氏にご寄稿いただきました。

テーマは「40年住んだ賃貸人が退去した後のリフォーム」について。

築古物件を手に入れるとリフォーム・リノベを考えることもあるはず。

しかし、あまりにも年数が経った物件のリフォームはかなり大変です。

  • 40年居住した物件の様子
  • 実際に行ったリフォームの流れ
  • 物件のビフォーアフター

を、実際の体験に基づいて写真付きでご解説いただきました!

物件リフォームを検討する方・不動産投資を考える女性にとって参考になる内容です

【寄稿者プロフィール】

ワーママはる
ワーキングマザー

外資系メーカー勤続15年、フルタイム勤務、転勤族。
小1、3歳兄弟(不妊治療)長時間労働夫と4人家族。
ワンオペ育児中。
管理職からの育休明けポジションダウン。
キャリア構築、家事効率化、知育、教育費目的の資産運用など実施中。

Twitter:@wa_mamaharu

こんにちは!ワーママはると申します。 

私は2017年より不動産投資に取り組んでいるワーキングマザーです。 

フルタイム勤務でサラリーマンをしながら子供二人を育てています。 

ワーキングマザーが不動産を買う理由

突然のリスクに対応するため

私が不動産を購入しようと思った理由は 働くお母さんは突発的な出来事で仕事を辞めるリスクを背負っているからです。 

例えば子供が不登校になったり、病気になったら働き続けるのが難しくなります。

そのため2人目育休中に、私の労働とは関係のない資産を持とうと考えて不動産投資を始めました 

私は本業をフルタイムで働いているので、正直手間のかかる物件は扱えません。

こんなお気持ちのサラリーマンの方が多いのではないでしょうか。 

そこで私が購入したのは新築アパート。 

サラリーマン属性を使い二棟購入しました。 

新築なので

  • 現在まで満室・家賃も安定的に入る
  • 管理会社さんもお願いしたので日常の手間も少ない

と、「サラリーマンには扱いやすい」良い物件です 

購入した築古物件で大規模リフォームの話が浮上

しかし利回りを考える(新築は6-8%代)とちょっと古いアパート(高利回り)も取り組んでみたい、と欲が出てきました。 

また購入時はまだ物件価格が高い時期で、なかなか理想の物件に出会えなかったのも要因です。 

「土地値を見越して、築古アパートを買ってみても良いのでは!?」 

そこで三棟目は「築古」にチャレンジしてみようと、築43年のアパートを購入しました。

相続案件の物件でした。

場所も良いので最終的には壊して新築アパートや戸建て、更地売却などを考えていました。 

ところがある日、一本の電話が。

死ぬまで住みたいと言っていた、40年以上入居されている1階のご夫婦(70歳前)が退去されるとのこと。 

40年以上修繕をしてないお部屋の為、急遽大規模なリフォームが必要になったのです。 

エー!! 

まさかこんな事態が起きると思っていなかった私ですが、忙しいサラリーマンでも築40年のお部屋をリフォームして貸し出すことができたのでご紹介します 

リフォームする部屋の確認

40年住み続けた部屋の状況

購入した築古物件はこのような状態でした。

物件のスペック

  • 43
  • 地方都市メイン駅から4つ目の駅徒歩8
  • 戸建が多い地区でアパートが少ない(よって需要あり)
  • 13LDKの部屋に40年以上住んでいる夫婦
    6畳のお部屋が3つ、キッチン、浴室、トイレ)
  • 水回りの難易度高、お風呂がバランス釜
  • 外装(屋根、外壁塗り直し)が必要 

1階のお部屋(3DK)は40年間同じ賃貸人が住まれていました。 

死ぬまででは無いですが、当分は退去は無いだろうなと思っていました。 

しかし突然の退去連絡。 

理由はこのようなものでした。

「このアパートで子供5人育てた。

大家さんが更新料も取らず、ずっと住まわせてくれたおかげです。

子供の一人が新居を用意してくれることになった。

もう高齢なので引っ越します」

それは…おめでとうございます(涙)

しかし、40年以上住んでいたお部屋の中が一体どうなっているのか…大家としては不安にかられました。

部屋は40年ノーリフォーム

元々、この物件の持ち主は地主さん。 

相続関係で手放されることになりました。 

40年住んでいた賃貸人ご夫妻とも仲が良く、アパートのお部屋の修繕などは賃貸人であるご夫婦に任せていたとのこと。

40年間一切部屋に入ったことはないと判明しました!! 

つまり、40年ノーリフォーム。

そりゃ更新料も取れないよね…。 

  • 二人の子供持ち
  • フルタイム勤務
  • 夫多忙むしろ不動産興味無し

の私にリフォームできるんだろうか…。

しかし、買ってしまった以上はやるしかありません。 

退去後の現状確認 

とりあえず、お引っ越しが完了してすぐにお部屋のチェックへ向かいました。 

40年住んでたんだろうなーと思えるたたずまい…。 

びっくりしたのが床がふかふか!波打っています。 

歩く度に床から浮くような感触。 

こんな廊下やお部屋でよく生活されていたなと、大家として申し訳なくなります。 

壁はいわゆる土壁で、触るとボロボロ落ちてきます。 

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他にも襖はボロボロ。

むしろ8枚中3枚はありません。(捨てたとのこと…) 

しかも素人DIYで包装紙を襖紙代わりに貼り付けていたりです。 

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網戸類も替えた記憶は無いとのことで上手く閉まらない、破れている。 

風呂場の窓ガラスも割れています。 

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さらにメインのお部屋、畳も40年間変えた記憶がないらしく至る所がすり減っています。 

3部屋全て畳のお部屋なので、洋間にやりかえる必要がありそうです。(表替えのレベルではなかった) 

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賃貸人が自ら色々と直してきたとのことで、浴室・部屋中の至る所をペンキを塗って直されています…。 

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他にも勝手口のドアは隙間だらけ。 

至る所に養生テープ…。(風を塞いであります) 

「直すのは良い、しかし元に戻す(原状回復)が大変なのだ!」とリフォームご経験のある大家さんは同意いただけるのでは無いでしょうか。 

お子さんを5人育てたとのことで、シールなどもあちこち貼ってありました。 

子育て世代なのでお気持ちは分かるのですが、剥がすのが大変。 

40年頂いたお家賃で、元大家さんが適切な修繕をしていれば…。 

しかし、やるしかありません! 

水回り(キッチン・洗面台)も40年替えてないので、これはもちろん替えなければいけません。 

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リフォームの流れ

まず大前提として、私は多忙なワーキングマザーなのでDIYをやる余裕も技術もありません

子供を誰かに預けて私が作業をするのは非効率的なので、業者さんといかに連携してやるのかというのがポイントになります。 

①まずは内装業者と下見に行き見積もりを取る 

上がってくる見積もりは、当初予定していた家賃で回収できるか不安になるほどの金額でした。 

この他に、外装にも手を入れてなかったのでペンキの塗り直し等の外装費用もかかります。 

具体的にはこういった内容でした。

  • 土壁からクロスへ変更(下地工事込み) 
  • 畳をはがしてクッションフロアへ変更(3部屋+廊下、キッチン、洗面所) 
  • 自主的DIYのはみ出たペンキ類を塗り直す
  • 襖の張り替え 
  • 浴室窓ガラス入れ替え 
  • 網戸の交換 
  • 洗面所、キッチンの取り替え 
  • ドアのダイノックシート張り替え 
  • エアコン2台の廃棄と新品の取り付け 
  • 全ての資材のゴミの廃棄(意外と高い) 

70平米の1階、内装費用だけで上がってきた見積もりは約100万円でした。

高い! 

②施主支給との組み合わせで乗り切る

内装屋さんに相談したところ「自分でできることは自分でする」になりました。 

当たり前と言えばそうですが、 DIY未経験・時間もない私には「何が自分でできるのか」わかりません。 

仲良くなってきた内装屋さんに相談すると、こうした助言をいただきました。

「キッチンや洗面台、エアコンは施主支給。 

電球取り付けや簡単な清掃、大型ゴミ捨て(畳など)、ドアなど簡単な部分のクロス貼りは自分でされてはいかがでしょうか? 」

「よしやろう!」 

仕事の合間に施主支給品はネットで注文。(Yahooショッピングと楽天市場が大活躍) 

クロス張りなどの作業は、土日に子供を連れて進めました。 

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途中困ったこと 

床を剥がしていた大工さんより「一報」があり、案の定シロアリが…。

43年何もしてこなかったんだからアリくらい居るよね…と思いつつ、業者さんと話して13万円で駆除してもらいました。 

他にも

  • トイレ下が漏水しているかも
  • 窓が開かないかも

と、内装業者さんと色々打ち合わせをしながら困った事案に対応していきました。 

業者さんは際限なく、完璧を求めます。(後にミスやクレームに発展させない予防策) 

そこで、この物件は「10年程度の運用しか考えてない」とあらかじめお伝えすることに。

そうすると向こうもプロなので「線の引きどころ」を提示してくれるようになりました。 

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良かった誤算 

40年住んでいた賃貸人夫婦。 

なんと勝手にトイレを「和式から洋式」に変更してくれていました! 

和式から洋式トイレ変更するには(技術のない私の場合)30万円近くの費用がかかる予定だったので、これは大変助かりました。 

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実際に変化した部屋

ではここからは実際にリフォームしたお部屋を見ていきましょう。 

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古い物件なので 

  • 個性的なクッションフロア
  • 白くなりすぎない壁紙(他の汚れが際立つ)
  • 水回り・エアコンは新品 

変更。

43年ですが、外装と内装をやり直したことによって物件力が上がりました 

リフォームを終えてみて 

家賃反映は正直1万円程度アップしかありませんでしたが、最終的には土地だけにして新築を建てるか戸建て売却しようと思っています。

それでリフォーム費用と物件価格、その間の家賃は回収できそうです。 

ちなみにこの物件で一番得をしたのは…40年間同じ賃貸人に貸し続け、一切のリフォームを行って来なかった地主の大家さん。 

ただ物件に対して無頓着な方だったおかげで高めの利回りと普段は土地が出てこない場所でアパートを購入でき、良い勉強になりました。 

  • 忙しいサラリーマンでも
  • DIYができなくても
  • 40年以上住んだ賃貸人が出ていっても

いろんな知恵とプロのご意見を参考にしながらリフォームすることはできます。 

しかし費用とのバランスや見積もりを取っても「これが適正なのか」という経営目線がないとなかなか厳しいなと感じました。 

今回の経験で

  • 見積もり
  • 業者との交渉
  • スケジューリング
  • 費用の削減

など、普段仕事でしていることを再現して使えたので「サラリーマン力」は意外と役に立ちます 

不動産を買う目的は明確にしよう

今、サラリーマンによる築古戸建てや築古アパートを購入しての不動産投資が流行しています。

でも買う前に

  • 「何のために、その不動産が欲しいのか?」 
  • 「本業がありながら、その不動産のために時間を出せるのか?」 

を一番考えなければいけません。

今回の40年住んだ方のお部屋のリフォームをしてみて「一体何のために」目的に沿ってやらないとなかなか苦労するぞと学んだ次第です。 

大家の経験としては、このお部屋のおかげでだいぶ上がったはず。

40年住んだお部屋のリフォーム、楽しかったですよ!

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-不動産コラム・取材